FAQシステムの基本的な機能と導入のメリット

更新日:2023.10.23秘書代行

企業の顧客窓口やコールセンターでは、電話対応の負担を減らしたいとの悩みが多く聞かれます。この悩みを解決する方法としておすすめなのが、FAQシステムの導入です。FAQシステムがあれば、質問者は知りたい情報を自分で検索できます。質問者自身が疑問を解決してくれれば、コールセンターなどの呼量は減り、業務負担を軽減できるでしょう。そこで今回は、FAQシステムの概要を解説し、システム導入がもたらすメリットなどをご紹介します

FAQシステムの基本機能や種類

FAQシステムの基本機能や種類

FAQシステムは、問い合わせ窓口などに頻繁に寄せられる「よくある質問」について、あらかじめ回答を用意しておくシステムです。このシステムがあると、問い合わせの多い質問の答えを質問者自身が検索できるようになります。以下では、同システムの基本機能などをご紹介します

FAQシステムの意味・基本機能

FAQは、「frequently asked question」の略です。言葉通り、頻繁に尋ねられる質問を意味しています。同システムの基本機能は、大きく分けるとFAQの管理機能と検索機能の2種類です。

管理機能

管理機能は、実際に行われた質疑応答の内容について管理する機能を指します。この機能により、職場は各種の質問・回答に関する情報を共有しやすくなります。

検索機能

検索機能は、質問者の求める回答を検索しやすくするための機能です。よく尋ねられる質問は同機能により分類整理され、それぞれの回答はスムーズに検索できる状態で用意されます。

FAQシステムは、以上の2機能を活用して職場での情報共有と質問者にとっての使いやすさを実現しています。

FAQの主な種類

FAQの主な種類は、顧客向け・社内向け・コールセンター向けの3つです。

顧客向けFAQ

顧客向けFAQは、お客様から寄せられた質問に対して企業側が回答をまとめたシステムです。企業の公式サイトに用意されるケースが多く、顧客には一般消費者とともに取引先も含まれます。

社内向けFAQ

社内向けFAQは、通常業務に関する質問・疑問を対象として企業が用意するタイプです。通常、業務関係で多くの従業員が抱える質問への回答であり、一般公開でなく社内限定で提供されています。

コールセンター向けFAQ

コールセンター向けFAQは、コールセンターをはじめ顧客対応が中心業務になる部署で使われる種類です。社外からの質問を扱うところは顧客向けと同じですが、このシステムは主に顧客対応の品質向上を目指しています。

それぞれ用途は異なるため、実際にシステムを構築・導入する時は、いずれに向けて提供するか明確にしておく必要があるでしょう。

Q&A・チャットボットとの違い

FAQとQ&A・チャットボットとの違いは、管理対象となる質問の範囲、もしくは回答を検索する方法の差異です。Q&Aが扱う質問は、質問者から寄せられた頻度が高いとは限りません。FAQに比べると、幅広い質問を網羅的に取り上げられるといわれています。ただし、実際のところFAQとの区別は曖昧です。

チャットボットは、質問者がAIと会話しながら回答を検索するタイプのプログラムです。一般的にFAQの場合、質問者が自分に該当する質問項目を選んで回答を得るのに対し、チャットボットは会話形式で質疑応答が進められていきます。最近は、コールセンターなどの業務負担を軽減する目的で、FAQシステムやチャットボットを導入する職場が多く見られます。

FAQシステムのメリット・デメリット

AQシステムのメリット・デメリット

企業がFAQシステムを導入するメリットは、電話で質問に直接答える手間などを減らせるところです。ただし、導入時にはデメリットも伴います、以下では、FAQシステムの主なメリット・デメリットをご紹介します

FAQシステムのメリット

質問者からの電話に直接対応する負担が軽くなる点は,FAQシステム導入でコールセンターなどが得られる大きなメリットです。

顧客向けFAQ

お客様や取引先が顧客向けFAQを利用した場合、顧客窓口やコールセンターに電話で質問が寄せられる件数は減ると考えられます。似通った質問の呼量が減少すれば、電話対応にかかる負担は軽くなると期待できます。

社内向けFAQ

社内向けFAQは、業務の効率化に効果的です。多くの従業員がFAQステムで必要な情報を手早く検索できれば、時間の節約につながります。また、業務上の有益情報が社内で共有された場合、企業全体の業務レベルは上がると考えられます。

コールセンター向けFAQ

オペレーターがコールセンター向けFAQを活用すれば、よく尋ねられる質問を受けた時に何と答えればよいか確認しやすくなるでしょう。あらかじめ適切な回答パターンを用意した場合も、作業効率や業務品質の向上を見込めます。さらに、お客様が時間をかけず回答を得られる可能性も高く、顧客満足度の向上につながるメリットもあります。

導入に伴うデメリット

FAQシステムの導入に伴うデメリットは、導入コストの負担や定期的なメンテナンスを避けにくいところです。現在、FAQシステムは、有料と無料のタイプを選べます。有料タイプは、初期費用やシステムの維持・更新にかかるランニングコストを避けられません。無料タイプは出費を抑えられますが、機能を制限されるケースが多くを占めます。

また、オープンソースの無料システムは、ライセンスに準拠しなければならないケースが一般的です。必要に応じたシステム改変が禁止されている、あるいは改変内容の公開を求められる場合もあります。FAQシステムを運用するうえで、定期的なメンテナンスは不可欠です。

システムの更新を怠ると、商品のモデルチェンジやサービス内容の変更が行われた時、顧客に最新情報を提供できなくなります。そのため、コールセンターなどでFAQシステムを導入する時は、メリットとともにデメリットも把握しておくことが大切と考えられます。

FAQシステム導入・構築のポイント

FAQシステム導入・構築のポイント

FAQシステムを導入・構築する時は、既存システムと相性のよい種類を選ぶことが大切なポイントです。また、分かりやすさ・使いやすさへの配慮も必要になります。以下では、システムの導入・構築時に留意したいポイントを具体的にご紹介します

既存システムに適した種類を選択

コールセンターなどでFAQシステムを導入する場合、既存システムに適した種類を選択することは重要です。現在、FAQシステムには、さまざまな種類があります。無料タイプは経費節減に役立ちますが、機能を制限されているケースが多く、既存システムと連携できない可能性があります。新規導入したシステムと既存システムとの相性が悪いと、業務に差し支えるかもしれません。職場の業務負担が増えるなら、システム導入は逆効果です。そのため、FAQシステム導入では、既存システムとの適合性が重要と考えられます

分かりやすさ・使い勝手を重視

職場でFAQシステムを構築する際に重視したいポイントは、質問者にとっての分かりやすさ・使い勝手のよさです。FAQシステムでは、質問内容をテーマごとにジャンル分けします。どのテーマに何の質問が分類されているか理解しにくいと、質問者はどこを選べばよいか判断できず、結局電話で問い合わせする場合があります

また、使い勝手がよくない場合、質問者は検索作業に手間取るでしょう。時間をかけても知りたい情報に到達できなければ、電話での問い合わせに切り替えてくる可能性があります。システムが理解しにくい、あるいは使いにくいと呼量の増加につながるでしょう。このように、FAQシステムの設定が適切ではない場合、呼量が増える状況におちいる可能性があります。

そのため、システムを構築する時は、分かりやすさ・使い勝手のよさを重視する必要があると考えられます。FAQシステムを構築する際は、以上のポイントに留意することがおすすめです。コールセンターなどで活用することで、電話対応の業務効率化や職場環境の改善を見込めるでしょう。

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