夏はスメハラに注意!対処法と自分でできる対策
更新日:2023.08.10ビジネス豆知識スメハラは、口臭・体臭を中心とする、様々なにおいが引き起こす問題のことです。不快なにおいは仕事を妨げる可能性があり、ビジネスの場で問題視されています。ただし、口臭や体臭は指摘しにくいため、問題解決は難しいといわれています。スメハラ防止のためには、どのような対策が有効なのでしょうか。今回は、スメハラの定義・問題点や対処しにくい理由を解説し、職場や個人が実践できる対策をご紹介します。
目次
スメハラとは何か
スメハラは、におい・香りが原因となるハラスメントです。混同されやすい問題には、香害があります。以下では、スメハラの定義・具体例・問題点や香害との違いをご紹介します。
スメハラの定義
スメハラは「スメルハラスメント」の略称です。スメルハラスメントとは、様々なにおいや香りに関わるハラスメントを意味します。スメル(smell)には「香り」「におい」という意味があり、ハラスメント(harassment)には「迷惑」の意味があります。
この意味にもとづき、スメハラは「香りやにおいにより周りの人々に不快感を与えるハラスメント」と定義されています。スメハラの主な原因とされているのは、口臭や体臭です。広い意味では、香水や化粧品などの香りも含まれます。
ただし、口臭・体臭などのにおいと、香水・化粧品などのにおいは同一視しにくいとの意見もあり、後者はコスメティック・バイオレンスと区別される場合もあります。におい・香りの問題は、意図的でないとしても改善は可能です。そのため、何も対策しなければ迷惑行為と見なされ、最近はハラスメントの一種として扱われることもあります。
具体例・問題点
スメハラは各種のにおい・香りに関わるハラスメントであり、具体例は広範囲に及びます。代表的なものが口臭・体臭です。口臭は食事の影響を受けやすく、体臭は汗をかいた時などに変化します。喫煙者の場合はタバコによる口臭などが問題視されることもあります。
ビジネスの場でスメハラが問題視される理由は、不快なにおいで体調を崩すケースが発生しているためです。人によっては集中力の欠如につながり、人間関係の悪化も懸念されています。不快なにおいによる生産性の低下は企業にとって望ましくありません。スメハラによる問題を放置せず、対処することが求められます。
香害との違い
香害とは、合成香料により体調不良が起きる現象を指します。香水や化粧品、洗剤、入浴剤などには、合成香料が含まれていることがあります。この成分が体に合わないと、頭痛やアレルギー症状を発症するリスクがあります。化学物質に対する過敏反応で起きる身体的トラブルが、香害と呼ばれる問題です。
一方、スメハラは、におい・香りによる迷惑・嫌がらせを指しています。不快なにおいで体調不良を招くケースは見られますが、あくまでも迷惑行為そのものを指している点が異なります。どちらもにおい・香りに関わる問題ですが、香害は合成物質による体調不良、スメハラは悪臭による不快感と区別できます。
スメハラが対処しにくい理由
スメハラは、他のハラスメントに比べて対処しにくいとの声が少なくありません。主な理由は、意図的でないケースが多く、判定基準が明確になっていないためです。以下では、なぜスメハラに対処しにくいかビジネスシーンの実情をご紹介します。
意図的でないケースが多い
周りが不快に感じるにおいであっても、本人は意図的に出しているわけではないケースが多く見られます。多くの人は、口臭・体臭が不快に思われることを望んでいないでしょう。周りに迷惑をかける意図はないものの、気づかないうちに不快なにおいを発生させているパターンは珍しくありません。
また、喫煙者は、体にどれくらいタバコのにおいがついているか気づきにくいといわれています。自分がタバコ臭いと感じていなければ、周りに嫌がられているとは認識しにくいでしょう。このように、スメハラの多くは意図的に行われているわけではないため、周囲の人が不快感を覚えても、本人に指摘しにくいといわれています。
判定基準がはっきりしない
スメハラの判定基準がはっきりしない点も、周りが不快なにおいに対処しにくくなっている主要な理由です。そもそもにおいや香りについて、良し悪しの明確な基準は定められていません。実際、普段の口臭・体臭から食事・香水・タバコまで、どのにおいが心地よく、あるいは不快に感じるかは人によって異なります。
におい・香りの良し悪しを決める基準は曖昧であり、どの程度のにおいがスメハラになるか判定することは困難です。人それぞれ、気にならないにおいと悪臭を区別する基準は変わってくる可能性があります。スメハラの判定基準は職場全体で統一しにくいため、問題が起きても指摘できないケースが多く見られます。
本人を傷つける心配も
口臭・体臭はデリケートな問題であり、安易に指摘すると本人を傷つける恐れがあり配慮が必要です。通常、暑さで汗をかくと、体臭は臭く感じられます。ただし、人によっては、体質や加齢により体臭が強くなっている場合もあります。体質の問題や加齢臭は本人が気にしているケースも多く、指摘すると傷つけてしまうかもしれません。
におい・香りに限らず、デリケートな問題に触れる場合、言葉を選ばないとモラハラや名誉棄損につながります。配慮に欠けた注意は、新たなトラブルを生むリスクが皆無ではありません。そのため、スメハラが起きても、本人に注意を促す時は慎重に伝える姿勢が求められています。
職場や個人ができるスメハラ対策
社内でスメハラが起きた場合、それぞれの職場や個人で改善に取り組むことが可能です。以下では、スメハラを改善するため職場や個人が実践できる対策をご紹介します。
職場が実践できるスメハラ対策
職場が実践できるスメハラ対策としては、社内全体の身だしなみ改善を促す方法が効果的です。スメハラ問題が起きた時、特定の人のみを注意するのではなく、従業員全員に向けて注意喚起することで、新たなトラブルを回避しやすくなります。
それぞれの従業員が自分の問題として汗や香水、タバコなどのにおいに気をつければ、スメハラ防止につながります。この方法なら誰がスメハラの原因になっているか特定されないため、本人は傷つかずに済むでしょう。周りは本人に直接伝える必要がなくなり、人間関係の悪化も避けられると期待できます。個人的に注意する場合、言葉選びをはじめ十分な配慮が不可欠です。
におい・香りの種類に関係なく、不快と指摘されれば傷つく可能性は高く、精神的なショックを与えない気遣いは欠かせません。また、上司からの指摘はパワハラ、異性が注意するとセクハラにつながるため、誰が伝えるかも工夫する必要があるといわれています。
個人で実践可能なスメハラ対策
個人で実践可能な対策は、こまめな汗の処理や強いにおいを抑えるための工夫です。外回りで大量に汗をかいた時は、職場に戻ってから汗の処理を心がけると、悪臭の防止に効果があります。制汗用のシートやスプレーを携帯しておけば、汗のにおいを抑えたい時に役立ちます。デスクワークが多い場合、大量の汗はかかないでしょう。
それでも、デスクと空調が離れていると、汗をかいてにおいが気になる場合もあります。その時は、デスクの場所を変えたり、室内の風通しをよくしたりすると、におい対策に有効です。食後の口臭が気になる時は、ガムやタブレットで対処する方法があります。香水や化粧品は、使用量を控えれば大きな問題にならないと考えられます。
また、香水は、タバコを吸った後などの消臭にも使えるアイテムです。スメハラ問題は職場・個人が適切に取り組めば解決につなげられることがあります。上記のような工夫を行い、スメハラ対策を実践しましょう。
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