今必要なデジタルトランスフォーメーションとは

2021.07.06 更新日:2021.09.24ビジネス豆知識

現在、ビジネスシーンではコロナ禍の影響もあり、デジタルトランスフォーメーション(DX)のさらなる推進が迫られていると考えられます。経済産業省の指摘を受け、現状に危機感を抱いた企業も少なくないかもしれません。そこで今回はDXの概要やさまざまな業種の成功事例をご紹介するとともに、なぜ今DXが必要なのか解説いたします。

デジタルトランスフォーメーション

デジタルトランスフォーメーションの概要

デジタルトランスフォーメーション(DX)は、もともとITの浸透による生活面の向上を意味していました。いまビジネスの場では、業務の効率化やビジネスモデルの変革を指す言葉として使われています。

もともとの定義

DX(Digital Transformationの略)は、2004年に登場した概念です。もともと、スウェーデンにあるウメオ大学の教授であったエリック・ストルターマンが論文で提唱します。

当時の論文では、DXについて「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」と定義されました。人によっては、デジタル技術の活用による既存の価値観や枠組みの変革とも表現されます。

Digital(デジタル)は、広い意味でデジタル技術やデジタル化された情報を含みます。Trans formation(トランスフォーメーション)は、「変化」や「変換」を意味する言葉です。

これら2つを組み合わせたDXは、これまでにIT化による変革といったニュアンスをもつ表現として使われています。

ビジネスでの意味合い

近年のビジネスシーンにおけるDXの意味合いは、簡単に表現するとデジタル化やIT化によるコスト削減、業務の効率化やビジネスモデルの変革です。

DXの範囲を社内に限ると、さまざまな業務のデジタル化・IT化によるコスト軽減や生産効率の改善を指します。社会全体に広げれば、ひとつの企業にとどまらないビジネスモデルの変革まで含まれます。

現在、経済産業省はDXを推進する姿勢です。ガイドラインでは、デジタル技術の活用によりビジネスモデルや企業文化を変革することで、激しく変わるビジネス環境において優位性を確立する旨の定義を示しています。

これらの定義をふまえた場合、ビジネスの場でDXには「各種業務のデジタル化やIT化による作業プロセスやビジネスモデルの大幅な変革」との意味合いがあるといえるでしょう。

類似する用語との違い

DXに類似する用語として、よく登場する言葉は「Digitization(デジタイゼーション)」や「Digitalization(デジタライゼーション)」です。

どちらも、「デジタル化」を意味する点ではDXと共通します。大きな違いは、それぞれの言葉に含まれる範囲の差です。DXに比べると、残り2つが意味する範囲は狭まります。

一般的に、デジタイゼーションはアナログ情報のデジタル化です。またデジタライゼーションは、情報だけでなく作業プロセス全体のデジタル化まで含みます。

いずれにしても、社会全体の変革も含まれるDXと比較すれば、言葉の意味する範囲は限定的です。

ビジネスに見るDXの成功事例

ビジネスの分野では、医療関連業界やネット上のフリーマーケット、また金融機関のサービスなどでさまざまな成功事例が見られます。

製薬業界の事例

医療関連業界では、薬の服用を支援するシステムの開発が製薬会社のビジネスを成功へと導きました。

成功事例となった製薬会社が開発したシステムは、薬を収納するための専用ケース、薬の服用状況をスマホで通信するIoTモジュール、服薬状況を確認できるスマホアプリの3つで構成される仕組みです。

薬を服用するとLEDが点滅し、IoTモジュールが服薬データをスマホから送信します。アプリで服薬状況が分かるため、服用者本人が飲み忘れを防げるとともに、家族や医師による服薬履歴の確認にも有効です。

製薬会社は薬を服用するタイミングなどについてデータを蓄積できるため、新たなサービスの提供にもつながると期待されています。

ネット上のフリーマーケットの事例

ネット上のサービスでDXに成功したジャンルを挙げると、フリーマーケットの事例です。

かつてネット上では、パソコンを使ったオークションが主流でした。DXで成功したフリーマーケットのサイトはスマホの普及状況に着目し、スマホ完結型のサービスを展開します。

新たに提供されたフリーマーケットのサービスは、スマホから簡単に出品および購入できる仕組みでした。出品者と購入者が匿名でも商品を発送できるうえ、ポイント決済のシステムも設計されています。

DXの導入でユーザーにとって使いやすい運営スタイルが追求され、多くの利用者を獲得するのに成功しました。

金融機関のサービスの事例

金融機関では、顧客から寄せられた大量の意見を有効活用するためDXの導入が進められています。

大手銀行のひとつは、年間に届く顧客の意見が3万5000件前後に達するといわれます。すべて保存したうえで、これまでは10名ほどの従業員でチェックしていたため処理が追いつきませんでした。

人手によるチェック作業が難しくなった際、DXとして導入されたシステムがテキスト含意認識技術です。この技術により顧客の意見を判定・分類する作業は自動化され、業務にかかる手間は軽減されました。

多くの人手を費やさなくても短時間のうちに顧客のニーズを把握することが可能となり、効率的なサービスの改善や向上につながっています。

いまDXが必要とされる理由

いまDXが必要とされる主な理由は、消費動向の変化です。現在はコロナ禍の影響が大きく、「2025年の崖」と呼ばれる経済損失の発生も懸念されています。

消費動向の変化

消費動向の変化は、さまざまな業種でDXの導入が求められる大きな要因です。

現在、多くの家庭には便利な商品があふれています。かつてと違い、新商品というだけでヒットするとは見込めません。少しでも売り上げを伸ばすため、多くの企業は顧客ニーズの把握に努めています。

ただ、顧客ごとに個別のニーズを分析するのは簡単ではありません。膨大な情報を手早く商品開発やサービス向上に生かすには、大量のデータを迅速に処理するシステムの構築が望まれます。

さまざまな企業では、多様化するニーズに合わせ新商品の開発事業やサービス改善を効率的に進めるため、DXによる業務の変革が必要になっています。

コロナ禍の影響

コロナ禍も、国内の現状をふまえるとビジネスシーンでのDXに与える影響は小さくないでしょう。

これまで従業員は、職場で仕事する勤務スタイルが一般的でした。現在は全国各地で外出自粛が求められ、さまざまな職場でテレワークの導入が進んでいます。

在宅勤務する場合、ほとんどの業務ではパソコンや各種の通信ツールの手配とともにネット環境の整備が不可欠です。通常、以前と大きく変わらない生産性を維持するには作業環境のIT化が必要になります。

その意味で、コロナ禍は職場におけるDXの推進と多少なりとも影響していると考えられます。

2025年の崖

今後、ビジネスシーンで懸念される問題は経済産業省も指摘した「2025年の崖」です。

「2025年の崖」という言葉は、経済産業省が2018年に発表した報告書でビジネス界に広く知られました。報告書によれば、既存のシステムは大規模な経済損失につながるリスクがあると警告しています。

報告書には、老朽化した既存システムがDXの推進にとって大きな妨げになると記されています。IT化されていても例外でなく、老朽化したまま刷新しないとリスクが発生する可能性はあるとのことです。

これらの指摘をふまえた場合、将来的に予想される経済損失を避けるには、速やかなDXの推進が望ましいといえるかもしれません。

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