法律業務を扱える認定司法書士とは?

更新日:2022.05.02スタッフブログ

眼鏡のずれをなおす認定司法書士

不動産登記のスペシャリストである司法書士ですが、中には弁護士と同じく法律活動のできる司法書士もいます。彼らは“認定司法書士”とよばれ、人材不足の弁護士界をサポートする役割に期待が持たれます。今回は、そんな認定司法書士についてご説明します。

認定司法書士という制度があるのをご存知ですか?

認定司法書士とは?

認定司法書士の制度は、2002年の司法書士法改正によりスタートしました。特別な研修を受講・修了し、簡易訴訟代理等能力認定考査に合格すると、法務大臣の認可を受け、一定範囲内の法律業務が可能となります。

「一定範囲内」という言葉通り、認定司法書士が扱える法律業務は限られています。その範囲は、訴訟額140万円以下で、訴訟代理人となれるケースも簡易裁判所のみ。つまり、訴額が140万円以上で、高等裁判所や最高裁判所で争う訴訟について、認定司法書士は活動が認められない、ということです。

簡裁訴訟代理業務について

簡裁訴訟代理業務とは、簡易裁判所にて取り扱える民事事件などの訴訟代理業務であり、認定司法書士であれば、その中でも140万円以下の請求事案に限って代理人を請け負えます。具体的には、次の様な業務、裁判外和解手続きが可能です。

  • 民事訴訟手続き
  • 過払い金などの支払い督促の手続き
  • 証拠保全のための手続き
  • 民事調停のための手続き
  • 少額訴訟における債権執行の手続き

簡易裁判所が扱う民事裁判か、訴訟額が140万円を越えていないか、認定司法書士に依頼する場合は、この点をしっかり見極める必要があります。

非弁活動で訴えられたケースも

上記の通り、法務大臣の認可を受けた認定司法書士といえ、法律行為は限定的で、もし権限を越えた活動を行えば、非弁行為と見なされ、懲戒処分を受ける可能性もあります。事実、都内の有名司法書士事務所が、140万円以上の訴訟額を取り扱い、監督官庁である東京法務局が実態を調査した事例もあります。認定司法書士の越権行為や非弁活動を問題視する弁護士も多く、制度の趣旨が完全に生かされていない、というのが実態です。

しかし、弁護士不足によって割を食うのは、法的トラブルに悩まされる市民です。彼らを支援する意味でも、認定司法書士の役割は大きいといえるでしょう。

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