寒い季節に陥りがちな発声に関する悩みと対策

更新日:2023.10.23スタッフブログ

寒い季節に陥りがちな発声に関する悩みと対策

寒い季節は、滑舌が悪くなりやすく声も震えがちです。発声がよくないと、職場で電話対応する時などに聞き間違えられる恐れがあります。電話応対を担当する方にとっては、悩ましい問題ではないでしょうか。誤解によるトラブルを防ぐには、早めに対策することが望ましいでしょう。そこで今回は寒い季節ならではの発声の悩みをご紹介し、さまざまな悩みの改善に効果的な対策法などを解説します

寒い季節の発声の悩み

寒い季節の発声の悩み

寒い季節に生じる発声の悩みは、滑舌の悪さや声の震えです。会話の声がこもる、また風邪などで鼻声になることもあります。以下では、それぞれの悩みの特徴などを解説します。

滑舌の悪さ

滑舌の悪さは、寒さが引き起こす悩みの代表例です。顔が冷たい空気に触れると口の筋肉は緊張し、舌の動きが鈍ります。最近は多くの会社で省エネやコスト節減の意識が高まり、暖房の温度を低めに設定する職場が増えました。早朝や夜間は、経費を抑えるため社内すべての暖房を切るケースも見られます。

早出・残業する際、職場によっては個人で防寒しなければなりません。寒さに耐えながら働いていると体に力が入り、舌も筋肉の緊張で滑らかに動かなくなります。

声の震え

声の震えも、寒さに伴い起きる現象の一つです。気温が下がり寒くなると、手足だけでなく声も震え始めます。寒い時に見られる体の震えは、無意識に体温を調整する仕組みです。正式には「シバリング」と呼ばれ、自分の意志と関係なく脳の命令により筋肉が体を震わせ熱を発生させます。職場で仕事している時も、暖房を使えず寒いなか声を出すとシバリングにより震えることがあります。

声がこもる

日々の寒さが厳しくなると、口の開きが小さくなり会話の声がこもるケースも少なくありません。口は、声の通り道です。会話で聞き取りやすい声を出すには、大きく口を開ける必要があります。ただし寒い場所で口を大きく開けて話すと体に冷気が流れ込み、さらに寒く感じるでしょう。職場でも寒いなか冷気の流入を避けるため口を少ししか開かないと、声はこもりやすくなります。

鼻声

鼻声は、寒さで風邪をひいた時などに現れる症状です。鼻の通りが悪くなると、普段と変わらない声は出しにくくなります。風邪が軽症のうちは、鼻声も仕事の妨げになりません。とくに鼻声が悩ましくなるケースは、症状が重くなった時です。普段通り呼吸できないくらい症状が進むと声は聞き取りにくくなり、会話するのも辛く感じます。

それでも最近のビジネスパーソンは仕事を休まない傾向にあり、鼻声で話しながら勤務しているシーンが多く見られます。いずれも、職場の電話対応や商談の席では会話の聞き間違いにつながるリスクが小さくありません。誤解によるトラブルを防ぐには、これらの悩みを改善することが望まれます。

発声の悩みへの対策

発声の悩みへの対策

寒い季節に滑舌の悪さなどで悩まされている時は、体の緊張をほぐす対策が発声の改善に効果的です。会話中の話し方や姿勢を工夫すると、改善効果は高まります。以下では、それぞれの悩みごとに発声改善の効果が見込まれる対策法をご紹介します

滑舌が悪い時の対策

滑舌が悪い時は、体の力を抜くと筋肉の緊張を和らげるのに有効です。また、話し方を工夫する方法も発声の改善に役立ちます。

体の力を抜く

寒さで体の筋肉が緊張している場合、最初に全身の力を抜きましょう。とくに緊張を和らげたい部位は、口・喉・肩から背中にかけての上半身です。口や喉の辺りの力が緩むと、舌も回りやすくなります。筋肉の緊張をほぐす時は、まず全身に力を入れてから一気に脱力します。

話し方を工夫

話し方を工夫する場合、とくに意識したいのは母音です。会話の声は、母音をはっきり発音するほど聞き取りやすくなります。「ありがとうございます」であれば、「あいあおうおあいあう」の明瞭な発音を心がけます。母音の発声がよくなると小さな声も伝わりやすくなるため、この方法は声量がない場合にもおすすめです。

発声練習も大切

仕事の関係で電話対応する機会などが多い場合、日頃の発声練習も大切です。ここでも、母音の発音がポイントになります。そのため、おすすめの練習方法は「あえいうえおあお」です。勤務を始める前に練習しておけば、職場で電話を受けた時も滑舌のよい聞き取りやすい声で話せると期待できます。

声の震えを改善するには

寒さによる声の震えを改善するには、体を温めると効果的です。職場で暖房を使うのが難しい場合、ストレッチで体を温める、あるいは姿勢を正して声を通りやすくする方法もあります。

ストレッチで体温上昇

暖房を使わず自分で体を温めるなら、運動はおすすめの方法です。ただし、職場内では激しく動き回れないでしょう。椅子に座ったまま、またデスク周りで簡単に運動するならストレッチが適しています。さらにストレッチで筋肉の緊張が和らげば、口も動きやすくなると見込めます

姿勢を正す

声の震えを改善するには、姿勢を正す方法も有効です。正しい姿勢でお腹に力を入れられると、張りのある声を出しやすくなります。デスク仕事が続き猫背になっている時は、一度、つま先で立ちましょう。その後、かかとを静かに下ろすと背筋が伸びた姿勢を取れます。

呼吸方法も意識

しっかり声を出せない場合、呼吸が浅くなっている可能性もあります。そんな時に意識したいのは、腹式呼吸です。肺を広げる胸式呼吸より腹式呼吸でお腹を膨らませたほうが、呼吸は深くなり震えの改善につながります。お腹に両手を置けば、どれくらい腹部が膨らんでいるか確かめられます。

声がこもる場合は

口の開きが小さく声がこもる場合、ゆっくり話すとよいでしょう。また舌や喉のエクササイズも、発声の改善に役立ちます。

ゆっくり話す

会話の声がこもる時は、ゆっくり話すことが大切です。さらに抑揚をつけると、声を聞き取りやすくする効果が高まります。会話のスピードを落とせば、早口で聞き取りにくくなる心配もありません。個々の言葉に意識を傾けると、発音や滑舌にも注意できるでしょう。

舌のエクササイズ

声のこもりを滑舌のよさでカバーしたい場合、舌のエクササイズはおすすめです。舌の筋肉を鍛えると、滑らかな舌の動きを手に入れられます。とくにカ・タ・ラ・ナ行は舌を使うため、エクササイズに向いています。最初は1行ずつ発声練習し、慣れてきたら「カチ・ラテ」など各行を組み合わせるとスキルアップに有効です。

喉のエクササイズ

喉のエクササイズは、こもり声の改善につながります。口を横に伸ばし、「イー」と10秒くらい発声し続ける方法は簡単です。他に、顎と両手の親指で押し合うトレーニングもあります。この場合は顎の下に両手の親指を当てておき、顔を下に向けながら親指で顎を押し上げて喉の筋肉を鍛えます

鼻声を改善する方法

寒さや風邪による鼻声は、薬を飲んで改善するケースが一般的です。ただし仕事中に薬の作用で眠くなるのを避けたい場合、うがいや口の筋肉を鍛える方法もあります。

うがい

うがいは、声を出しながら行うと舌や喉の筋力向上に有効です。口に水を含み、うがいする時に「アー」と発声します。普段から声を出している場合、大きめに発声するとよいでしょう。この方法で舌や喉を動かす力が増せば、会話の声は聞き取りやすくなると考えられています。

口の筋肉を鍛錬

風邪が治っても鼻声が続く場合、口周りの口輪筋が弱っているかもしれません。口輪筋は、唇を突き出しながら「オウオウ」と繰り返し発音すると鍛えられます。親指と人差し指でOKサインをつくり、そこに口先を入れると唇の形を確かめやすいでしょう。また筋肉は短時間で鍛えられないため、長く継続することも大切なポイントです。

その他

その他に、舌を引っ張りながら発声すると鼻声の改善が見込めます。ティッシュやハンカチで舌先をつまみ、前方に引き出して声を出します。しばらく発声したら、次は左右上下の順番で動かす流れです。それぞれの位置で5秒ほど静止したまま、声を出します。どの対策法が高い効果を発揮するかは人によって異なるため、この機会に自分に合う方法を探してみてください。

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