通話はOK?上座はどこ?新幹線のマナーを知ろう
更新日:2024.05.14ビジネス豆知識社会人であれば、出張の際に使うことも多くなる新幹線。実は、携帯電話・スマートフォンの利用方法をはじめとして多彩なマナーや暗黙のルールが存在します。何も知らずに乗車すると、気づかないうちに周りに迷惑をかけるかもしれません。今回は、新幹線を利用する際にあらかじめ知っておきたいマナーやルールをご紹介します。
目次
新幹線での携帯電話・スマートフォンの利用マナー
新幹線に乗っている時、携帯電話やスマートフォンを使用しても大丈夫です。とはいえ、利用マナーはきちんと守らなければいけません。
座席で利用しても問題ない?
飛行機では安全な運航を妨げるおそれがあるため、携帯電話やスマートフォンの使用が認められていません。新幹線の場合は安全上問題ないため、通話以外であれば座席で使ってもとくに問題ありません。かつては電波の通じる範囲が限られていましたが、いまは主要区間であれば電波が届きます。
多くの仕事に追われていると乗車中にいろいろ資料を調べることがあるでしょう。人によっては、移動時間を息抜きに活用するかもしれません。いずれにしても、インターネットによる情報検索やアプリゲームを楽しむといったことなら、自分の座席で行えます。
客室内で通話できる?
新幹線でも、他の公共交通機関と同様に客室内での通話はマナー違反です。車内アナウンスでは「通話禁止」とはっきり表現しないケースもありますが、JRの新幹線関連サイトでは客室内での通話は禁止と記載され、デッキでの利用を呼びかけています。
車内での通話については、いろいろ意見があります。家族や友人との会話は問題ないのに電話だけ禁じられるのはおかしいとの声は、多少なりとも聞かれます。あながち間違った指摘とはいえませんが、電話での会話を不快に感じる方も少なからずいらっしゃるようです。新幹線に限らず他の乗客に迷惑をかける行為は、好ましくありません。トラブルに発展する恐れもあるので、電話をかける時にはマナーにしたがいデッキに移動しましょう。
使用時に心がけたい点は?
通話でなければ座席での利用を許可されていますが、その際に気をつけたいのが器機類からの音漏れです。車内には、とくに音を気にしない乗客ばかりでなく静かに過ごしたい方も乗っています。インターネット検索やスマホアプリを使う場合、音が出る状態のまま操作すると周りに迷惑をかける可能性があります。利用時にはマナーモードに設定し、騒がしくしないのが基本です。音楽や動画を視聴する際にはイヤホンなどをつなぎ、音量は抑えましょう。これらのマナーを守りながら携帯電話・スマートフォンを使えば、余計なトラブルに巻き込まれることなく目的地まで新幹線で快適に移動できるでしょう。
新幹線でのビジネスマナー
仕事で新幹線を利用する場合には、座席の位置やパソコンの使い方に関して基本的なビジネスマナーも心得ておきたいところです。
新幹線の上座と下座
新幹線には、上座と下座があります。上司に同行した時、どこが上座か分かっていると好印象を与えられるかもしれません。この機会に、座席の位置関係を把握しておきましょう。会社の昼食や飲み会で飲食店に行った際、上座は「入り口から遠い奥側の席」です。新幹線の場合にも、考え方は大きく変わりません。
二人席と三人席ともに、もっとも奥に位置する窓際が上座、三人席の場合は次いで通路側、座りにくく感じる真ん中は下座です。座席を向かい合わせに動かしたら、進行方向側が上座、後ろ向きの座席は順位が下がります。人それぞれ好みがあるので、上司に上座を強いる必要はありません。さり気なく奥の席をすすめながら、後は上司の意向にまかせれば問題ないでしょう。
パソコンを使うなら
急ぎの仕事を抱えている時には、新幹線での移動中にゆっくり休むのは難しくなります。ノートパソコンを使って、資料を作成する場面は増えるでしょう。そんな時、とりわけ注意したいのがキーボードの音です。最初は周りに配慮していても、作業に専念するうちに音が大きくなる場合があります。近くに就寝中の乗客がいれば、カチャカチャとうるさくキーボードを叩く音で目を覚ましてしまう恐れもあります。
新幹線の利用者からは、キーボードの音が気になると訴える声が意外に多いとの話です。車内にはコンセントが備えられ座席でのパソコン使用は禁止されていませんが、作業中はキーボードの叩き方に注意しましょう。
緊急時でも客席での通話は禁止
乗車中に会社や取引先から緊急連絡が入った場合、すぐにでも電話に出たいところ。わざわざ自分の席から立ち上がり、デッキまで移動するのは面倒に思えるでしょう。用件によっては、パソコン画面で資料やデータを確認しないと的確に対応できない場合もあります。必要な機材一式を持ち運びながらの移動となれば、簡単ではありません。デッキにパソコンを置けるスペースがなければ、画面を見ながらの会話は一苦労です。
窓側に座っていると、席を離れる時だけでなく戻ってきた時にも通路側の利用者に気を使います。デッキまで距離があれば、到着するまでに電話を切られないか心配になります。さまざまな状況をふまえると、緊急時には座席で電話を受けたくなるのも仕方ないかもしれません。それでも、客席での通話は控えるのがマナーです。自分の都合を最優先に考えず、いつでも周りへの心配りを忘れない姿勢が望まれます。
座席や食事にも暗黙のルールあり
新幹線で求められるのは、通話やビジネス上のマナーにとどまりません。座席や食事についても、いろいろ暗黙のルールがあります。
リクライニングを倒す角度
座席の使い方でまず知っておきたいのは、どこまでならリクライニングを倒しても許されるかという点です。仕事に疲れていると、少しでも後ろへリクライニングを倒したくなります。JR側では、乗客の権利としてリクライニングを完全に倒しても問題ないというのが共通見解といわれています。ただ後の席への迷惑を考えると、どれくらい倒すかは悩みどころでしょう。
実際には、一段階だけ下げるケースが主流です。少し角度がつくだけで、まったく倒さない状態よりかなり座りやすくなります。二段階まで下げるのは少数派ですが、この角度までなら許容範囲と見なされています。いずれの場合も、お互いに気持ちよく乗車するうえでは倒す時にひと声かけることが大切です。
座席を回転させる時には
会社の上司や同僚と大人数で乗車する際には、座席を回転させる時のルールも覚えておくと安心です。座席を回転させること自体は、基本的に問題視されません。注意が必要になるのは、自分達以外の利用者が同席している場合です。自分のグループが大半であっても、同席者への配慮は欠かせません。指定席の場合、自分達が乗車した時に空席であっても後から予約者が乗車してくる場合があります。すぐに回転させると、その方が乗ってきた時に戸惑う可能性があります。指定席に空席があったなら、座席は回転させないのがマナーです。
食事のタイミング
長時間の移動になると、新幹線の車内で食事することもあります。食事の音やにおいが気になる方もいるので、食べるタイミングには配慮したほうがよいでしょう。とくに決まったルールはありませんが、多くの乗客が食事している時にお弁当を広げると周りにあまり気を使わずに済みます。あれこれ頭を悩ませたくないなら、乗車後にすぐ食事を始めるのもひとつの方法です。
新幹線はプライベート空間ではないので、何気ない行為が思わぬトラブルにつながる場合もあります。乗車時には座席の使い方や食事のタイミングも考えながら、乗客みんなが気持ちよく過ごせる工夫を心がけましょう。
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