中間管理職に求められる役割や労務知識とは?

更新日:2023.08.21ビジネス豆知識

中間管理職に求められる役割や労務知識とは?

中間管理職は、企業のなかで幅広い役割を担っています。社内の調整役として経営陣や現場の声を仕事に反映させるため、様々なスキルが欠かせません。さらに、働きやすい職場環境を整えるうえで、各種の労務知識も必要です。実際に担当する業務内容を理解すれば、この職務の重要性が見えてくるでしょう。そこで今回は、中間管理職の基本的な役割、必須スキルや職場で求められる労務知識などをご紹介します

中間管理職の役割

中間管理職の役割

中間管理職は、企業のトップ層と現場スタッフとの間に位置する役職です。部下をマネジメントしながら上層部の要望にも応える立場にあり、職場で担う役割は、経営陣と現場との調整役をはじめ多岐にわたります。

経営陣と現場との調整役

一般的に中間管理職は、現場スタッフの管理者とトップ層の部下を兼ね備えた立場にあります。両者の調整役となるため、企業にとって重要な職務といえるでしょう。

通常の企業では、トップ層が経営方針や事業戦略の方向性を決めます。一方、経営陣の考えを実践に移すのは現場のスタッフたちです。両者の歯車がかみ合うと、業務が円滑に進みやすくなります。

お互いを上手に連動させるため、中間管理職は上層部の指示を的確に伝えるとともに、現場が動きやすい環境を整えなくてはなりません

部下のマネジメント

中間管理職にとって、現場スタッフは部下にあたります。経営陣の指示を遂行するうえでは、部下のマネジメントは不可欠です。具体的な業務内容としては、予算管理から業務の配分や人員配置、また、作業プロセスの整備や各作業の進歩確認に至るまで手広く担当します。いずれも、スムーズに仕事を進めるには欠かせない業務といえます。

人材の指導・育成

企業が現場の作業レベルを上げたいと考える場合、中間管理職による人材の指導・育成は必須の職務です。経営陣にとって収益増進は重要な課題であり、仕事の品質を高めるため現場にレベルアップを求める可能性があります。スタッフ全員が、すぐ上からの要請に応えられるとは限りません。その際、中間管理職は現場の業務レベルを全体的に底上げするため、各々のスタッフを指導・育成します。

トップ層のサポート

中間管理職から見れば企業のトップ層は上司であるため、部下としてサポートする役割も担います。経営陣も現場スタッフと同じく、個々に多くの業務を抱えています。立場上、その責任は重いといえるでしょう。一つのミスでも、企業全体にとって大きな損失につながる可能性があります。そのリスクを軽減させるため、中間管理職はトップ層も補佐する必要があるのです。

部署間の橋渡し

いくつかの部署が連携しながら仕事を進める場合、部署間の橋渡しも中間管理職が担います。一つのプロジェクトを、複数の部署で進めるケースは珍しくありません。それぞれ分担した仕事を連携させる必要があるため、各部署の中間管理職はパイプ役となり調整しながら進めなくてはなりません。

中間管理職に必須のスキル

中間管理職に必須のスキル

中間管理職となり幅広い役割を果たすために必須のスキルは、コミュニケーション能力や決断力です。また、人材育成の技術なども欠かせないでしょう。

コミュニケーション能力

様々な場面で調整役を果たす中間管理職にとって、いろいろな人とスムーズに意見交換できるコミュニケーション能力は大切なスキルです。通常業務では、経営陣の指示を正しく現場に伝える必要があります。さらに、実際の作業を進めるうえでは、何か不都合がないか現場スタッフの意見を傾聴する姿勢も不可欠です。

いくつかの部署で共同プロジェクトに取り組む際は、各部署は相互に協力しながら作業する意識が大切になります。全体の足並みを乱さずプロジェクトを成し遂げるうえで、中間管理職は周りの部署と密に連絡を取る能力が求められるでしょう。社内で各方面の声を聞く必要があるため、コミュニケーション能力は中間管理職の必須スキルといえます。

決断力

中間管理職は、経営陣の指示とともに現場スタッフの意見も聞き届ける立場にあり、双方にとって申し分ない結論を導き出す決断力も重要です。日々の業務では、いろいろな課題に直面します。トップ層による重役会議、あるいは現場スタッフの間だけで解決策が見つかるとは限りません。その際、調整役の中間管理職には両者から悩みの声が寄せられます。

コミュニケーション能力が高ければ、経営陣や現場から相談を受ける場面は少なくないでしょう。ただし、多くの情報が耳に入ってきても、上司と部下の板挟みになり押しつぶされたら課題を解決には導けません。様々な悩みが聞ける境遇を活かすには、広い視野で上手に意見をまとめる決断力が必須です。

人材育成の技術

中間管理職は社内の調整役だけでなく部下を指導する立場にもあり、人材育成の技術も求められます。新入社員は、これまで業務経験や実績がなくても将来性を期待され採用となるケースが多く見られます。優れた能力のある部下も、入社した時点から即戦力として働けるとは限りません。

部下の成長を促す役割も、中間管理職の重要な任務の一つです。しかし、社員それぞれは得手不得手が異なるため、同じ指導方法では潜在的な能力を十分に伸ばせない可能性があります。経営陣が期待するレベルまで育て上げるには、それぞれの部下に合った方法を工夫する技術力も不可欠です。

中間管理職に求められる労務知識

中間管理職に求められる労務知識

中間管理職にとどまらず管理職全般は、職場の環境整備やトラブル防止につながる労務知識への理解が求められます。多くの企業が重視している分野は、ハラスメントやメンタルヘルスに関わる問題です。

ハラスメント関係

ハラスメント関係の問題は、管理職が対処すべきといわれる業務課題の代表例に挙げられます。近年は、かつてに比べるとセクハラやパワハラを社会的に問題視する傾向が強まりました。とはいえ多くの職場では、未だ各種の嫌がらせに悩まされているとの声が聞かれます。

たいてい職場のハラスメントは社内の力関係が大きく影響し、当事者間で解決するのは困難です。被害者が1人で悩みを抱えやすく、組織全体で向き合うべき問題といわれています。なかでも労務管理には人間関係を適切に指導する項目が含まれるため、この分野を担当する管理職は大きな責任を負います。

メンタルヘルス関係

メンタルヘルス関係も、職場のハラスメントと同じく管理職が怠れない労務関係の管理項目です。社内の人間関係や仕事をめぐるトラブルは、精神的なダメージとなるケースが珍しくありません。そのまま問題を放置すると、被害者は働き続けるのが難しくなり、離職につながるリスクも高まります。

ここで管理職に求められる役割は、心のケアです。精神面の悩みを打ち明けられた時はカウンセリングを実施し、相談者の気持ちに寄り添いながら話を聞く姿勢が必要になります。何に悩んでいるか親身に耳を傾け、人間関係や仕事が辛くなっている従業員の精神的な健康状態の回復を目指します。

その他の労務知識

ハラスメントとメンタルヘルス以外に管理職が求められる労務知識は、労働時間や労働条件に関する項目です。管理職は、企業から労働時間の管理も任されます。労働時間は従業員の給与や仕事のモチベーションに大きく関わる問題であり、どんなシフトを割り当てるとよいか慎重に検討しなければなりません。

労働条件については、公平性が必須要素です。部署によって条件設定が異なると、仕事の生産性を下げる可能性があります。従業員から不満が生じた場合、どこに問題があるかを見直すことが望まれます。また、昨今は労働者の私生活が重視される傾向にあり、従業員の仕事とプライベートのバランス調整も管理者に欠かせないといわれる重要な業務です。

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