やってはいけない電話のガチャ切り|正しい電話の切り方を解説
更新日:2024.11.22ビジネス豆知識電話のガチャ切りは、ビジネスの場にとどまらず、電話の切り方として不適切と見なされています。ガチャ切りされた相手からは、いきなり電話を切られると不満や不快感を覚えるとの声が多く聞かれます。このような状況をふまえた場合、電話応対の基本マナーとして、電話のガチャ切りは適切な対応とはいえません。仕事上の電話で相手の印象をよくするなら、マナーに沿った電話の切り方を理解しておくと安心でしょう。そこで今回は、ガチャ切りの基礎知識や相手に与える印象をふまえつつ、電話応対の基本マナーや電話を切る前に使えるおすすめフレーズをご紹介します。
目次
ガチャ切りとは
電話の「ガチャ切り」とは、通話を終えた後、無造作に回線を切ることです。通話終了時に固定電話の受話器を乱雑に置くと、「ガチャン」と音が聞こえるため、ガチャ切りの呼び名がつきました。
ガチャ切りが問題視される3つの要因
この切り方が仕事上の電話応対で問題視される理由は、通話相手に音声面で不快感を与える可能性があるためです。穏やかな雰囲気で通話を終えても、最後にガチャンと大きな音が鳴ると相手は騒がしく感じ、苛立ちを覚える傾向があります。
また、性急な電話の切り方は、通話を終えるタイミングとしても問題です。電話の用件は1つとは限らず、こちらの用事が済んでも、相手は他の用件を伝えたいと望んでいるかもしれません。そこで一方的に電話を切れば、失礼に思われるでしょう。
さらに、電話応対のガチャ切りは、ビジネスの場で心理的にも問題があると指摘されています。こちらが急に電話を切ると、相手は「何か気分を害したか」や「いきなり切らなくても」と感じる場合があり、好ましくないと見られています。
これらが、仕事関係で通話する際、電話のガチャ切りが問題視される主な3つの要因です。そのため、社内の電話応対が好印象を与えられていないと感じる場合、電話の切り方に問題がないかを確認することは大切と考えられます。
ガチャ切りが与える印象
電話のガチャ切りは、ビジネスの場にとどまらず、通話相手に不快な印象を与えがちです。また、仕事関係では、不利益につながる可能性もあるといわれています。
ガチャ切りに対する見解
電話のガチャ切りに対する見解は、「不快」「失礼」といった意見が大半です。具体的には、通話終了時に「ガチャン」と切られた場合、当事者からは「イライラする」との声が多く聞かれます。ビジネス方面では、ガチャ切りへの不満により「一緒に仕事したくなくなる」と思うケースもあるといわれています。
2017年にマイナビニュースが自社会員の会社員501名に実施した調査でも、仕事の電話を不快・失礼に感じた理由として、言葉遣いの問題や昼休みの着信とともにガチャ切りが挙げられました。営業電話や着信の取り次ぎで急に電話を切られ、不快感を抱いたとの声が聞かれます。いずれにしても、公私を問わず、電話応対でのガチャ切りは相手に好印象を与えにくいとの見方が一般的になっています。
マイナビニュース 失礼だと感じたビジネス電話経験-「昼休み中にすみません」「だからね、」 (参照 2024-11.12)
企業にとっての不利益
電話のガチャ切りは、企業の不利益にもつながると懸念されている問題の一つです。ビジネスの場において、電話を乱雑に切る行為は、通話相手への配慮に欠けるため基本的にマナー違反と見なされています。一部例外は、うっかり手を滑らせ、意図せずガチャンと受話器を置いてしまった時くらいです。無造作にガチャ切りすると、相手からは「社会人としての礼儀が身についていない」と低く評価される可能性が高いです。
そのうえ、電話対応した本人だけでなく、企業や仕事に対する信頼性が下がるリスクも皆無ではありません。顧客や取引先からの信頼が損なわれ、「安心して仕事を頼めない」と思われた場合、企業にとっては大きな不利益になると問題視されています。
電話応対の基本マナー
仕事上で電話応対する際、電話のかけ方・受け方と合わせて受話器の置き方にも配慮することは、ビジネスにおける基本的なマナーです。
電話を発信・受信する時のマナー
電話を発信・受信する際、いずれの場面でも、名乗りは必須のマナーです。こちらから発信する時は、顧客や取引先と電話がつながったら、最初に自分の勤務先や所属・氏名を伝えます。また、目的の相手が電話口に出てくれたところで、会話を続ける時間があるかを確認します。急ぎの用件でも、すぐ本題に入るのはNGです。そこで、お互い時間的に問題がなければ、本題へと話を進めます。とはいえ、ビジネスで時間は貴重であり、手短に要領よく用件を伝える配慮が求められます。
一方、こちらが受信する場合、最初に挨拶の言葉を添えて企業名や氏名を名乗るのが基本です。個人的な電話と違い、「もしもし」と受ける応対はビジネスの基本マナーに反します。加えて、相手の勤務先・氏名と用件は、受信時に必須となる確認事項です。これらを聞いたら社内の担当者に取り次ぎ、担当者が不在であれば折り返すか確かめます。仕事関係の場合、以上のような応対が、電話のかけ方・受け方に関するマナーと認識されています。
通話を終える時のマナー
通話を終える時のマナーとしては、電話を切る順番に配慮することが大切です。ビジネスの場で電話する時は、通常、先方に連絡を入れた側から電話を切ります。こちらが発信した場合、ほかに用件がないかを確認のうえ、先に受話器を置いて問題ありません。
一方、受信した際は、相手が電話を切るまで待つ必要があります。いずれの場面でも、最後まで丁寧に応対する意識は重要であり、受話器を静かに置くことは大切な配慮です。固定電話であれば、フックを静かに押してから受話器に両手を添えて置くと、丁寧に電話を切れます。また、会話を終えた後は、「お忙しいなか、ありがとうございました」や「失礼いたします」の言葉を添えると好印象につながります。
電話を切る前に使えるおすすめフレーズ
ビジネスの場で電話を切る前に使える表現としては、「お時間を取ってくださり、ありがとうございました」「また、お電話ください」などが挙げられるでしょう。
電話を切るまでの対応の流れ
仕事で電話を発信・受信して最後に切るまでの手順は、最初の挨拶と名乗りから始まり、用件の最終確認と締めの挨拶で終わる流れが基本的です。電話を入れる時は、手間を取らせて申し訳ないと最初に謝罪し、受信時には連絡してくれたことに感謝を述べます。
また、企業名や氏名を伝える際は、聞き間違いを避けるため聞きやすい声で名乗ります。次は、電話の用件や相手の情報を説明・確認する段階です。発信時には、電話の用件や誰と話したいかを簡潔に説明します。一方、受信時は、相手の用件や所属先についてのヒアリングが欠かせません。これらの説明や確認を終えたら、具体的な応対や情報提供に進みます。自分が発信者なら、相手に話を続ける時間があるかを確認のうえ本題に話を移し、受信者であれば相手の質問に回答していきます。
最後は、一通り用件を済ませ、ほかに打ち合わせ事項がないかを再確認して話を締める流れです。ここで、ほかに話すことがなければ、締めの挨拶で時間を取ってくれた相手に感謝などを伝えて通話を終了します。通話を終えた後、受話器の置き方などに配慮しながら静かに電話を切れば、電話応対の印象はよくなると考えられます。
電話を発信する時の対応例
こちらから電話する時のフレーズには、簡潔で分かりやすい表現がおすすめです。
(対応例)
自分:お忙しいところ、恐れ入ります。☐☐会社△△部の〇〇です。~の件でお電話したのですが、担当の◇◇さんをお願いできますでしょうか。
(担当者に電話が取り次がれ、本題について打ち合わせが終了)
自分:では、~の件は、打ち合わせ通りに進めさせていただきます。本日は、ご多忙のなかお時間を取ってくださり、ありがとうございました。ほかに、ご確認されておきたい件はありますでしょうか。
相手:いえ、とくにありません。
自分:では、改めましてお忙しいところありがとうございました。失礼いたします。
(通話終了
以上のようなフレーズで丁寧に電話を切れば、相手から不快な応対と思われる心配はないでしょう。
電話を受信した時の対応例
自分が電話を受けた時は、正しい言葉遣いを心がけると、印象をよくするのに効果的です。
(対応例)
自分:いつも、お世話になっております。株式会社△△の〇〇です。お名前とご用件を、お伺いできますでしょうか。
(相手の氏名・用件などを確認、本題に関する説明を終了)
自分:本日は、わざわざお電話くださり、ありがとうございました。ほかには、お聞きになりたいことなど、ありますでしょうか。
相手:いえ、ありません。大丈夫です。
自分:承知しました。では、また何かご不明点などありましたら、お気軽にご連絡ください。失礼いたします。
(通話終了)
電話の受信時も、気遣いの感じられる言葉を添えて電話を切ると、着信対応の印象を上げるのに役立つでしょう。電話応対の印象度は企業イメージにも影響してくるため、電話を切る前は、参考例のようなフレーズで締めくくることをおすすめします。
電話対応マナー習得のメリット
ビジネスの場で電話対応の基本マナーを習得するメリットは、社会人としての評価が上がれば、企業の信頼性向上や収益増進につながる点です。
社会人として評価が上がる
社会人として評価が上がるところは、電話対応の基本マナー習得で見込まれる大きなメリットです。ビジネスマナーの習得は簡単でなく、基本的なレベルを身につけるにも日頃の努力が不可欠といわれています。敬語表現に限っても、尊敬語と謙譲語の適切な使い分けに苦労するケースは珍しくありません。電話応対で敬語を正しく使用できた場合、マナーに沿った言葉遣いの習得を目指して真面目に鍛錬した証しとなるでしょう。適切な言葉遣いでマナー習得に対する姿勢が評価されれば、相手の印象はよくなると考えられます。その結果、社会人として高評価を得られた場合、仕事に対する信頼感も増すと期待できます。
企業の信頼感・収益向上にもつながる
社会人としての信頼獲得は、企業の信頼感や収益の向上に結びつくところもメリットの一つです。従業員の適切な電話応対が高く評価された際、職場の指導体制も充実していると理解されるケースは多く見られます。そこで企業イメージが向上した場合、別の仕事につながる可能性は低くないでしょう。さらに、新たな仕事で十分な成果を出して期待に応えれば、顧客や取引先からの信頼感は高まると考えられます。最終的に企業の信頼性が上がり、仕事の契約件数も伸びれば、収益増進に結びついてくると見込まれます。
このように、電話対応の基本マナー習得は、企業に多くのメリットをもたらす方法として有効です。それに対し、電話のガチャ切りは信頼喪失やイメージダウンにつながるため、仕事上の電話対応では控えるのが賢明と考えられます。
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