人気のNFTとは?注目を集める背景と基礎知識
更新日:2023.05.24ビジネス豆知識NFTは、「非代替性」や「代用不可」の名前がつけられたデジタルデータのことです。代替できないという特徴から稀少性が生まれ、世界的に注目を集めています。唯一無二の価値を有するデジタル作品は、高額で売買されるケースも少なくありません。そのため、これから取引に参加したいと考えている人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、NFTの意味・仕組みや初登場からの歩みを解説し、実際に参加する方法や注意点をご紹介します。
目次
NFTの意味や仕組み
NFTは、別物に代替できないデジタルデータを指した言葉です。従来のデジタルデータに比べると、コピー・改ざんは難しいといわれています。以下では、この言葉の意味や仕組みをご紹介します。
NFTの言葉の意味
NFTは、「Non-Fungible Token(ノンファンジブルトークン)」の略です。日本語では、「非代替性トークン」や「代替不可能なトークン」と訳されます。「fungible(ファンジブル)」は、「代替・交換可能な」「代替・交換できるもの」などの意味がある言葉です。頭に否定の「non」がついた「Non-Fungible」は、「非代替性・代替できない」に変わります。
「token(トークン)」は、もともと「印・象徴」や「代用貨幣・引換券」を意味する単語です。ここから派生し、コンピュータの世界では「ネットワークの信号」や「識別子として使われるデータ」を指す言葉になりました。以上の使い方をふまえ、NFTは「代替できないデジタルデータ」を意味する表現として用いられています。
NFTの仕組み
NFTのデジタルデータは、ブロックチェーン技術により簡単にはコピー・改ざんできない仕組みになっています。ブロックチェーンは、個々のデータを「ブロック」と呼ばれる単位で管理する技術です。さらに、それぞれのブロックを鎖のように連結して保管する方式が、名前の由来になりました。
この技術を用いるNFTの場合、各々のデジタルデータには個別の識別サインが記録されます。ブロックチェーン技術により各データは区別が可能になるため、従来に比べてコピー・改ざんは難しい状況です。また、ブロックチェーン上のデータは唯一無二になることから、「ノンファンジブルトークン」の名称がつけられています。
注目を集める理由
最近、NFTが注目を集める理由は、デジタルデータにコピー・改ざんが困難な固有の価値が生まれているためです。デジタルデータは、ブロックチェーン技術で識別サインが記録されると、類似データで代用できなくなります。外見が変わらない画像データも、識別サインが違えばブロックチェーン上では代替できません。
ブロックチェーンで代用不可になったデジタルデータは、稀少性を有するところが特徴的です。同じ外見の画像データにも、それぞれの識別サインにもとづき唯一無二の価値が生まれます。唯一無二のデジタルデータは個々の稀少価値をふまえ取引できるため、現在、NFTは国内外を問わず注目されています。
ここ数年間のNFTの歩み
NFTが最初に登場したといわれる時期は、2017年です。最初期のデジタル作品が高額で取引されると、人気が高まりました。以下では、ここ数年間にNFTが歩んだ歴史をご紹介します。
2017年当初のNFT
2017年、ブロックチェーン上にはNFTで初となるゲームやデジタルアートが登場しました。NFTとして最初に登場した作品は、猫を育成するゲームです。ゲーム中に生まれる猫は、種類によって出現率が異なる設定でした。当時、レアな種類は、100万円以上で取引されたといわれています。
世界最古と見られるNFTアートも、2017年に発表されました。この作品は、24×24サイズのドット絵です。世界的に人気となり多くの著名人や投資家が購入し、億単位で取引されたケースも知られています。これらの事例により、NFTのデジタル作品は、最初に登場した時期から高額で取引される場合があったと理解できます。
2021年の大流行
2021年は、NFTのデジタルアートとゲーム作品が大流行し、NFT市場が急速に拡大した時期です。当時、デジタルアーティストの手で作成されたアート作品が、NFTブームに拍車をかけました。老舗のオークションハウスが高額で落札した影響もあり、NFT人気は急激に上昇します。
同年には、ブロックチェーンゲームも大流行しました。同ゲーム作品は、プレイ中に獲得した通貨やアイテムを取引できる設定が人気を集めます。その影響で、NFTゲームの市場は急成長を遂げました。2021年の大流行でNFT作品は高額取引できるとの認識が広まり、唯一無二の資産として価値が高まったといわれています。
現在の状況
現在のNFTは、これまでの人気・流行を受けて多種多様なアプリが次々に登場している状況です。最近は、歩きながら収入を得られるタイプが流行しています。その影響で、眠りながら、また音楽を聴いて所得を入手できる派生タイプも登場しました。いずれも、アプリによっては無料で始められます。
それぞれ、「Move to Earn」「Sleep to Earn」「Listen to Earn」の名称がつけられています。すべて「to Earn」と表現されている通り、移動・睡眠・音楽視聴するなかで収入を得ることが主な目的です。現在も、NFTは代替不可の稀少性が人気につながり、国内外で話題となり注目を集めています。
NFTの参加方法や注意点
NFTに参加してデジタルデータを取引するには、所定の手続きを済ませることが必要です。以下では、いずれの手続きによってNFT作品の購入や販売を始められるかご紹介します。
NFT作品を購入するには
NFT作品を購入する場合、取引業務を手がけているマーケットプレイスを利用する方法が一般的です。マーケットプレイスは、利用可能なブロックチェーンが同じとは限りません。需要の少ない種類は、取引に差し支える場合があります。そのため、マーケットプレイスを選ぶ時は、どのブロックチェーンを利用できるかの確認が不可欠です。
また、マーケットプレイスは、手数料や支払い方法にも違いが見られます。これらの事前確認を怠ると、予想外の手数料を請求されたうえ希望通りの方法で購入できなくなる可能性もあるため注意が必要です。実際にNFT作品を購入する時は、ウォレットなどが必要かどうかも確認しておくと取引をスムーズに進めやすくなります。
NFT作品を販売するには
NFT作品を販売する場合、出品先になるマーケットプレイスと取引で利用するブロックチェーンの選択が必要です。ブロックチェーンは、NFT作品を販売する時も需要の少ない種類を選べば面倒が増えると考えられます。取引時の使い勝手を考慮すると、広く使われている種類を選択するのがおすすめです。
マーケットプレイスとブロックチェーンを決めた後は、販売するデジタル作品を登録します。選択したマーケットプレイスの規約にしたがい取引方法を設定すると、出品できます。また、取引方法を設定する段階では、購入者が転売した場合に徴収する手数料なども設定可能です。なお昨今は、NFTの流行に乗じて一部のマーケットで人気クリエイターを装った偽造品も流通しています。詐欺被害も発生しているため、利用時には疑わしいDMやURLには気をつけなければなりません。
まだ、日本語に対応したマーケットプレイスは多くありませんが、使いやすく信頼感のある国内取引所は徐々に誕生しています。これから国内でNFTに参加する場合、詐欺に注意しつつ日本語対応した信頼できるマーケットプレイスで取引することをおすすめします。
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