「ピグマリオン効果」で部下のモチベーション向上

更新日:2025.04.01ビジネス豆知識 , 秘書代行 , 電話代行

社員のモチベーションアップ

ピグマリオン効果は、他者の期待に応えたいとの思いが学業や仕事の結果につながる心理的な現象です。ビジネスの場では、企業の人材育成や部下のモチベーション向上に役立つとの考えから注目されています。しかし、人によっては、どのような方法が効果的か悩むかもしれません。この機会に、ピグマリオン効果の理解を深めておけば、部下の指導・育成に活かせると考えられます。また、部下の負担を軽減してモチベーションアップにつなげるなら、電話代行を導入するとよいでしょう。そこで今回は、ピグマリオン効果の概要を解説し、部下のモチベーションを高める方法・ゴーレム効果に関する注意点や電話代行のメリットをご紹介します

ピグマリオン効果とは?

ピグマリオン効果は、他者から期待された時、結果として勉強の成績や仕事の成果が向上する心理的な作用です。

言葉の意味・由来

本来、ピグマリオン効果は教育心理学の分野で提唱された概念であり、他者からの期待に伴う学習面での成績向上を意味する用語です。そもそも「ピグマリオン」は、ギリシア神話に登場するキプロス王の名前を指しています。王は自分で造った彫刻像を深く愛し、やがて彫刻像は本物の人間になったというエピソードが残されています。この話に由来し、他者からの期待が成績・成果に結びつく心理作用には、「ピグマリオン効果」の名称がつけられました。

また、米国の教育心理学者ロバート・ローゼンタールが提唱したため、「ローゼンタール効果」とも呼ばれています。現在は、さまざまな分野で人材育成の必要性が高まり、ピグマリオン効果はビジネスの場でも注目されています。

ピグマリオン効果の事例

ピグマリオン効果の事例としては、ローゼンタールにより実施された小学校の知能テストやネズミの実験が挙げられるでしょう。小学校の知能テストでは、テストの後、無作為に「成績の伸びる生徒」が選ばれました。選出された生徒たちに教師が期待をかけたところ、その生徒たちの成績は伸びたと報告されています。

ネズミの実験は、ピグマリオン効果が発見される契機となったものです。この実験では迷路が用いられ、「訓練を受けた系統」とされたネズミは「訓練前の系統」とされたネズミより結果がよかったと説明されています。小学校の場合は生徒たちが教師の期待に応えようと思い、迷路の実験では訓練済みとされたネズミが丁寧に扱われたため、好成績に結びついたと考えられています。

ハロー効果などとの違い

ピグマリオン効果とハロー効果やホーソン効果との違いは、具体的な心理作用などの差異です。ピグマリオン効果は、他者からの期待を受け、その気持ちに応えようとする心の動きを指します。この思いから、勉強や仕事へのモチベーションが上がり、成績・成果の向上につながると考えられています。

ハロー効果は、部分的な評価が全体的な印象に影響を及ぼす心理的な作用です。一部の特徴に魅力を感じた時、その影響から全体的な評価・印象もよくなるといった現象が該当します。

ホーソン効果は、他者からの注目が行動面の変化や良好な結果につながる心理現象です。心の動きはピグマリオン効果に近似しますが、周りに注目されているか他者から期待を向けられているかといった違いが見られます。

また、ピグマリオン効果と相対する考え方が、ゴーレム効果の概念です。こちらは、他者からの期待が好成績につながるのとは逆に、誰かに期待されないとモチベーションや成績・成果も上がりにくくなる心理を指します。
それぞれの違いを簡単にまとめると、次表の通りです。

※横にスクロールできます。

名称 心的要因 心理作用・結果
ピグマリオン効果 他者からの期待 モチベーションの向上や成果に結びつく
ハロー効果 部分的な評価 全体的な印象・評価が影響を受ける
ホーソン効果 他者からの注目 行動が変化して良好な結果につながる
ゴーレム効果 期待なし モチベーションや成果は上がりにくくなる

これらは混同される場合もあるため、各々の区別がつきにくい時は、上表を参考にして各効果の違いを把握しておくとよいでしょう。

ピグマリオン効果で部下のモチベーションを高める方法

ピグマリオン効果で部下のモチベーションを高めるには、仕事のできる人材であると信用することが大切です。同時に、好意的な姿勢で接する意識も求められます。

上司の信頼が部下を伸ばす

職場で、上司が部下への信頼を示す時は、好意をもって期待している旨を伝えると効果的です。些細な事柄でも、前向きな言葉で評価すれば、仕事に対する意欲を引き出すのに役立つと考えられます。部下が朝早くに出勤してくる場合、「いつも遅刻せずに頑張っているから、将来有望ですね」と話せば、やる気につながるでしょう。仕事が丁寧なら、「ミスが少ないから、頼りにしている」といった発言も、労働意欲を高める可能性があります。

また、上司の信頼感や期待感を示す言葉は、業績が伸びない部下のモチベーション低下を防ぐにも有効です。「大丈夫。日頃の努力は、これから必ず成果に結びつく」と励ませば、部下は信用されていると感じて落ち込まずに済むでしょう。

上司からの信頼や好意的な評価は部下にとって励みとなるため、期待に応えようとの思いは強まりモチベーション向上につながると考えられます。逆に、部下を信じる気持ちが乏しいと、職場での指導や評価は不適切な内容になりがちです。仕事でミスがあった時、これまでの努力を認めず非難すれば、部下は不当に評価されたと感じて仕事への意欲を失くすかもしれません。このような事態を防ぎ、日々の頑張りを正当に評価するためにも、上司が部下を信用する姿勢は大切になります。

ゴーレム効果を避けるための注意点

ゴーレム効果とは、他者からの低い評価が、その人のパフォーマンスを実際に下げてしまう心理現象のことです。ビジネスの場でゴーレム効果を避けるには、部下を人前で叱責しないといった注意が必要です。

人前での叱責を避ける

人前での叱責を避ける姿勢は、部下の労働意欲を維持するうえで必要な配慮といえます。職場の同僚や来客がいるなかで仕事のミスを厳しく叱ると、部下はモチベーションを保てず、実力通りの成果を出せなくなりがちです。

人格否定をしない

上司が部下を指導する際、人格否定は厳禁であり、人前でなくても控えなければなりません。仕事で失敗が続いたとしても、「君は使えない」などと否定すれば、部下は萎縮して逆にミスしやすくなるでしょう。

実績を評価する

実績を適切に評価することも、ゴーレム効果を避けるための配慮として重要です。仕事で成果があった時、上司が関心を示さないと、部下は頑張っても意味がないと感じてモチベーションを下げる可能性があります。上司の言動が配慮に欠けるとゴーレム効果を招きやすいため、部下の叱り方には注意し、日々の実績は積極的に評価することが望ましいと考えられます。

電話代行の導入も効果的

職場で部下のストレスを軽減し、モチベーションの向上につなげるなら、電話代行を導入する方法は効果的です。

【関連記事はこちら】
>>電話代行とは?

上司が部下に信頼を向けても、部下が電話対応に追われ自分の担当業務に専念できないと、モチベーションの低下を招きやすくなります。また、迷惑電話で作業が中断されストレスが蓄積すれば、さらに労働意欲は減退するでしょう。

これらの問題を解決する手段として、電話代行は役立ちます。着信時の一次対応を外部委託すれば、部下が電話を受ける手間は減り、迷惑電話に応対する面倒もなくなるためです。

電話代行を職場で導入した場合、着信対応の負担が減った部下は、自分の担当業務に力を入れやすくなります。職場が仕事を効率よく進められる環境になれば、部下のモチベーションは高まるでしょう。

このように電話代行は、着信時の一次対応を引き受けることで部下の負担軽減・業務の効率化やモチベーション向上に貢献できるサービスです。職場の部下は、業務効率が上がり多くの成果を出せれば、さらに仕事への意欲が高まると期待できます。部下の育成に悩みがあり、ピグマリオン効果でモチベーションを向上したいとお考えの時などは、その一助として電話代行の導入をご検討ください

Pocket

The following two tabs change content below.
電話代行サービス株式会社では、電話応対のアウトソーシングを検討している方向けに、電話代行やビジネスに関する情報を発信していきます。 電話代行について相談する
お問い合わせ