知らないうちに上から目線?相づちの注意点

更新日:2023.05.11秘書代行

知らないうちに上から目線?相づちの注意点

仕事の場では、安易に相づちを打つと不快に思われる可能性があります。また、適切な表現を選んでも、タイミングを誤ると会話の流れを妨げるかもしれません。電話対応をはじめ仕事上の会話をスムーズに進めるには、相づちの言葉選びなどに気をつける必要があるでしょう。そこで今回は、失礼に思われる相づち表現について解説しながら、適切な表現や会話中に意識したい注意点をご紹介します

失礼に思われる相づち表現

失礼に思われる相づち表現

ビジネスの場で失礼に思われやすい相づちは、「なるほど」や「たしかに」です。以下では、電話対応を含めた仕事上の会話で使用を避けたい表現について、失礼に思われる理由をご紹介します

「なるほど」は上から目線

仕事上の会話で「なるほど」が失礼に思われる理由は、「上から目線」と受け取られるためです。会話では、話し手の意見や説明に一定程度まで納得した時、「なるほど」と相づちを打ちます。聞き手は、この表現を使うことで話し手に共感の気持ちを示したいと考えているケースが少なくありません。

ただし話し手は、この相づちにより自分の意見・説明について正否を判断されたと認識する可能性があります。人によっては「上から目線で評価を下された」と不快に感じる場合もあるため、相づちとしては好ましくないといえるでしょう。

「たしかに」は反論につながりやすい

たしかに」が話し手から失礼に思われる理由は、この表現が反論につながりやすいためです。文章表現の場合、「たしかに」は通説や一般論を紹介してから自分の意見・持論で反論するケースが多く見られます。「たしかにAは一般に〇〇といわれていますが、私は△△と考えます」といった具合です。

会話の場合も同様であり、口調や話の流れによっては反論したいのではないかと誤解されることがあります。話し手に同意の気持ちを示せるとは限らないため、仕事上の会話の相づちとしては適さないといえます。

「本当ですか」や「はい、はい」も失礼

仕事の場では、「本当ですか」や「はい、はい」も会話の相手から失礼に思われる可能性がある相づちです。業務報告書や受注関係の見積書に記入ミスがあれば、上司や取引先の担当者から指摘を受けます。その際、「本当ですか」と相づちを打つと、「嘘はついていない」と腹立たしく思われるでしょう。

はい、はい」は、会話の相手にとって軽々しく聞こえる相づちです。常連のお客様との会話でも、重要案件について打ち合わせている時に使うと、話を真面目に聞いていないと受け取られる場合があり失礼になります。また、「なるほど」や「たしかに」は、気づかないうちに何度も使っているケースが見られます。そのため、うっかり使ってしまった時は、その後で繰り返さないことも大切です。

適切な相づち表現とは

適切な相づち表現とは

仕事の場で適切と考えられる相づちは、「その通りです」や「すごいですね」です。以下では、ビジネスシーンで使える相づち表現として覚えておきたい、さしすせそ」と「あいうえおをご紹介します

相手を肯定したい時に使える「さしすせそ」

仕事上の会話で、相手を肯定したい時に使える相づち表現の「さしすせそ」は次の通りです。

  • 「さ」「さすがです」
  • 「し」「実力ですね」
  • 「す」「すごいですね」
  • 「せ」「絶対・きっと~」
  • 「そ」「その通りです」

話の内容に「なるほど」「たしかに」と納得した場合、相づち表現としては「その通りです」や「おっしゃる通りです」が適しています。これらの表現なら相手を全面的に肯定している印象が強まり、上から目線で評価している感じは弱まります。

上司や取引先から書類のミスを指摘された時も、「本当ですか」の代わりに用いれば素直に失敗を認めたと思われ、印象をよくするのに効果的です。少なくとも、「嘘はついていない」と責められる心配はありません。また、取引先が厳しい納期を守ってくれた場合などは、「さすがです」や「実力ですね」が適しています。「間に合わないだろう」と予想していた時は、「驚きました。すごいですね」と伝えれば好印象を与えられるでしょう。

絶対・きっと~」は、相手を肯定することで鼓舞するのに役立ちます。相手が商品のアイデアに不安を感じている場合、「絶対(きっと)お客様に喜ばれると思う」と相づちを打てば相手にとって励みになると考えられます。

感謝や謙遜の気持ちが伝わる「あいうえお」

会話の相手に感謝や謙遜の気持ちが伝わる「あいうえお」は、次の通りです。

  • 「あ」:「ありがとうございます」
  • 「い」:「いえ、とんでもありません」
  • 「う」:「嬉しく思います」
  • 「え」:「ご縁がありますね」
  • 「お」:「恩義に感じます」

お客様や取引先に感謝の気持ちを伝える場合、「ありがとうございます」や「嬉しく思います」は適した表現です。商品が売れた時や商談の成立時に限らず、さまざまな場面で喜びの気持ちを素直に表せます。一方、「いえ、とんでもありません」は、お客様や取引先から感謝された際に、謙遜の気持ちを伝えられる相づちです。さらに「喜んでいただけたなら幸いです」と添えれば、好感度アップにつながるでしょう。

レセプションパーティーなど公式の場で感謝の意を示す場合、平易な表現より「恩義に感じます」のほうがよいかもしれません。また、偶然に馴染みの取引先と同席した時は、「ご縁がありますね」と挨拶すると会話を続けやすくなります。これらの相づちは、ビジネスシーン以外にも多くの場面で使えます。自然に使いこなすためにも、日頃から意識的に仕事上の会話に取り入れることがおすすめです。

相づちで意識したい注意点

相づちで意識したい注意点

仕事上の会話で相づちを打つ時に意識したい注意点は、使用するタイミングです。以下では、会話をスムーズに進めるうえで気をつける必要のあるタイミングについてご紹介します

無闇な相づちは会話を遮る

相づちは、言葉が切れるたびに入れると会話の流れを遮る可能性があるため注意が必要です。会話の言葉は、話の内容が一段落していなくても話し手が呼吸するタイミングで切れる場合があります。その際、話し手はすぐに会話を続けたいと考えています。ここでは、まだ聞き手の反応を求めていません。

そのため、言葉が切れたからと無闇に相づちを打つと、会話の流れを止める可能性があります。話し手が相づちを求めるタイミングで反応するには、会話に耳を傾けて話の内容が一段落したか適切に理解することが必要です。

タイミングを逃すと会話が止まる

聞き手が相づちを打つのに適したタイミングを逃した場合、会話は止まる可能性があるため要注意です。多くの話し手は、会話の途中で聞き手の反応を確かめたい時に言葉を切ります。ただし聞き手は、必ずしも話し手が言葉を切った意図に気づいて適切に相づちを打てるとは限りません。

聞き手がタイミングよく相づちを打てなかった場合、話し手が反応を待っていると会話は止まります。それでも聞き手が黙っていると、話し手がスムーズに会話を再開することが難しくなるかもしれません。会話を不自然に止めないためにも、聞き手が会話の内容を聞きながら適切なタイミングで相づちを打つことは重要になります。

また、聞き手が相づちを打たず黙って会話を聞き続けると、話し手は同意を得られたかどうか、判断できずに困ってしまうでしょう。話し手が不安を感じながら話を進める場合も、会話の流れは悪くなる傾向が見られます。会話をスムーズに進めるうえで、聞き手が適切なタイミングで相づちを打つことは重要です。そのため仕事上の会話や電話対応では、相づちに適した表現を選ぶとともにタイミングを逃さない意識も不可欠と考えられます。

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