取引先との忘年会!気をつけておきたいお金とマナー
更新日:2024.12.26ビジネス豆知識ビジネスの場では、取引先から忘年会に招待されることがあります。プライベートの飲み会なら気軽で楽しいものですが、仕事関係となると緊張するかもしれません。また、お金やマナーについて悩むとの声も多く聞かれます。これらの点に不安がなくなれば、取引先の忘年会にも参加しやすくなるでしょう。そこで今回は、取引先から忘年会に招かれた際に気をつけたいマナーを解説しながら、お金を包む際の注意点などをご紹介します。
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目次
手ぶらで行ってもいいの?
取引先の忘年会に招かれた時は、基本的に手ぶらで行かず、心づけとして金銭や物品を用意しておくと安心です。
ちょっとした心づけ
心づけは、仕事関係で忘年会や新年会に呼ばれた際など、主催者側に渡すお礼の品々です。取引先との忘年会に限らず、招待に対する感謝の気持ちは、心づけを用意することで伝えられます。通常、心ばかりの贈り物であると謙虚に示す意味から、「寸志」と表現されます。ただし、寸志は目上から目下に使われる言葉ともいわれるため、取引先への贈り物には「御礼」を用いるとよいでしょう。また、「御樽(おんたる)」も、心づけとして用意する金銭を指した表現です。そのため、表書きに「御樽代」「御樽料」と記載する方法もあります。加えて、のし袋は、水引のない赤棒のものが適しています。
心づけの金額
心づけに金銭を用意する場合、相場とされる金額は1万円ほどです。親しい関係者が集まる小規模な忘年会は、会費制で参加費を決めるケースが多く見られます。とはいえ、招待される人は、主催者側の気遣いにより会費の金額を知らされないかもしれません。その際、感謝の気持ちから多額のお金を包むと、相手は気まずく感じる可能性があります。招待した側の心情に配慮するなら、不用意にお金を出さず厚意に甘えるのがマナーでしょう。このような理由から、寸志・御礼や御樽代で用意する金額は、飲食代を含めてキリのよい5千円や1万円が妥当といわれています。
物品を用意する場合
寸志・御礼に物品を用意する方法は、主催者側の気分を損ねず受け取ってもらうのに適した選択肢です。そもそも、取引先が誰かを忘年会に招待する時、金銭や物品を受け取ることが目的ではありません。うっかり金銭を渡すと、相手側は、厚意が理解されなかったと感じる可能性があります。その点に配慮した場合、お礼や感謝の気持ちを物品で示すと、余計な誤解を避けるのに効果的です。地元エリアで人気のお菓子やアルコール類を持参すれば、喜んでもらえると期待できます。
ただし、会場によっては飲食物を持ち込めないケースがあり、帰りの荷物になり迷惑をかける可能性もあるため注意が必要です。なお、主催者側に金品を受け取る習慣がなく禁止している場合などは、心づけを用意しなくても問題ありません。その際は、寸志や御礼を無理に渡さず、気持ちよく厚意に甘えても大丈夫です。
お金を包む際の注意点
取引先の忘年会に招かれ、お金を包む際は、表書き・金額・包み方などに注意する必要があります。
なぜ「寸志」を贈るのか?
取引先から忘年会の招待を受けた時、招かれた側が寸志を贈るのは、相手側に感謝の気持ちを伝えるためです。ビジネスの場では、多くの企業が様々な組織・個人を相手に売買取り引きしています。ただし、お互いの関係性が思わしくなければ、わざわざ忘年会には招待しないでしょう。そのため、取引先の忘年会に招待されることは、良好な関係が築けている証しといえます。仕事への信頼から声をかけられたと理解すれば、参加費は無料と案内があっても、寸志を贈って感謝の気持ちを伝えるのは自然な行為と考えられます。
寸志の相場
お金を寸志として包む場合、金額は控えめに抑えるのが基本的なマナーです。寸志の相場額に決まりはなく、地域や贈る相手・場面によって違いが見られます。それでも、あまり多く包むと相手は恐縮して受け取りにくくなるため、好ましくないといわれています。忘年会の場合、参加費が3千円なら5千円を包むなど、感謝の気持ちから少し上乗せするケースが一般的です。また、取引先に招待された時も、多くて1万円が限度と見なされています。
封筒の包み方と表書き
お金の包み方は、祝儀の場面か不祝儀の場面かで変わってきます。忘年会は祝いの場とはいえませんが、不祝儀の場面ではないため、祝儀の場面における包み方で問題ないでしょう。この場合、肖像画のある側を表面に向け、袱紗は左・上・右・下の順番で折り畳みます。のし袋はシンプルな種類が好ましく、水引が省略され赤い直線が引かれた「赤帽」を選ぶと無難です。白封筒でも問題ありませんが、寸志は目上の人が用いる言い方のため、取引先に向けた表書きは御礼や薄謝が適しています。
品物の場合
お金の代わりに物品を贈る場合も、基本的な注意点は同じです。あくまで寸志であり、感謝の気持ちが大きくても、高額品の贈与は控える必要があります。また、社風や業務規則の関係で相手が金品の受取りを拒否した場合、無理強いはマナー違反です。予算は数千円~1万円以内に抑え、品物を入れた箱や包装袋の上面・前面には、御礼や薄謝と記載したのし紙をつけます。小分けの菓子類やビン入りの酒類なら、参加者全員で分けて楽しめるでしょう。
会計処理の方法
寸志を贈った時の費用は、賞与や交際費として会計処理する方法が基本的です。社内で従業員に寸志として金銭を給付した場合、ボーナスに近いと見なされ、勘定科目は賞与になります。冠婚葬祭で企業が従業員に配布する寸志も、賞与に分類されるでしょう。一方、取引先への寸志は、贈答に該当する費用です。そのため、接待や供応に使った予算と同じく交際費として扱われます。お金と物品のいずれを用意した場合も、経費で計上できます。
タイミング
取引先の忘年会で金銭や物品を渡すタイミングは、早いほうがよいでしょう。お金を早めに渡しておくと、主催者側は、会場の雰囲気に合わせ金銭が贈られた旨を参加者に伝えやすくなります。逆に、タイミングが遅れると、知らないうちに会計が終わり金銭を渡し損ねるかもしれません。また、お菓子や酒類を早く渡せば、十分な時間があるうちに参加者みんなで分けられるでしょう。終了間際に提供しても帰りの荷物になる可能性が高いため、会場に到着したら早々に渡すのが得策と考えられます。
一言添える時
お金や物品を渡す際は、一言添えると好印象を与えるのに効果的です。具体的には、お金の場合、「わずかばかりですが」や「ほんの気持ちばかりですが」と伝えるケースが多く見られます。また、お菓子や酒類なら、「お口汚しですが」や「お口に合うか分かりませんが」も使えます。会場に到着して「お招きくださり、ありがとうございます」と挨拶した後、これらの言葉を添えて贈り物を渡せば印象はよくなるでしょう。相手に気持ちよく受け取ってもらえれば、忘年会を楽しみやすくなると考えられます。
渡し方
お金や物品の渡し方としては、両手を添えて相手に正面を向けるのが基本です。のし袋を袱紗で包んでいる場合、自分に向けて袱紗から出し、袋の向きを直してから両手で渡すと丁寧な印象になります。荷物が多い時も、片手で渡すより、足元に荷物を置いて両手を添えたほうが失礼になりません。物品も、袱紗や手提げ袋から出したうえ、のし紙の文字が相手に読める状態で渡すのがマナーです。また、相手が持ちやすいように袋ごと渡す場合、「袋のままで失礼します」とお詫びの言葉を添えます。以上の注意点に気をつけてお金や物品を贈れば、忘年会に招かれ感謝する気持ちは相手によく伝わり、お互いに楽しく忘年会を過ごせるでしょう。
忘年会中のマナー
忘年会の席で心がけたいマナーは、「周りへの感謝や配慮の気持ちを忘れず振る舞うこと」です。
周りへの配慮は重要
取引先との忘年会を楽しく過ごすうえで、周りの参加者に配慮する姿勢は重要です。仕事関係の忘年会は、お互いに1年間の業績を称え合い、それぞれの努力や苦労をねぎらう場といわれています。プライベートの飲み会と異なり、お酒を飲んで浮かれ過ぎる態度はマナーに反します。とはいえ、仕事上の付き合いと考えて堅苦しい態度のままでいれば、場の雰囲気を壊してしまうかもしれません。お酒や食事を勧められた際、頑なに断ると、失礼に思われる可能性があります。飲み過ぎは厳禁ですが、取引先の厚意に応えるためにも、周りに感謝しながら一緒にお酒を楽しむ意識は大切になります。
挨拶は簡潔に
忘年会の席で挨拶を求められた時は、要領よく簡潔に話すのがマナーです。取引先の忘年会に出席した際、招待された人物は、よく挨拶を頼まれるケースが見られます。スピーチに慣れていない場合、何を話すか事前に検討しておくと、その場で慌てずに済みます。
通常、馴染みのない参加者も同席しているため、自己紹介は不可欠です。最初は、自分の勤務先・配属部署・氏名を伝え、それから取引先との関係性や共同で進めた事業について話し、日頃の感謝を示せば問題ないと考えられます。あまり長く話すと楽しい雰囲気に水を差すため、取引先がメインの内容で手短に挨拶することが大切です。お酒の席だからと無理に笑いを誘う必要はなく、明るい口調で話し、翌年に向けた抱負の言葉で締めくくれば好印象につながるでしょう。
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印象が悪くならない断り方
やむを得ず忘年会の招待を断る場合、印象を悪くしないためには、お詫びの気持ちや残念な思いを丁寧に伝えることが大切です。
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具体的に、対面で伝える場合とメールで伝える場合、それぞれどのようにすれば良いか、以下で詳しく見ていきましょう。
対面での断り方
対面で招待を断る時は、出席できない旨を謙虚に伝える姿勢が求められます。年末、仕事が忙しくプライベートの予定もあると、せっかく忘年会に招かれても出席するのは難しくなります。今後を考えると断りにくく感じますが、直前まで迷ったとしても、当日のキャンセルはマナー違反です。
事前に面会する機会がある場合、電話やメールで断ると失礼になります。時間があれば直接会って話し、出席したいが参加できない旨や申し訳なく残念に思う気持ちを伝えます。その際、不参加の理由は、具体的に話さなくても大丈夫です。ただし、謙虚に断る姿勢は重要であり、私的な事情であっても仕事の都合と説明したほうが無難と考えられます。
メールでの断り方
メールで断る場合、その旨を簡潔かつ明確な文面で伝えることが大事です。仕事に追われ顔を合わせる時間がない場合、メールで断りの連絡を入れても差し支えありません。ただし、長文は読むのに時間がかかるため、相手から迷惑に思われる可能性があります。相手に配慮すると、簡潔な文面で伝える意識は欠かせないでしょう。具体的には、対面で話す場合と同じく、招待への感謝・参加できない旨・お詫びの言葉・残念に感じる気持ちを明確に記します。
取引先から招待されることは、仕事で信頼を得ている証しといえます。また、さらに親睦を深めたいと望んでいるケースも少ないでしょう。そのため、接待のような場が苦手でも、良好な関係を保つうえで招待を受けることは大切です。やむを得ない事情がなければ、マナーを心がけながら忘年会を楽しみ、新しい人間関係も築いて今後に活かすことをおすすめします。
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