紹介予定派遣とは?メリットとデメリット

更新日:2022.05.06スタッフブログ

紹介予定派遣を活用するか考える男性

新しい派遣スタイルとして、「紹介予定派遣」が注目されています。派遣社員の直接雇用を前提とする紹介予定派遣の活用が広がれば、正社員登用の機会もどんどん増えていくかもしれません。今回は、メリット・デメリットを中心に、紹介予定派遣の特徴についてご説明します。

ミスマッチを回避できる紹介予定派遣

紹介予定派遣とは?

紹介予定派遣とは、派遣社員が派遣先企業と直接雇用契約を結ぶことを前提に、一定期間(6カ月)の試用期間を設けて就業させる雇用形態です。試用期間を無事終了し、双方で合意すれば、直接雇用となります。

企業にとって、本当に必要な人材かどうか、または社員にとってその職場が働きたい場所かどうかは、実際に入社してみないと分からないものです。雇用契約がスタートしてから、「こんな職場だとは知らなかった」「求める人材と違っていた」など、予想に反する事態が起きれば、お互いにとってよくありません。紹介予定派遣は、その様なミスマッチを防ぐことを目的に導入された雇用制度といえます。

紹介予定派遣のメリット

企業のメリット

求人広告や面接、研修など、人材採用に関するもろもろのコストを削減できます。コストだけでなく、それらに関する時間や業務の負担も軽減できる点も魅力。また、試用期間6カ月を設けられ、その間に能力や資質、適性、労働環境に対する順応性や協調性など、面接だけでは推し量れない人材の一面を確認できる点もメリットです。

人材派遣会社のメリット

紹介予定派遣サービスを提供する人材派遣会社は、人材派遣業であると同時に、紹介業の免許も取得しなければなりません。しかし、それによって双方の「いいとこ取り」ができるのが最大のメリットです。

通常、人材派遣業では派遣社員を企業の現場に派遣する前に、ビジネスマナー研修などの基礎教育を実施します。それらに要する経費も人材派遣会社が負担しなければなりません。つまり、それら教育コストを省いた分が最終的な利益となります。紹介予定派遣サービスではこれらの人材教育に関するコストが一切かからないため、利益率も高くなるわけです。

派遣社員のメリット

実際に働いてみて入社するかどうか決められるところが、派遣社員から見た最大のメリット。多くの場合、入社の手続きを踏んでから就業がスタートし、会社が合わないと分かれば我慢して働き続けるか、退職の道を選ぶしかありません。入社早々の退職は本人のキャリア形成を考えるうえで大きなマイナスです。紹介予定派遣を利用すれば、入社してすぐ退職・転職しなければならないリスクを軽減できます。

紹介予定派遣のデメリット

企業側のデメリット

先述の通り、採用にかかるコストは人材派遣会社の負担となり、企業がその点について悩まされる心配はありません。しかし、直接雇用が決まった場合、企業は人材派遣会社に「紹介手数料」を支払う必要があります。手数料の額は派遣会社によって異なるものの、決して安くはない金額のため、デメリットと考える企業も多い様です。

また、最初の6カ月は試用期間であるため、一般入社の社員と比較して「モチベーションが低い」「危機意識が足りない」などの指摘もあります。同期社員との意識やスキルの差は、企業側がうまくオペレーションして穴埋めする努力が必要です。

人材派遣会社側のデメリット

試用期間が終わって派遣社員の正式採用が決まれば、派遣社員は企業の直接雇用となり、派遣契約はそこで終了します。通常、派遣会社は派遣契約の期間において企業から報酬をもらい、収益を得る仕組みでサービスを展開しています。派遣法では最長3年間の派遣期間が認められていますが、紹介予定派遣の場合は6カ月しかなく、収益の継続性を考えればこのデメリットは小さくありません。

派遣社員のデメリット

紹介予定派遣サービスを利用しての就職活動は、間に入る人材派遣会社が紹介する企業のみ、アクセス可能となります。結果として就職先の選択肢がせばまる面は否めません。また、就業後に入社の判断ができる点はメリットである反面、デメリットでもあります。正式なキャリアスタートは半年遅れということになり、同期に対して負い目を感じる部分も。さらに必ずしも正社員雇用とは限らず、契約社員からのスタートとなる可能性もあります。メリットとデメリットは表裏一体である点に注意する必要があるでしょう。

派遣会社に支払う手数料

紹介予定派遣の手数料とは?

先ほども少し触れましたが、派遣社員の直接雇用が決まった場合、企業は派遣会社に紹介手数料を払う必要があります。手数料の額は、給与の支払いを定額制(月額制)にするか、従量制(時間給)にするかで変わってきます。さらには、「上限手数料」「届出制手数料」の2種類があり、どちらを選択するかでも金額に差が生じる点に注意が必要です。

  • 上限手数料:支払われた賃金の10.8%を上限として徴収できる
  • 届出制手数料:就業者の年収の50%を上限として徴収できる

一般的には、届出制手数料を採用している派遣会社が多い様です。届出制手数料の相場は現状、就業者年収の25~30%となっています。

紹介予定派遣の利用率は、一般派遣と比べたらまだまだ低いのが現状です。こちらで紹介した通り、企業や派遣会社、派遣社員にとってもメリットの多い雇用スタイルですので、今後増えていく可能性もあります。働き方改革の重要性が叫ばれる昨今だからこそ、新しいかたちの雇用形態に価値を見いだす動きも出てくるかもしれません。

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