法律事務所で電話対応するときに役立つスキルとは?

更新日:2024.10.21業界関連情報

法律事務所で電話対応するときに役立つスキルとは?

法律事務所で事務員として働くなら、電話対応は避けて通れません。法律事務所には日々多彩な電話がかかってくるため、電話対応の難易度は高いといえます。メールやチャットの普及により、電話をかける機会が減ってしまい、電話対応に苦手意識をもっているという方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、法律事務所の電話対応時に役立つスキルをご紹介します。法律事務所で働いてみたいという方や、パラリーガルを目指している方は、ぜひ参考にしてみてください。

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法律事務所で働くには

法律事務所で働くには

法律事務所の事務仕事は、大きく法律事務(パラリーガル)と秘書事務の2つに分けられます。まずは、それぞれの仕事内容についてご紹介します

法務事務(パラリーガル)

パラリーガルの仕事は、主に弁護士の補佐的な仕事全般を担います。所属する法律事務所の弁護士の指示・監督を受けながら、法律に関する書類の作成や資料の準備などを行うのが主な仕事となります。国家資格など特別な資格は必要ありませんが、法律に関する知識はあった方が就職・転職に有利です。具体的な業務内容は以下の通りです。

  • 弁護士への依頼や相談についての予備的な聞き取り
  • クライアントと弁護士の法律相談に同席
  • 必要な公的書類の取り寄せ
  • 依頼や相談についての判例や法律、文献の調査
  • 裁判書類の作成・起案
  • 裁判所への同行
  • 債務整理などにおける賃金業者との交渉

秘書事務

秘書事務の主な仕事は、弁護士のスケジュール管理や来客・電話対応など、弁護士のサポートが中心です。具体的な業務内容は以下の通りです。

  • 弁護士のスケジュール管理
  • 弁護士の出張手配
  • 会議資料などの書類作成
  • 書類のコピーやファイリングなど書類整理
  • 来客および電話やメールの対応
  • 備品管理や事務所の掃除

ただし中小企業では、パラリーガルと秘書事務の線引きがなく、パラリーガルが秘書事務の仕事もこなさなければならない場合があります。

法律事務所の電話対応

法律事務所の電話対応

法律事務所には、日々さまざまな電話がかかってきます。こちらでは、法律事務所にどんな電話がかかってくるのかを電話の内容ごとに分けてご解説します

法律相談の予約

顧問契約を結んでいる企業の担当者などから、法律相談の電話がかかってくることがあります。電話を受けたら、簡単な相談内容や相談希望日時、来所人数などを確認したうえで弁護士のスケジュールに合わせて予約を受け付けましょう。

弁護士会からの連絡

事務所の弁護士が所属している弁護士会からの電話も、よくある電話の1つです。弁護士会からは、提出物の期限に関する連絡や23条照会、報告関係の連絡があります。弁護士会との連絡は、ほとんどがFAXやメールを使ったものですが、電話連絡がないとは限りません。弁護士会の電話を使ってほかの事務所の弁護士から連絡が入る場合もありますが、弁護士への取り次ぎがほとんどでしょう。

裁判所からの事務的な連絡

弁護士事務所には、裁判所や検察庁からも頻繁に連絡が入ります。裁判官から直接、訴訟に関する連絡が入ったり、事務官から保管金に関する連絡が入ったりするケースも。裁判所や検察庁からの電話を受けたら、用件や名前はもちろん、事件番号なども控えておく必要があります。

裁判所からの破産管財人の打診

破産管財人とは、破産手続きにおいて、破産者のもっている財産の管理や処分、回収などを行う権利をもっている人のことです。弁護士の中から、裁判所が選任します。電話で打診があった場合は、破産者の氏名(法人名)や申立代理人の氏名、負債額、債権者数などを聞いておきましょう。

法テラスからの国選弁護人の打診

国選弁護人とは、国が選任する弁護人です。刑事被告人からの請求(刑事訴訟法36条)や法律の規定(刑事訴訟法37条)に基づいて選任されます。弁護士が国選弁護人に登録している場合、法テラスから国選弁護人の打診の連絡が入ります。被疑者または被告人の氏名や罪名、身柄が拘束されている留置所や拘置所、記録の冊数などを聞いておきましょう。

ポータルサイト経由の法律相談

弁護士に無料で法律相談できたり、地域や分野などから依頼する弁護士を検索できたりする、便利なポータルサイトが多くあります。このようなポータルサイト経由で、電話がかかってくることがあります。この場合、電話の相手は「すぐに弁護士に相談したい」と考えている人がほとんどです。

そのため、電話をとった事務員に暴言を吐いたり高圧的な態度をとられたりして、嫌な思いをする可能性があります。ポータルサイト経由で法律相談を希望してくる人への対応方法は、しっかり弁護士と相談して決めておくことが大切です。

営業電話

法律事務所にも、弁護士向けの商品やサービスの営業電話が多くかかってきます。弁護士は多忙のため、営業電話がかかってくるたびにつないでいては業務に支障が出てしまいます。営業電話への対応方法は、担当の弁護士と話し合って決めておきましょう。電話を出てすぐに弁護士につないでほしいといわれたら、弁護士は不在ということにして、用件を聞いておくことをおすすめします。自己判断で断るのではなく、弁護士に用件を伝え、許可を得てから断るようにしましょう。

法律事務所の電話対応で役立つスキル

法律事務所の電話対応で役立つスキル

法律事務所の電話では、法律に関する専門用語も飛び交うため一般企業と比べて難しいといわれています。しかし、少し工夫することでよりスムーズに対応することが可能です。以下では、法律事務所の電話対応時に役立つスキルや工夫をご紹介します

法律の専門用語に独自の略語や記号を作る

法律の専門用語は、漢字にすると長かったり画数が多かったりして、メモをとるのに手間取ってしまいます。そのため、手早くメモをとるように、独自の略語や記号を作っておくと便利です。

例えば、裁判官はJudgeの頭文字をとって「J」、検察官はProsecutorの頭文字をとって「P」と表すなど、簡単で分かりやすい表記にしましょう。法律事務所内で記号の書き方が決まっている場合もあるため、所属する法律事務所の表記方法を教えてもらうようにしてください。

専用のメモ帳を作っておく

上記で説明した通り、弁護士事務所の電話対応では、用件によって聞いておかなくてはならない情報が異なります。名前や事件番号のほかに、電話の用件ごとに必要になる情報のひな型を設けたメモ用紙を作成しておくことをおすすめします。メモをとるのがスムーズになるうえに聞き逃しも防げるため、電話の話により集中できるでしょう。

聞き取りにくい名称や名前はカタカナ表記

法律事務所の電話対応では、人の名前や地名、施設名などを聞き取り、正確に弁護士に伝えなくてはなりません。聞き取りにくいものはしっかり聞き返し、漢字ではなくカタカナでメモをとるようにしましょう。漢字のメモは、後で見返したときに読めなかったり、読み間違えたりしてしまう可能性があります。

まとめ

法律事務所で電話対応する際に役立つ情報をいくつかご紹介しました。法律事務所で働く場合、特に必要な資格などはありません。しかし、専門用語が飛び交う電話にうまく対応するためには、法律の知識やコミュニケーション能力などのスキルが必要です。新しくスタッフを雇い、安心して電話対応を任せられるよう育てあげるには、多くの時間やコストを要するでしょう。

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