カスハラが及ぼす悪影響とは?早急な対応が肝心

更新日:2024.12.12電話代行

カスハラが及ぼす悪影響とは?早急な対応が肝心

近年は「カスハラ」が、ビジネスの場で多発しているといわれる状況です。顧客によるハラスメントは、企業・店舗や従業員に多大な悪影響を及ぼしており、大きな社会問題になり始めています。ただし、企業や従業員は顧客を非難しにくい立場にあり、簡単には解決できないとの声が少なくありません。とはいえ、被害を広げないためには、早急に対応する必要があるでしょう。カスハラ問題の早期解決に向け、具体的な対処法を確認しておくことは、大切と考えられます。そこで今回は、カスハラの概要をふまえ、ビジネスシーンに及ぼす悪影響や効果的な対応策を解説します

カスハラの概要

カスハラの概要

カスハラは、カスタマー(顧客)による企業・店舗や従業員へのハラスメント(嫌がらせ行為)です。昨今は、全国的に増加する傾向が見られ、さまざまな企業や職場で問題視されています。

特徴・定義

カスハラ(カスタマーハラスメントの略)は、パワハラやセクハラと同様、ハラスメント行為の1種です。言葉の頭にカスタマー(customer:顧客)とある通り、ハラスメント(harassment:嫌がらせ)の主体者は、企業や店舗の顧客です。社内・職場の立場を利用するパワハラやセクハラと違い、顧客が理不尽な要求を提示するところに特徴があります。

このような点をふまえ、厚生労働省は、カスハラについて次の通りに定義しました。「顧客等(取引先を含む)からのクレーム・言動のうち、当該クレーム・言動の要求の内容の妥当性に照らして、当該要求を実現するための手段・態様が社会通念上不相当なものであって、当該手段・態様により、労働者の就業環境が害されるもの

上記の見解が示す通り、カスハラは、顧客や取引先の不当請求により企業や店舗の業務が妨げられる迷惑行為と理解されています。

厚生労働省 カスタマーハラスメント対策企業マニュアル (参照 2024-12)

クレームとの主な違い

カスハラとクレームとの主な違いは、要求内容に正当性があるかどうかの差です。厚生労働省の定義によると、カスハラが意味する範囲は、企業や店舗に対するクレーム全般ではありません。いろいろな苦情のうち、常識的で正当性があると判断できる訴えは、カスハラから除外されます。

それに対し、社会通念的に非常識で理不尽と見なされる要求は、カスハラの範囲内です。十分な妥当性がなく企業や店舗に迷惑をかける言動は、カスハラ行為に該当します。近年、社会通念上の観点から見て十分に正当性があるかは、カスハラとクレームを区別する大きな判断基準になっています。

厚生労働省 カスタマーハラスメント対策企業マニュアル(参照 2024-12)

カスハラ増加の原因

昨今、ビジネスの場でカスハラが増加した原因については、SNSの影響と指摘する意見が有力です。幅広い年齢層にスマホが普及している影響で、年代を問わず、以前に比べてSNSの利用者は多くなりました。同時に、一般の消費者による、SNSを通じた企業や店舗への発言力も大きくなったといわれています。

このような状況のもと、顧客や取引先は、些細な問題でも企業や店舗を批判しやすくなりました。その影響から、「お客様は神様です」の考え方に便乗し、不当で理不尽なカスハラに及ぶケースが増えたと見られています。2024年12月現在、カスハラの増加に伴い、さまざまな企業や店舗で多くの従業員が大きな被害を受けているといいます。

カスハラが及ぼす悪影響

カスハラが及ぼす悪影響

カスハラがビジネスシーンに及ぼす悪影響としては、生産性の低下業務負担の増加離職率の上昇が挙げられるでしょう。

生産性の低下

生産性の低下は、カスハラにより企業や店舗が被る悪影響の代表例です。企業・店舗が顧客や取引先から苦情を受けると、クレーム対応に手が取られ、通常業務は滞る可能性があります。それでも、適切な指摘により業務上の不備が改善されれば、作業効率の向上につながります。

一方カスハラは、基本的に妥当性がなく非常識で理不尽です。不当に金品やサービスを求めるケースが多く、ほとんど有益な意見は示されないため、業務改善や効率向上に結びつくとは期待できません。企業や店舗がカスハラを受けた場合、クレームと異なり有用性はなく、結果として仕事の生産性が低下する事態に見舞われています。

従業員の負担増

従業員の負担増は、カスハラに伴い、多くの企業や店舗が直面している悪影響です。昨今のカスハラを見ると、顧客の立場を利用し、金品・サービスを請求するケースだけにとどまりません。接客時に些細な不手際があった時、土下座といった過度な謝罪を求める事態も発生しています。

いずれも被害を受けた従業員本人にとっては、大きな心身ストレスを伴う嫌がらせ行為です。また、長い時間にわたり仕事が滞った時は、遅れを取り戻すため業務負担が重くなる場合もあります。カスハラは、従業員の心身や業務に及ぼす負担が大きく、さまざまな業界で問題視されています。

離職率の上昇

離職率の上昇も、カスハラがビジネスの場に及ぼす主な悪影響の一つです。顧客による嫌がらせ行為で従業員が大きなストレスを感じた時、体調を崩すケースは多く見られます。そのまま体調が回復せず仕事の継続が難しくなった場合、辞職する事態にもつながっています。企業や店舗にとって、従業員は、貴重な労働力となる大切な存在です。カスハラによる体調不良で仕事を続けられなくなり、本人の意図に反して職場を離れる状況は好ましくありません。

このような理由から、カスハラに伴う離職率の上昇は、ビジネスシーンで放置できない問題となっています。企業・店舗や従業員がカスハラの悪影響を回避するには、適切な方法により早急に対策することが求められるでしょう。

カスハラへの対応策

カスハラへの対応策

ビジネスの場でカスハラに対策する際、対応マニュアルの作成言動の記録保存顧客対応の委託といった方法は効果的です。

対応マニュアルの作成

対応マニュアルの作成は、カスハラ対策で必須とされる代表的な方法です。企業や店舗でカスハラが起きた時、被害を受けた従業員が1人で対処しても、問題の早期解決は難しいといわれています。それに対し、事前にマニュアルを用意すれば、当事者はマニュアルの内容に沿って処置を進められるでしょう。

また、社内研修の実施は、カスハラの定義や対応マニュアルの理解を深める方法として有効です。マニュアルの内容が各従業員に周知徹底された場合、カスハラ発生時に社内全体で対処しやすくなると考えられます。複数人が協力して処置すれば、1人の従業員が問題を抱え込まずに済み、業務負担の軽減にも役立つと期待できます。

言動の記録保存

言動の記録保存は、カスハラの客観的な証拠を残しておく方法として重要です。従業員が顧客から嫌がらせを受けた時、何も記録がないと、カスハラがあった事実は証明しにくくなります。一方、言動の一部始終が記録保存されていれば、必要に応じて客観的な証拠を提示できます。具体的にカスハラの様子を記録する場合、録音装置や防犯カメラを用いる方法は便利です。

また、不当請求の内容を紙面に書き留めるだけでも、問題発生時の記憶を呼び起こしやすくなるでしょう。さらに、録音機や防犯カメラを設置しているとアナウンスすれば、カスハラの発生を抑えられる可能性もあります。

顧客対応の委託

顧客対応を社外に委託する方法は、カスハラ対策の手間を減らすのに有用です。企業や店舗が小規模で人手が少ない場合、自力での問題解決は難しくなるケースがあります。その際、一部の応対業務を外注すると、カスハラに伴う負担を緩和するのに役立つと見込まれます。

電話でのカスハラに悩まされているなら、電話代行の活用は、早急な業務負担の軽減に効果のある対処法です。着信時の一次対応は代行業者に任せられるため、企業や店舗の従業員が電話を受ける手間やストレスは減らせます。代行業者のオペレーターは、常に冷静な受け答えを心がけているため、問題は肥大化せず速やかに解決すると考えられます。そのため、電話のカスハラが増えて対処に困っている時などは、ぜひ電話代行を導入して問題の早期解決にお役立てください。

この記事を読まれている方へのオススメ

>>ハラスメントの種類一覧|カスハラにはクレーム専門電話代行を
>>電話嫌いの若者の離職防止策として電話代行を活用
>>クレーム対応で使わないほうが良い言葉とは?

Pocket

The following two tabs change content below.
電話代行サービス株式会社では、電話応対のアウトソーシングを検討している方向けに、電話代行やビジネスに関する情報を発信していきます。 電話代行について相談する
お問い合わせ