ビジネスチャットのマナーと知っておきたいポイント

更新日:2024.05.31スタッフブログ

ビジネスチャットのマナーと知っておきたいポイント

ビジネスチャットは、手軽に使えるところが大きな特徴です。この点を活かし、最近は、ビジネスの場で導入が進んでいます。ただし、チャットとはいえ、どこまで砕けた文面でよいか迷うとの声は少なくありません。このような悩みを抱えている場合、改めてビジネスチャットのマナーなどを確認すると参考になるでしょう。そこで今回は、ビジネスチャットについて概説し、基本的なマナーや「!」「?」「。」などの記号、絵文字、スタンプなどの適切な使い方をご紹介します

ビジネスチャットとは

ビジネスチャットとは

ビジネスチャットは、チャット形式で仕事関係の連絡を取れるコミュニケーションツールです。

ビジネスチャットとメールの違い

ビジネスチャットとメールは、即時性周知性記載内容の信頼性に主な違いが見られます。まず、チャットはメールに比べて手軽に送受信できる特徴があり、さまざまな相手と素早く連絡を取れる即時性に優れたツールです。また、同じグループなら簡単にメッセージを共有できるため、周知性も高いといわれています。

一方、メールは、信頼性の高さが特徴的です。通常、チャットは送信してから文面を変えられますが、メール文は送信後に編集できません。そのため、重要な業務事項やデータを送る時は、メールのほうが適していると認識されています。このような違いをふまえた場合、ビジネスの場では、チャットとメールを上手に使い分ける必要があると考えられます。

普及率、シェア率など

メインで使用しているビジネスチャット画像参照元:Biz Clip Biz Clip調査レポート(第43回)企業のビジネスチャット利用実態調査2023

近年、ビジネスチャットは多くの企業でメールと併用されており、市場規模は拡大していると見られる状況です。NTT西日本の情報サイト「Biz Clip」が実施した2023年の調査によれば、職場でビジネスチャットを「導入している」との回答は43.1%でした。この調査は日経BPコンサルティングのアンケートシステムを使っており、調査対象は同社のモニターです。

企業規模ごとの内訳を一部示すと、従業員99人以下の企業は18.8%、500~999人では40.5%、1万人以上の場合は79.9%でした。全体的には、企業規模が大きくなるほど導入率も上がる傾向が見られます。また、導入企業が主に使用しているツールは、Microsoft Teamsが66.6%でトップでした。その後は、Google Chat(8.7%)・Slack(7.5%)・LINE WORKS(4.3%)・Chatwork(3.1%)と続いています。いずれも人気のあるビジネスチャットとして知られますが、とくにMicrosoft Teamsは高いシェアを占めていると理解できます。

なお、ここ数年で評価を得ているチャットツールは多岐にわたり、以上の5つにとどまりません。さらに、SNSで人気のInstagram(インスタ)も、ビジネスチャットの機能が注目され始めています。

Biz Clip Biz Clip調査レポート(第43回)企業のビジネスチャット利用実態調査2023 (参照 2024-05)

基本的なマナーと具体的な例文

基本的なマナーと具体的な例文

ビジネスチャットは、私的なチャットと異なり、一定のマナーに沿った表現を心がけることが大切です。

基本的なマナー

仕事でチャットを使う時の基本的なマナーとしては、敬語表現や「です・ます」調が挙げられます。ビジネスチャットの主な利用目的は、特定のメンバー間でスピーディーに情報交換することです。この目的をふまえ、多くの場合は、社内の部署やプロジェクトごとにグループチャットが設定されています。通常、メンバー以外とはチャットしないため、業務メールほど体裁を気にする必要はないといわれています。一般的には丁寧な言葉遣いよりスピード感を優先する傾向があり、定型句のない簡略化した文面で大丈夫です。

ただし、ビジネスにふさわしい節度は求められるため、私的なチャットと同じ感覚でラフに砕けるとマナー違反になる可能性があります。また、チャットはスピード重視であり、長文のメッセージは好ましくありません。そのため、複数の用件を伝える場合、一度にまとめず数回に分けて送信するのがマナーとなっています。さらに、チャットの利点を活かして手早く情報交換するうえで、受信側は速やかに返信する意識が大切といわれています。

具体的な例文

ビジネスチャットで仕事上の連絡を取る場合、基本マナーに沿って簡潔な文章を作成するとよいでしょう。

【仕事の依頼】

グループチャットで仕事を頼む場合、どのような言葉を添えるかで、メッセージの印象は変わってきます。

OK:
「仕事の内容は、~~です。お願いできますか?」
「(仕事内容)〇月〇日までに対応してもらえると助かります」

NG:
「~~してください。よろしく」
「(仕事内容)〇月〇日までに終わらせてください」

自分の都合で一方的に頼むより、相手に配慮する言葉を添えたほうが、印象はよくなると考えられます。

【メッセージの確認】

メッセージを受け取った時は、予定が曖昧でも、早めに返信することが望まれます。

OK:
「承知いたしました。お引き受けいたします」
「仕事内容を確認しました。〇日までにご返答いたします」

NG:
「お引き受けできるかもしれません」
「ちょっと無理かも」

曖昧に返答すると送信者も迷うため、予定が明確でない時は、改めて連絡すると伝えたほうが親切と考えられます。

【お礼・お詫び】

ビジネスチャットも、メールと同じく感謝・お詫びの気持ちを伝えると好印象です。

OK:
「~~をお引き受けいただき、ありがとうございます」
「返信が遅くなり、ご迷惑をおかけしました」

NG:
「手伝ってくれて助かった」
「連絡が遅れた。ごめん」

親しい間柄でも、カジュアルな言葉遣いは避け、ビジネスに適した表現を用いる必要があると考えられます。
ビジネスチャットでも、社会人としての配慮を欠かさなければ、相手から不快に思われる心配はないでしょう。

知っておきたいポイント

知っておきたいポイント

ビジネスチャットを使用する時に知っておきたいポイントは、「!」「?」「。」の使い方などです。

「!」「?」「。」の適切な使い方は?

「!」や「?」「。」は、チャットの相手や使用するタイミングに考慮する意識が大切になってきます。これらの記号・句読点は、ビジネスチャットの禁止表現ではありません。気心の知れたメンバー同士なら、普段通りに使っても問題ないと考えられます。一方、社外向けの場合、安易に使わないほうが無難でしょう。

ただし、「。」については「マルハラ」と呼ばれる考え方が登場し、一部メディアで話題になっています。現在は賛否両論ありますが、人によってはハラスメントと感じる可能性があるともいわれています。「!」や「?」「。」の使い方で迷った時は、グループチャットのメンバーに意見を聞いてもよいかもしれません。

絵文字、スタンプはOK?

絵文字・スタンプは、ビジネスチャットで使用してもOKとの声が優勢です。これらの表現は、さまざまな気持ちを分かりやすく伝えられる特徴があります。メッセージを作成する時に多くの文字を打つ手間がかからず、日常的なチャットでは多用されています。

それに対し、これまでビジネスの場では不謹慎と思われる傾向があり、使用を控えるケースが多く見られました。それでも、最近は価値観の変化もあり、OKと考える意見が増えています。また、ビジネスチャットで安心感や癒しを与えられる効果も評価され、今後は使用できる場面が広がると予想されています。

削除はできるか?相手には分かる?既読は分かる? 

ビジネスチャットのメッセージを削除できるかなどは、チャットツールによって違いの見られる部分です。チャットでメッセージを削除する機能は、人気の高いツールのうちMicrosoft Teams・Google Chat・Slack・LINE WORKS・Chatworkのいずれも備えています。そのうちMicrosoft Teamsであれば、削除した内容を復元できます。

また、Microsoft Teams・Slack・Chatworkはチャット内全体で削除されるため、何を削除したかは相手に分からないでしょう。とはいえ、Chatworkの場合、削除したことは伝わるといわれています。それに対し、Google Chatは、チャットの通知に元のメッセージが含まれている場合もあると説明されています。

さらに、SlackとLINE WORKSは、所定の時間内なら送信の取消しが可能です。LINE WORKSの場合、自分の端末でメッセージを削除しても他の端末には残りますが、送信自体を取り消せば受信者の端末からもメッセージを消去できます。

メッセージが既読かどうかは、Microsoft Teams・Google Chat・LINE WORKSなら、送信者側で確認可能です。ChatworkとSlackは既読機能を備えていませんが、リアクション機能や絵文字でメッセージを読んだと知らせる方法があります。

これらの機能について人気ツールの装備状況をまとめると、次表の通りです。

※横にスクロールできます。

  

機能 Microsoft Teams Google Chat Slack LINE WORKS Chatwork
既読 ×
(絵文字で通知可)
×
(リアクション機能あり)
削除
(相手には分からない)

(通知される可能性あり)

(相手には分からない)

(受信者の端末には残る)

(削除したことは伝わる)
復元 × × × ×
送信取消し 送信してから15秒以内 トーク後1時間以内か送信後24時間以内
絵文字・
スタンプ
1000種類
以上
1000種類
前後
2000種類
以上
1000種類
以上
49種類

いずれの機能が必要になるかは企業や職場により異なるため、実際に導入するチャットツールは、各々のニーズに応じて決めることをおすすめします。なお、絵文字・スタンプの種類数は関連サイトで確認したものですが、ツール選びの参考データとして記載いたしました。

円滑なコミュニケーションのために

円滑なコミュニケーションのために

ビジネスチャットを使用する場合、円滑なコミュニケーションのために、文面を工夫する姿勢は欠かせないでしょう。基本的に、社会人らしい丁寧な言葉遣いは、ビジネスマナーに沿っていると考えられます。とはいえ、過度に礼儀を重んじると堅苦しい表現になり、気軽にチャットしにくくなるかもしれません。チャットの手軽さを活かすなら、あまり体裁を気にせず、「!」「?」や絵文字・スタンプも取り入れるとよいでしょう。

ただし、ラフ過ぎる表現は、失礼に思われる可能性があります。ビジネスチャットを進めるなかでトラブルを防ぐには、文面に問題がないか送信前に見直すことが重要です実際に送るメッセージは適度な砕け具合を心がけ、円滑なコミュニケーションに結びつけましょう

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