事務代行と秘書代行の違いについて

更新日:2022.05.26秘書代行

事務代行を行う人

事務代行と秘書代行ともに事務作業に関わるため、業務内容は変わらないと思われるかもしれません。しかし実際は、一口に事務代行といっても、そのなかには特定の事務作業を専門的に扱う組織が存在します。また秘書代行は、中心となる業務が事務代行と異なっています。そこで今回は、事務代行秘書代行の違いをご説明し、これらの業者を利用する時のポイントもいくつかご紹介します。

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同じように思うけど違う?その仕事内容とは

事務代行団体による事務代行とは

事務代行では、広い意味では経理など事務作業全般が業務に含まれます。そのうち「事務代行制度」にもとづき厚生労働大臣から指定を受けた「事務代行団体」が請け負う業務は、財形事務の代行です。社員に給与が支払われる際など、財形貯蓄に関連する事務処理を行います。

「財形」もしくは「財形貯蓄」(正式には「勤労者財産形成貯蓄制度」)とは、給与から一定金額を差し引いて貯蓄にまわす制度です。住宅の購入など、将来に備えて勤労者が資金を蓄えておくための方法として考案されました。あくまで貯蓄サービスの一種であり、利用するかどうかは社員の任意です。社員が財形貯蓄を希望する場合、このサービスを取り扱っている金融機関と契約することにより口座が用意されます。賃金の支給時には、積立金として給与から控除された金額が指定口座に預けられる仕組みになっています。

この財形貯蓄に関する事務手続きを委託にもとづいて進めるのが、事務代行団体です。ただし貯蓄金額を給与から控除する作業など財形貯蓄に関連する作業をすべて行えるわけではなく、引き受けられる内容としては以下の業務が挙げられます。

  • 財形貯蓄の契約締結に関わる事務
  • 金銭の預け入れに関わる事務
  • 契約の変更・解約に関わる事務
  • 事業主や勤労者から財形貯蓄取扱機関への申告・照会・通知に関わる事務
  • 契約書類などの作成・保存に関わる事務
  • 財形貯蓄取扱機関との連絡・調整に関わる事務
  • 事業主や勤労者への指導・相談に関わる事務

通常、財形貯蓄の契約手続きなどは事業主が仲介して処理しなければならず、あまり人手の多くない企業にとっては重荷になり、中小企業においては制度の導入が思わしくありませんでした。そこで、中小企業の負担を減らし制度への加入を促すため「事務代行制度」が定められ、「事務代行団体」が生まれたわけです。この団体は、規定された範囲内において財形貯蓄の事務を請け負うことにより中小企業の事業主をサポートする存在といえるのです。

秘書代行の仕事内容

秘書代行は、電話対応が主な業務です。一般的な事務代行と異なり、経理事務などは代行業務の範囲に含まれません。基本的にはクライアントとなった企業の秘書もしくは事務員としてすべての電話を受け、用件を確認し、必要に応じて担当者に取り次ぎます。その際、連絡する時間帯や報告内容については、依頼者の意向を尊重する業者も少なくありません。弊社の場合、貴社のスケジュールに合わせ、時間によって対応方法を変えることも可能です。

商品の問い合わせがあった時は、質問内容を聞くだけとは限りません。あらかじめ商材に関する案内資料が用意されていれば、その内容にしたがってオペレーターが回答する場合もあります。クレーム対応も、秘書代行にとって重要な業務のひとつに挙げられます。お客様からの不満の声にしっかり耳を傾けながら事態を速やかに収束させ、クライアント企業の信頼回復に努める必要があるためです。

広義の事務代行事務作業全般、また事務代行団体が財形事務を担当するのに対し、秘書代行電話対応業務を請け負うことにより依頼者をサポートする職種というわけです。

弊社では、事務代行は行っておりませんが、秘書代行サービスをご提供しています。詳しく知りたい方は、こちらのページをご覧ください。
電話代行サービス株式会社 秘書代行

事務代行団体として指定を受けるための基準

事務代行制度では、事務代行団体は自らの団体に所属する構成員から委託を受け、財形事務を代行するシステムになっています。事務代行団体として指定されるためには、この点をふまえて以下の基準を満たさなければなりません。

  • 財形貯蓄に関わる事務を行える旨が、定款などに定められていること
  • 団体を構成する事業主が一定数以上であり、中小企業の事業主が2/3以上を占めること
  • 団体を構成する中小企業の事業主のうち相当数から、事務作業の委託が見込まれること
  • 委託された事務が、その他の経理と区別されていること
  • 委託業務の適切な処理を継続できるだけの経営基盤が整っていること

財形貯蓄に関わる各種の事務手続きを行えるだけでは、国の定める指定基準をクリアできません。長期にわたり組織を維持できる安定した経営基盤であっても、まだ不十分です。団体には、業務の代行者とともに委託者になり得る人々も構成員として所属している必要があります。さらに将来的には、団体の構成員のうち2/3以上を占める中小企業の事業主から相応の委託を受けられる見通しがないといけません。

事務代行団体を立ち上げる際には中小企業の事業主の参加を募る必要があり、加えて自らが所属する団体への業務委託を促すことも求められます。

業務を委託する中小企業

業者選びのポイント

いずれの業者を利用するとしても、まず利用目的を明確にしておくことが大切です。業務を依頼する理由がはっきりしていれば、貴社のニーズに応えられる業者以外は選択肢から外せます。予算が限られるなか、必要なサービスだけ申し込むことも容易となるでしょう。

あらかじめ業務レベルを確認しておいても、無駄ではありません。たとえサービス内容が同じでも、業者によってスタッフの能力に差があれば、望んだ結果が得られるとは限らないためです。業者によってはお試しサービスを利用できるところもありますので、積極的に活用しましょう。また打ち合わせなどの際、営業担当がどれくらい細かく要望を聞いてくるかどうかも、判断基準として有効です。契約前に一通りの疑問や不安を解消できれば、契約内容に納得したうえでサービスの利用を開始できます。

契約してから後悔し、解約したとしても、その手続きや新たな業者探しに時間を奪われるでしょう。これらの手間を避けるために、各業者の仕事の内容、貴社が求めるもの、どの業者なら期待に応えてくれるかなど確認してから、サービスを申し込むのが賢明でしょう。

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