電話での「ロジハラ」にはどう対処すれば良い?
更新日:2024.05.23秘書代行ロジハラは、基本的に正論を唱えているため、何が問題かを訴えにくいタイプのハラスメントです。しかし被害者は、精神的に大きなダメージを受けるケースが少なくありません。社内の会話や社外からの電話でロジハラが起きた場合、そのまま放置すると企業にとって大損害につながるおそれがあります。そこで今回は、ロジハラの定義や問題点をふまえ、被害者・企業にとってのデメリットや電話によるロジハラへの対処法などをご紹介します。
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目次
ロジハラの定義や問題点
ロジハラとは、正論を振りかざしたハラスメント行為です。発言そのものは間違っていませんが、伝え方などが問題視されています。以下では、ロジハラの基本的な定義・特徴や問題点をご紹介します。
基本的な定義・特徴
ロジハラは、基本的に「正論で相手を追い詰める行為」と説明されるハラスメントです。「ロジカルハラスメント(logical harassment)」の略称であり、別名「正論ハラスメント」とも呼ばれています。ロジカルの名の通り、論理的に相手を非難するところが特徴的です。
近年ロジハラは、ビジネスシーンで頻繁に発生しているといわれています。ビジネスシーンでのロジハラは、会議で自分の考えを主張する時や上司が部下のミスを指摘する際に発生しやすい傾向にあるようです。
ロジハラの問題点
ロジハラを受ける側は論理的に攻撃されるため、反論が難しく追い詰められてしまいます。正論とはいえ、相手の状況や気持ちに配慮を欠いている点がロジハラの大きな問題とされています。会議や部下の指導で正論を述べること自体は、間違っていません。部下のミスを指摘する時は、無闇に叱責するより論理的にミスの原因や解決策を教えたほうが話を聞いてもらえる可能性は高いでしょう。
しかしその際、相手に配慮せず必要以上に正論を強調すればロジハラに値します。相手は、発言内容が正しいと理解しながらも、強く批判されれば傷ついてしまうのです。
ロジハラする側の特徴
ロジハラする側は、自分本位になっているところが主な特徴です。ハラスメントといわれますが、必ずしも嫌がらせを意図しているわけではありません。実際の思考としては、以下に挙げる意識が強いと見られています。
- 自分の意見・考えは正しい
- 相手より優位に立ちたい
- 相手は自分より劣っている
自分の意見が正しいと確信している場合、他者の考えを認めることは困難です。相手より優位に立ちたい時は、必要以上に自分の正当性をアピールするケースが多くなるでしょう。また、相手を下に見ると、相手の話を聞かなくなりがちです。
これらの特徴から、ロジハラする側は相手に配慮・共感できない場合が多く、知らないうちにハラスメントになっているパターンが目立ちます。
ロジハラで生じるデメリット
ロジハラは、被害者だけでなく企業にも影響を及ぼすリスクがあると指摘されている問題です。放置すると、生産性の低下などを招く可能性があります。以下では、ロジハラで生じる被害者・企業にとってのデメリットをご紹介します。
被害者にとってのデメリット
被害者にとってロジハラは、精神的に大きなダメージを受けるところが主なデメリットです。ロジハラの被害者は、激しい言葉で批判され深く傷つけられるケースが多く見られます。それでも、発言内容が正論であるため、反論できずに精神的ダメージを抱え込むことが少なくありません。
気持ちが落ち込むと、仕事に対するモチベーションを高めるのは難しくなります。そのため、ロジハラ被害者は普段通りに作業できなくなる場合が多く、業務効率も落ちてしまうでしょう。また、人によっては精神バランスを大きく崩し、仕事を続けられなくなるケースも見受けられます。
企業にとってのデメリット
ロジハラで生じる企業にとってのデメリットは、生産性の低下・一体感の乱れ・従業員の離職などです。ロジハラにより従業員の業務効率が下がれば、仕事全体の生産性は低下すると考えられます。多くの部署でハラスメント被害が発生した場合、大幅な業績不振を招くかもしれません。
仕事について従業員の意見が対立した時、お互いに尊重できないと、良好な人間関係を維持するのは難しいでしょう。一方が過度な批判により他方を傷つければ、社内の一体感は乱れる可能性があります。
ロジハラの被害者は、心身の不調により辞職に追い込まれてしまうケースも珍しくありません。最近は国内の人手不足が深刻であり、大切な従業員がハラスメントで離職してしまうのは企業にとって大きなデメリットになるでしょう。社内のロジハラ被害を防ぐために、企業側が適切に対策する必要があるといえます。
企業によるロジハラ対策
企業がロジハラ対策をする場合、社内の風通しをよくする方法が効果的です。社内の風通しが良くなれば、従業員同士のコミュニケーションの円滑化が期待できます。日頃から盛んなコミュニケーションで親交が深まっていれば、仕事で考えがぶつかった時もお互いに配慮しながら意見を交わせるでしょう。
また、ロジハラが発生した時に備えて、チェック体制を整えることも大切です。社内に相談窓口を設置しておけば、被害者は1人で悩みを抱え込まず解決策を相談しやすくなります。日頃から社内全体でロジハラに注意を向ければ、問題発生時にも迅速に対応できると考えられます。
電話でのロジハラに対処するには
ロジハラは、お客様や取引先からの電話でも発生している事案です。企業は、電話でのロジハラにも対処する必要が生じています。以下では、社外からの電話でロジハラを受けた時の対処法などをご紹介します。
最後まで話を聞く
電話でロジハラを受けた時は、まず最後まで話を聞くことが重要です。ロジハラでは発言内容の正当性が過剰にアピールされるため、お客様や取引先からの電話でも会話を続けるとストレスになるかもしれません。それでも、途中で遮れば、「正論を述べているのに」と腹を立てられる可能性があります。
問題の肥大化を避けるには、相手の発言を一通り聞き続ける方法が効果的です。相手によっては、最後まで話せると、自分の正しさが認められたと感じて満足する場合があります。余計な言動で刺激しなければ、被害は最小限に抑えられると考えられます。
相手の発言を認める
電話によるロジハラでは、相手の発言を「正しい」と認める対処も有効です。一般的な電話は、お互いの顔が見えないため、言葉のやり取りが中心になります。そのため、ロジハラを受けた時は、黙って聞いているより相手の発言を正しいと認めたほうが満足感を与えやすくなります。
こちらの気持ちを伝える場合は、タイミングが大切です。相手が一通り話し終えて反応を待っていると感じた時、「その通りです」や「納得しました」と回答すれば、速やかに会話を終えられるでしょう。ストレスがたまっても反論せず発言の正しさを評価すると、相手に満足感を与える効果は高まると見込めます。
周りでフォロー
電話でのロジハラが確認された場合、被害者に対する周りのフォローは不可欠です。ロジハラ被害者の多くは精神的ダメージを負っているため、上司や同僚が相談を受けた時は親身に悩みを聞く姿勢が求められます。お客様や取引先が正しかったとしても、被害者が間違っていると責めるのは逆効果です。
正論でも過度なアピールは好ましくないと助言すれば、被害者のダメージを和らげるのに効果があります。周りのフォローで被害者のストレスが軽減された場合、大切な従業員が離職するリスクは下がると考えられます。なお、最初のうちは正論でも過剰なクレームや理不尽な要求に発展した場合、すべてを聞き入れる必要はありません。
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