渉外業務って何をするの?営業との違いは?

更新日:2023.08.28ビジネス豆知識

渉外業務って何をするの?営業との違いは?

外部とかかわって交渉や提携を行う仕事に、渉外業務があります。営業職と似ていますが、いくつかの点で異なっています。渉外担当がいることで、効果的な顧客フォローを行う、販売先を拡大するなどが可能です。こちらでは、渉外の仕事内容や必要スキルについてお伝えします

渉外職の仕事内容

渉外職の仕事内容

渉外とは、外部の企業や関係者と連絡をとったり、交渉を行ったりする職業です。渉外担当の仕事には、営業職と重複するものが多くなります。例えば、顧客の要望を聞き、それに応える提案をするのも仕事のひとつです。

百貨店でお得意様に対して商品提案やサービス紹介をする、金融機関で富裕顧客に対して外貨預金や投資信託を販売するなどの例があります。内容は営業職に似ていますが、営業職以上に幅広い業務を行います。渉外担当の仕事は企業や業界によって異なりますが、次の様な業務が一般的です。

金融業界の渉外担当

金融機関の渉外担当は、証券を始めとした金融商品や、資産運用サポートについてを顧客に紹介する提案型営業を行います。金融知識が少ない顧客に対して商品のメリットを説明し、購入してもらう仕事です。

百貨店の渉外担当

百貨店の渉外は、営業職よりも販売職に近い存在です。お得意様のところへ出向いて商品を提案する、来店した顧客に対して商品を紹介するなどの仕事を行います。渉外担当が接客する顧客には富裕層が多く、「外商顧客」と呼ばれています。

代理店営業を行う渉外担当

販売代理店とは、商品やサービスの販売元と提携し、販売元に代わって商品を売る代わりにマージンを得る会社です。保険や携帯電話、中古車などを扱うところが多く見られます。販売代理店と交渉を行う販売元の渉外担当は、一般的に「代理店渉外」と呼ばれます。

代理店は広い地域のシェアを持っているため、効率的な販売先の拡大が可能です。しかし、商品の効果的な売り方については、販売元のほうがよく分かっています。代理店と販売元を結ぶのが渉外担当の役割です。

提案中心型の渉外担当

企業によっては、営業職と渉外担当の両方が存在するところもあります。この様なケースでは、営業職が売上ノルマを持ち、渉外担当が顧客訪問数達成のために動くのが一般的です。近年は商品やサービスが複雑化しているため、顧客に魅力を分かってもらうには丁寧な説明と提案が欠かせません。売上を上げる営業職と、提案を中心に活動する渉外担当を分けることで、効果的に販売を拡大できます。

アフターフォローやアフターサービスを行う渉外担当

販売を営業職が担当し、アフターフォローやアフターサービスを渉外担当が行うケースもあります。長期的に商品が売れ続けるためには、多くの顧客に商品を継続して買ってもらわなければなりません。販売とアフターフォローの担当を分けることで、フォロー体制の強化が可能になります。

営業との違い

営業との違い

渉外担当と営業職の違いは企業によって異なりますが、売上を上げることを目指すか、顧客との関係を築くことを目指すかで分かれているケースが多くなります。

営業職の仕事は、営業先の検討をして直接訪問や電話で営業活動を行うことです。見積もりを出したり、プレゼンテーションをしたりして、商品のメリットを伝えます。顧客に気に入ってもらえれば受注につながります。また、年末年始に手土産持参で挨拶をしたり、接待したりといったことも営業職の仕事です。さらに、アフターフォローやクレーム対応を行う場合もあります。

営業職には売上目標があり、ノルマに追われる方も少なくありません。売上を伸ばすことを重視するあまり、顧客へのアフターフォローが不足してしまうケースもあります。

一方、渉外担当は顧客への提案やアフターフォローを中心に行います。業種にもよりますが短期の売上よりも顧客との関係構築を重視する場合が多いため、長期的な売上アップが期待できるのです。営業職と渉外担当は、それぞれ異なる役割を持っています。

渉外担当に必要なスキル

渉外担当になるには、どの様な能力がいるのでしょうか。必要なスキルをご紹介します。

コミュニケーションスキル

顧客に効果的な提案をするためには、顧客の要望を引き出さなければなりません。ヒアリング能力や、自社製品を分かりやすく説明する対話能力が必要です。また、渉外担当は常に顧客から信頼される行動をとる必要があります。時間を守る、知らないことをごまかさいなど、誠実な対応も重視されます。

適応力

渉外担当は、幅広い業務を行う職種です。仕事は会社の事業方針によって変わるため、さまざまな環境に適応できなければなりません。また、顧客に適切な提案をするには、状況を読んで判断する力も必要になります。

課題解決能力

渉外担当は、顧客の問題を把握して、解決策を提案する必要があります。商品についての深い知識を持ち、すばやく解決策を見つけなければなりません。また、商品の詳細や導入事例を紹介して顧客に興味を持ってもらう力も必要です。

折衝、交渉との違い

渉外担当は、交渉を行ったり、場合によっては折衝をしたりします。「交渉」と「折衝」にはどの様な違いがあるのでしょうか。

交渉」とは、特定の問題について相手と話し合うこと、掛け合うことを指します。個人間や個人対団体といった小さな取り決めから、国家間の取引まで、幅広い場面で使われる言葉です。交渉は、お互いが納得できる結論を出すことを目指して行います。自分にも相手にもメリットのある結論を出すのが理想です。

一方、「折衝」とは、利害関係が一致しない相手と駆け引きをし、妥協して折り合いをつけることです。軽い話し合いよりも、外交や政治に関係する複雑な話し合いで使われるケースが多くなります。異なる目的を持った人物同士で折り合いをつけなければならないため、話し合いは複雑化する傾向があります。

折衝力」は渉外担当に欠かせない能力です。渉外担当は、まず交渉を行い、双方が納得できなければ折衝に移ります。渉外担当を目指す方は、双方の希望を考慮して結論を導く能力を身につける必要があります。

銀行や百貨店の渉外係について

銀行や百貨店の渉外係について

渉外係を置いているところが多いのが銀行です。渉外係は、顧客の話から金融や資産運用に関するニーズを掘り起こし、解決策を提案します。顧客は渉外係の出した案に魅力を感じれば、金融商品を利用します。銀行の渉外係は、収益を上げたり、情報収集を行ったりする重要な存在です。「歩く支店」と呼ばれることもあります。

銀行と同じく、渉外係が存在するところが多いのが百貨店です。百貨店の渉外係は、主に外商顧客に対して提案を行います。

外商顧客とは、百貨店の売上の約6割を占める富裕層です。昔から百貨店と付き合いがあり、年間数百万円の買い物をする方が外商顧客になるといわれています。渉外担当は外商顧客の好みの商品を把握し、入荷したら勧めたり、必要であれば自宅に訪問したりします。

百貨店の売上を支える顧客を相手にするため、渉外担当には高い接客スキルが欠かせません。外商顧客を担当する方には、接客レベルの高いベテラン社員が集まっています。外商顧客担当は高額な商品を勧めることも多く、信頼性が強く求められるため、若い方よりも年齢の高い方が多くなります

渉外担当は、銀行でも百貨店でも重要な役割を担う存在です。責任の大きい仕事ですが、やりがいを感じて働いている方も多く見られます。接客スキルや課題解決力に自信がある方は挑戦してみてはいかがでしょうか。

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