確証バイアスが企業に与える影響と回避のポイント

2022.09.01 更新日:2022.09.27スタッフブログ

確証バイアス回避ポイント

確証バイアスは、自分に好都合な情報を集めがちになる心理状態です。仕事上の判断も偏見や先入観に左右されることがあり、ビジネスの場では問題視されています。ただ誰でも無意識に陥るといわれ、その影響を避けるのは簡単ではありません。そこで今回は、確証バイアスの基礎知識をふまえたうえで、陥りやすい場面や回避のポイントなどをご紹介します

確証バイアスとは

確証バイアスとは

確証バイアスは、自分にとって好都合な情報を無意識に集める心理的な傾向です。誰にでも見られる心理現象ですが、注意しないと偏った意見や判断が生まれる原因になります。

確証バイアスの主な特徴

確証バイアスが引き起こす主な特徴は、自分の考えを支持する情報が目に入りやすくなるところです。たいてい人の意見は完全ではなく、何かしら反論の余地があると考えられています。いろいろな情報を集めれば、自分の考えに否定的な内容が含まれていても不思議ではありません。

ただ心理面で確証バイアスが作用すると、自分を正しいと肯定してくれる情報に目が向きやすくなります。一方、否定的な情報は都合が悪いため、意図せず遠ざけてしまうといいます。このような自分の都合で無意識のうちに情報を取捨選択する心理的傾向が、確証バイアスの大きな特徴です

代表的な事例

確証バイアスの特徴が見られる代表的な事例としては、血液型にもとづく性格判断が挙げられます。血液型と性格との関係については、「A型は几帳面」や「B型はマイペース」が有名でしょう。実際のところ血液型で性格が決まるわけではなく、O型やAB型でも几帳面あるいはマイペースなタイプの人は存在します

それでも学校や職場で几帳面な人がA型と分かると、「やはりA型だから」と納得する声が聞かれます。一方、B型やO型の人が几帳面でも、あまり血液型との関係性は語られません。こんな現状からも分かる通り、血液型と性格については多くの場面で都合のよい情報が好まれる傾向にあり、確証バイアスの典型的な事例ともいわれています。

確証バイアスの問題点

確証バイアスに伴う大きな問題は、先入観や思い込みにより自分の意見を正当化してしまう点です。通常、非の打ち所がない意見は稀であり、ほとんどの場合に否定的で不都合な情報が見つかります。客観的なデータにもとづき多角的に検証すれば、完全に肯定するのは困難です。

それに対して確証バイアスが強く作用すると、好都合な情報が大半を占めます。どれほど情報量が多くても、客観性は損なわれています。偏った情報により自分が正しいと思い込むのは、合理的な判断とはいえないでしょう。とくにビジネスでは客観性や合理性が重視されるため、確証バイアスによる不当な判断は問題視されています。

ビジネスで陥りやすい場面

ビジネスで陥りやすい場面

ビジネスで確証バイアスに陥りやすい場面は、採用面接や人事評価です。年齢・出身校・前職などについてのステレオタイプな考え方は、この問題を招きやすいと指摘されています。

採用面接

採用面接の場は、ビジネスシーンのなかでもとりわけ確証バイアスに陥りやすい場面といえるでしょう。面接官や採用担当者は、採用面接で会社に大きく貢献できる求職者を選び出す必要があります。実際の面接時には、先入観からの第一印象などによらず客観的に判断する姿勢が求められます。

しかし現状では、確証バイアスの作用を受けていることは多いようです。年齢や出身校、あるいは前職を根拠とする第一印象が選考作業に影響しているケースは珍しくないといいます。さらに新入社員が理想的な業績を出すと、採用者は確証バイアスに左右されていても自分が正しかったとの思いを強める場合があります。

人事評価

社内での人事評価も、採用面接とともに確証バイアスに陥りやすいといわれる場面のひとつです。優れた経歴のある求職者は、採用時の期待が小さくありません。そのため、人事評価では長所に目が向きがちです。問題点があっても見過ごされる場合が多く、「本調子ではなかった」と都合よく判断されるケースが目立ちます。

また体育会系の部活に所属していた学生は、採用時に「打たれ強い」という印象を持たれる傾向が高いです。そのため、仕事のミスで落ち込んだとしても、周りからは「すぐ立ち直るだろう」と思われ適切なフォローが受けられない恐れがあります。職場での人事評価は、公平性が必須要素です。それでも現実には、確証バイアスに影響されるケースが目につきます。

商品開発

商品開発の分野も、確証バイアスが大きく関わるビジネスシーンの代表例に挙げられています。現在の国内市場では、かつてに比べると消費者ニーズが多様化した影響で、ヒット商品を生み出すのは簡単ではなくなりました。新商品の開発現場は、大量の顧客情報を収集・分析することで的確な市場動向の把握を目指しています。

とはいえ心理学的な観点からは、「自分が正しい」と信じたい気持ちは誰にでもあるとの見解が示されています。その意味で確証バイアスは、どれほど開発者が客観性を心がけても避けがたいといえる心理的傾向です。そのため新商品が売れるか検証する時は、開発者が自分のアイデアを正当化するために、無意識に情報を取捨選択する可能性があると懸念されています。

回避のポイント

回避のポイント

ビジネスシーンで確証バイアスを回避するための大切なポイントは、自分が間違っていないか批判的に考える意識です。同時に、第3者の意見を聞くことや否定的な情報を集める姿勢も欠かせません

批判的に考える意識

批判的に考えるとは、自分の判断を疑う思考方法ですクリティカルシンキングとも呼ばれ、確証バイアスを回避するうえで重要性は高いと考えられています。具体的な手順は、最初に「自分の考えは偏っている」と認めるのが基本です。この前提のもと、どこが間違っているかを検討します。あくまで「自分は正しい」と信じていると、確証バイアスを避けるのは難しくなります。

自分の判断に疑いの目を向けたら、次は何が正しいか考える段階です。そこでも早急に正しいと結論を出すのは禁物であり、改めて疑念を抱く必要があります。このプロセスを何回となく繰り返し、多方面から自分の考えを見直します。様々な視点で再検討するほど思考内容は改善され、徐々に精度の高上が期待できるでしょう。

第3者の意見を聞く

ビジネスシーンでの確証バイアスを回避するには、利害関係のない第3者の意見を聞くことも重要です。クリティカルシンキングは、自分の考えから偏見や先入観を取り除くのに大きな効果を発揮しますが、万能の方法とはいえません。時間の制約などを考えると、上記の思考プロセスを長々と繰り返すのは現実的に厳しいでしょう。

そこで有効な選択肢が、第3者の意見を聞くことです。自分と利害関係がなく日頃から信頼している人物の客観的なアドバイスであれば、不都合な意見でも受け入れやすいと考えられています。仕事の関係者は利害が絡むため、お互い感情的になる恐れがあり適切な助言を求めるのは難しいかもしれません。

否定的な情報を収集

否定的な情報の収集は、自分の考えに潜んでいる偏見や先入観を自覚するのに効果的な方法です。自分1人でクリティカルシンキングを進める場合、業務時間内では十分に改善点を洗い出せないケースが見られます。また、入社したばかりの新人からは、周りにアドバイスを求めにくいとの声が少なくありません。

これらの問題を解消するなら、自分に否定的な情報の収集がおすすめです。個人のスマホや職場のパソコンからインターネットにアクセスすれば、あまり多くの時間をかけずに幅広い情報を集められます。いろいろと否定的な情報に触れるなかで視野が広がると、確証バイアスに気づきやすくなり自分の考えを見直すのに役立ちます。

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