司法試験の合格後に法曹が受ける新人研修

2018.07.13スタッフブログ

試験合格だけではない?法曹になるための修習プログラムがある

法曹(判事・検察官・弁護士)になるには、司法試験に合格後、全国で実施される司法修習を受け、修了試験に合格する必要があります。修習プログラムの内容は、いずれの科目もレベル要求度が高く、実際の法廷現場を見学しながら事件や法律の問題点と向き合い、法律実務の能力を鍛えるというもの。長丁場の司法トレーニングを経て、立派な法曹として認められるのです。

法曹になるための修習プログラム

法曹になるためのルート

判事・検察官・弁護士それぞれの資格をえるには、次のステップを踏む必要があります。

  1. 法科大学院を修了、もしくは司法予備試験に合格
  2. 司法試験を受験
  3. 合格
  4. 司法研修所に入所、集合研修と実務研修を受ける
  5. 二回試験を受験
  6. 合格。3法曹のうちいずれになるかを選べる

司法試験に合格して、司法研修所(司法修習生が通う研修機関)に入所するための切符が手に入ります。世間的には司法試験合格が法曹になるための最後の関門、と思われがちですが、その時点はまだ道半ばに過ぎないのです。

司法修習は、実務修習と集合修習に分かれ、約1年間のカリキュラムで実施されます。研修で高度な法律実務と法的思考力、条文解釈力を鍛え上げたのち、研修最後に行われる司法修習生考試(二回試験)を受験、合格してはじめて、法務大臣から法曹認定を受けるのです。

試験合格後、司法研修所で実施される修習とは?

司法修習は、法律のスペシャリストとしてふさわしい知識と実務スキルの獲得を目指すとともに、高い倫理観と職業意識の醸成を目的に行われる、法曹養成の必須課程です。裁判官・検察・弁護士いずれになるにしても同じ内容のカリキュラムが実施される「統一修習制度」で、日本特有ともいえる法曹養成制度。それぞれ異なる立場から事件や裁判の展開を考えることで、公平かつ幅広い視座を持つ人材の養成につながるとされています。

司法修習は、平成18年度から新司法修習制度の下で実施されています。8カ月の分野別実務修習と2カ月の選択型実務修習、および2カ月の集合修習という課程構成です。

分野別実務修習について

「分野別実務修習」では、第一線で活躍する専門家の指導下、実際の事件を取り扱いながら法律を学ぶ個別修習です。民事裁判・刑事裁判・検察・弁護の4分野についてそれぞれ2カ月ずつ取り組むという内容。
裁判修習には、実際に自分が判事という立場で法廷を傍聴し、その事件における法律上の問題点を検討、文書にまとめて裁判官に報告するというプログラムもあります。そのほか、裁判官と判決の内容についてディスカッションする機会も与えられ、裁判のプロから直々に判決にいたった理由について意見交換することも可能です。
検察修習や弁護修習でも、机上で理論を学ぶのではなく、実際の犯罪事件を取り扱う中でそれぞれの立場から証拠収集や法廷への立会い、法律文書の作成などを体験するという、実務能力が鍛えられるカリキュラムとなっています。

選択型実務修習について

「分野別実務修習」を終えた司法修習生が次に進むステップが、「選択型実務修習」です。この趣旨は、修習生が興味や希望する進路に応じて学ぶ内容を主体的に選択し、これまでの修習課程で学んだ内容を深化させるというもの。弁護修習先の弁護士事務所を拠点に法律業務に従事しながら、裁判所や検察庁、弁護士会から提供される個別修習プログラムを受講します。修習生という立場にとらわれず、法律のプロとして自主的に活動する姿勢が求められる修習テーマです。

集合研修について

集合修習は、「民事裁判」「刑事裁判」「検察」「民事弁護」「刑事弁護」の5科目について、それぞれ専門講師の個別指導の下、徹底的に学ぶ研修プログラムです。ここでは、実際の事件記録をもとに作成されたテキスト(修習用の事件記録)を使って行う起案がメインです。起案とは、配布された100ページ前後の事件記録を分析し、設問別に事実認定や書面作成を行う作業で、法律の理解度を試すテストに相当します。提出された起案は、教官が添削を行い、修習生にフィードバック。あるいは修習生同士のディスカッションのテーマ素材としても扱われます。

なお、実務修習地によっては、選択型実務修習より先に集合修習を行うところもあります。

最後の関門“二回試験”

法曹認定を受けるための最後の関門が、司法修習生考試、いわゆる“二回試験”です。司法試験に続き、二度目に実施される試験であることから、そう呼ばれます。

二回試験の内容は、「民事裁判」「刑事裁判」「検察」「民事弁護」「刑事弁護」の5科目。それぞれ100ページ前後の事件記録を配布され、起案を作成するというものです。つまり、集合修習で身に付けた能力が試される試験です。

この試験が特殊なのは、1科目1日7時間半、計5日間37時間半というハードスケジュールの中で行われるところ。5日間連続で行われ、間1日の休みもありません。起案作業の問題用紙は100ページにもおよび、それを読み込むだけでも相当な時間がかかります。そのうえ、分析や書面作成の時間も必要となるのです。実際に試験を受けた受験者からは、「7時間半でも足りない」という声も聞かれるほどです。

ただし、二回試験の合格率をみると例年9割の方が合格しています。これほど合格率が高いのは、司法試験の勉強や司法修習での学習によって、実務能力が相当なレベルにまで達しているからでしょう。二回試験は法律実務のスキルを試すテストというより、これまでの研修をどの様に取り組んだか、その本気度を確認する場といってよいかもしれません。

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