成年年齢が18歳に引き下げ!企業への影響は?

2022.08.09 更新日:2022.09.27スタッフブログ

成年年齢引き下げで企業への影響は?

2022年4月から民法が改正となり、18歳と19歳は新たに成年者と定義されました。成年年齢の法的な引き下げは、当事者の若者だけでなく、企業にも影響が及ぶとの指摘があります。様々なトラブルを回避するには、改正後に何が変わるかを理解しておくと役立つでしょう。そこで今回は、法改正の意義・変更点や企業に望まれる対応策をご紹介します

法改正の意義や変更点

2022年4月の民法改正は、新たな成年年齢となる18歳と19歳の若者にとって大きな意義がある内容です。具体的な変更点に目を向けると、様々な方面で自由に決められる範囲が広がっています。

法改正の意義

今回、法改正で成年年齢が変更された意義は、これまで以上に若者の自己決定権を尊重できる点です。もともと日本の成年年齢は、1876(明治9)年に太政官が公布した法令により満20歳と定められました。2022(令和4)年の改正まで150年近くにわたり、法律上の定義は変わっていません。

しかし近年、憲法改正国民投票の投票権と公職選挙法の選挙権が18歳で認められました。国政に関わる重要事項でも、18歳以上を大人とする政策が進められています。これらの動きに伴い、民法では成年年齢について議論が活発化し、今回の法改正につながります。法的に成年年齢を引き下げることで、若者の積極的な社会参加を促せると期待されているのです。

主な変更点

2022年4月の法改正による主な変更点は、父母の親権に服さなくなるところです。様々な行為を、親の同意なしに自分で意思決定できます。いくつか代表的な事例を示すと、次の通りです。

  • 進路や就職先の決定
  • 居住地の選択・賃貸物件の契約
  • 携帯電話の契約
  • クレジットカードの作成
  • 各種ローンの契約
  • 有効期間10年のパスポートの取得
  • 国家資格の取得

これまで20歳未満は未成年者と見なされ、賃貸物件や携帯電話の契約には親の同意が不可欠でした。2022年4月以降は、18歳になると親の意思を確認せず単独で決められる範囲が広がります

以前との共通点

改正法が以前の法律と共通している点は、飲酒や喫煙に関する規定です。これらの行為やギャンブルなどは、成年年齢に達しても20歳になるまでは認められません。飲酒や喫煙を禁じている理由には、健康面への配慮があります。医学的な見地によると、若いうちからアルコールやニコチンを摂取すれば健康を害するリスクは大きくなると懸念されているためです。

そのほかに従来通りの項目としては、大型・中型自動車免許の取得や裁判員制度の規定が挙げられます。現時点では、いずれも成年年齢かどうかを問わず20歳以上であることが必要条件です。また国民年金の仕組みなども、これまでと変わりません。法改正で成年年齢が18歳に引き下げられても、現行のまま維持される規定は数々あるため事前に確認しておきましょう。

企業への影響

今回の法改正は新たに成年となる若者が適用対象であり、すでに成年を迎えた社会人にとっては無縁に思えるかもしれません。実際は、仕事の場などで当該年齢の若者と接する機会は皆無でなく、企業にも多少の影響が出ると考えられています

商品・サービスの提供

職場で年齢制限のある商品やサービスを提供している場合、法改正の影響を受けるかどうかの確認作業は怠れません。携帯電話の販売店は、新たに成年となる年齢層がスマホを購入する際、以前と異なり親の意思確認は不要です。契約関係でトラブルを避けるには、あらかじめシステムエラーなどが発生しないかチェックしておいたほうがよいでしょう。

一方飲食店は、改正法の施行後も従来通りに注意する姿勢が求められます。来店客が20歳未満であれば、成年者であってもアルコール類を提供すると違法行為です。若者から注文を受けた時は、「未成年者かどうか」ではなく、年齢の確認が必須になります。同じ成年者でも、年齢により購入可能な商品・サービスには違いが出てきます。企業や店舗は、ホームページ上の約款や利用規約も見直しておくと安心でしょう。

18歳・19歳の若者の採用

職場で18歳、あるいは19歳の若者を採用する場合、成年者として扱うかどうかで頭を悩ませる可能性があります。労働基準法によれば、基本的に18歳以上の従業員は18歳未満の年少者を雇用するのと異なり就労上の制約が設けられていません。そのため、法改正による成年年齢の引き下げは大きく影響しないともいわれています。

しかし、当該年齢の学生などは法改正で親権に服さなくなるとはいえ、実際は日々の生活や経済面で親の保護のもとにあるケースが多いでしょう。そのため、採用時に親の同意を求めるか身元保証人を引き受けてもらうほうが賢明との意見も聞かれます。様々な状況を考慮するなら、改正法をふまえつつ現状に合わせ柔軟に対応する姿勢が求められるといえるでしょう。

飲酒や喫煙には要注意

社内で新入社員の歓迎会や懇親会を開催する時は、18歳および19歳の成年者の飲酒や喫煙に要注意です。上記の通り、飲酒や喫煙は民法の改正後も20歳になるまでできません。たいてい新入社員の歓迎会などではアルコール類が振る舞われますが、18歳と19歳の成年者にすすめるのは禁止です。

喫煙所でタバコを吸う場合も、これらの年齢層の若者を成年者だからと誘うのは問題です。また飲酒や喫煙を放置しても、企業や職場は法的あるいは社会的な責任を問われる可能性があります。飲み会で若者に心ゆくまで楽しんでもらうには、周りの大人たちが十分に配慮する必要があるといえます。

企業に望まれる対応策

今回の法改正に伴い企業に望まれる対応策は、社内における理解の徹底です。改正後の内容を社内で周知徹底しておけば、万一のトラブル発生時にも速やかに対処できると見込めます。

正しい情報理解は重要

今後、企業では何らかの機会に新たな成年者と関わる可能性が十分にあり、改正法に関する正しい情報理解は重要です。2022年4月からの法改正による影響は、業種によって多少の差異があると見られています。とはいえ、職場への影響が小さいと考えていると、思いがけずトラブルに見舞われるかもしれません。

それでも従業員が改正内容を正しく理解していれば、万一の事態が起きても慌てずに済むでしょう。商品・サービスの提供時にシステムエラーが生じた際は、適切な法的知識にもとづき的確に対処できると考えられます。職場で改正法の理解を徹底しておくと、うっかりミスによるトラブル発生を防ぐにも効果的です。

業務フローは早めに修正

まだ職場の業務フローを見直していない場合、できるだけ早めに修正することをおすすめします。とくに修正作業を急いだほうがよいと見られる分野は、オンラインサービスに関わる業務です。その背景には、最近、幅広い年齢層がネット上で提供される各種のアプリやクラウドサービスを利用している状況があります。

18歳と19歳の若者も、学校の授業やプライベートでオンラインサービスを使う場面は少なくないといわれています。各種サービスの関連分野で業務フローの修正を先送りしていると、トラブルを招く原因です。これまで20歳未満を未成年者と設定していた場合、サービス内容によっては18歳以上を成年者に設定変更する手続きが急がれるでしょう。

紛争トラブルへの備えも

職場で18歳あるいは19歳の成年者を採用する場合、紛争トラブルへの備えも大切になります。改正法をふまえると、当該年齢の若者を採用する時に親の同意は不要です。ただし、学生の場合経済的に独立しているとは限らず、親の庇護下にあるケースは珍しくありません。

入社後に紛争トラブルが生じた際は、親が感情的になり解決が難しくなる事例も少なからず知られます。そんな事態を避けるには、法的に必要がなくても親の理解を得ておくのは賢明といえます。今後は以前より年齢制限の規定が複雑になると予想されるため、企業では状況に応じて対応することが望まれるでしょう。

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