2023年の人手不足の現状と問題解決につながる対策法

更新日:2023.12.06秘書代行

2023年の人手不足の現状と問題解決につながる対策法

昨今、国内企業の人手不足は深刻です。その理由としては、少子高齢化などが挙げられています。いまのところ有効な少子化対策は見つかっていないため、この問題を早急かつ根本的に解決するのは難しいでしょう。それでも、電話対応を外部委託するなど、工夫次第では従業員の負担を軽減することが可能です。そこで今回は、人手不足の現状や理由をふまえながら、問題解決につながると期待される対策方法をご紹介します

人手不足をめぐる現状

人手不足をめぐる現状

日本国内は現在、人手不足が深刻化している状況です。最近の有効求人倍率は、高水準になっています。以下では、2023年現在における人手不足の概要や人手不足割合が高い業種をご紹介します

2023年現在の概要

2023年10月現在、国内企業で人手が不足している割合は、正社員が5割強・非正社員が3割強です。国内企業の雇用状況に関する調査は、株式会社帝国データバンクが、2006年5月から毎月実施しています。2023年11月に公表されたデータは、2023年10月の調査で得られた結果です。同調査は、2023年10月18日~31日に実施されています。調査対象は全国27,052社、有効回答企業数は11,506社、回答率42.5%でした。

調査結果を見ると、「正社員が不足」と感じている企業の割合は、2023年10月時点で52.1%に達しました。また、「非正社員の不足」を感じているとの回答は、30.9%になっています。

これまでの報告によれば、正社員の過去最高は2018年11月の53.9%、非正社員は同年12月の34.9%です。2023年10月の数値は正社員・非正社員とも過去最高に近く、多くの企業で人手不足は深刻になっているとの見解が示されています。

人手不足割合が高い業種

帝国データバンクの調査によれば、2023年10月時点で人手不足割合が高い業種は、旅館・ホテルや飲食店です。まず、正社員の人手不足割合は旅館・ホテルが75.6%に達し、業種別のトップになりました。トップ3を見ると、2位は情報サービス72.9%、3位は建設69.5%と続いています。そのうち情報サービスは、ITエンジニアの不足が目立つと指摘されています。

次に、非正社員は、飲食店が82.0%となり業種別のトップでした。2位には、正社員でトップの旅館・ホテルが続いています。また3位には、人材派遣・紹介64.2%が入りました。さらに、同調査では、人手不足を感じている企業の多くが正社員の確保に苦労しているとの結果も示されています。

具体的には、建設業・物流業で、正社員数が「変わらない」「減少した」との回答は約8割に及びました。この結果をふまえた場合、国内の労働人口が限られるなか、新たに人員を採用して人手不足を補うことは容易でないと考えられます。

参照:帝国データバンク 「人手不足に対する企業の動向調査(2023年10月)」
 (参照 2020-12-06)

人手不足の理由

人手不足の理由

国内のビジネスシーンで人手不足が進んでいる理由としては、少子高齢化や従来型の業務スタイルが挙げられるでしょう。以下では、国内企業に人手不足を招いているといわれる主な理由についてご紹介します

少子高齢化

少子高齢化に伴う労働人口の大幅な減少は、国内企業の人手不足につながっている代表的な理由です。国内では、数十年にわたり、少子高齢化の流れが続いています。現在は、若年層の人口が増えないなか高齢者の人口が多くなり、トータルの労働人口は長いこと減少傾向にあります。

行政は各種の対策を試みていますが、いまのところ少子化の流れが止まる気配は見られません。ビジネスの場では労働力に対する需要が増える一方で、供給が追いつかない状態になっています。このような現状のなか、多くの企業では人員の確保が難しくなり、人手不足に悩まされています。

従来型の業務スタイル

従来型の業務スタイルも、国内企業の人手不足につながっていると見られる大きな要因です。これまで、国内企業の多くは、細かい手作業により品質の高い商品・サービスを生み出してきました。ただし、基本的には職人の感覚に頼る傾向があり、高度なスキルを若手に継承できず職人不足になる事態が起きています。

また、業種によっては業務のデジタル化も進んでいません。顧客データを大量に集めても従来通り人手で処理している時間が足りず、より多くの人員が必要になっています。従来型の業務スタイルは優れた技術の継承や効率的なデータ処理が難しく、人手不足につながっていると指摘されています。

その他の理由

企業によっては、資金面や人口流出の問題から、人手不足を招いている可能性もあるでしょう。新たに人員を雇う場合、募集広告の作成費から採用者の人件費まで多くの経費が必要になります。資金面が厳しいと、人手が少なくても、簡単には新しい人員を採用できないとの声が聞かれます。

また、地方の企業は、人口流出が問題になっているケースも少なくありません。地方は都市部に比べて仕事量が多くなく、若手人口が流出しやすいため、人手が不足しているといわれています。国内企業が人手不足になっている理由は一律でなく、それぞれの状況に応じて対策する必要があると考えられます

問題解決に向けた対策

問題解決に向けた対策

国内企業が人手不足を解消するには、業務スタイルを見直すなかでITツールの導入を進めるほか、アウトソーシングを活用する方法などが有効でしょう。以下では、人手不足の問題解決に効果を見込める対策についてご紹介します

業務スタイルを見直す

従来型の業務スタイルで職人不足などに悩まされている場合、一度、業務スタイルを見直してみる方法があります。熟練の技術は、優れた職人の感覚に頼っている場合、若手が継承するまでに長い時間がかかると考えられます。とはいえ、企業が品質の高い商品・サービスを提供し続けるには、できるだけ短時間で引き継ぎたいところでしょう。

その場合、職人が感覚的に進めている作業を数値化する方法が、効果的といわれています。実際、いくつかの企業ではベテランの職人に詳しく話を聞き、様々な作業のタイミングを数値に置き換える手法が取り入れられています。それぞれの作業の所要時間や力加減が数字で示された場合、若手は理解しやすくなるでしょう。その結果、技術の継承がスムーズになれば、職人不足の解消につながると期待できます

ITツールを導入する

ITツールを導入する方法は、様々な業務の作業効率を上げるのに効果的です。各種の業務を進める時に大量のデータを人手で処理している場合、多くの時間を要する傾向が見られます。また、データ入力や計算作業で人為的なミスを避けるのは難しく、一般的に生産性は下がりがちです。

その際、ITツールを導入すると、膨大なデータの処理を人手より短時間で済ませやすくなります。さらに、データの入力や細かい数字の計算でも、ミスは起きにくくなるでしょう。結果的に、ITツールの導入でデジタル処理する作業が増えれば、少ない人手でも各種の業務を効率的に進めやすくなると見込めます。

アウトソーシングを活用する

アウトソーシングを活用する方法は、人手不足による従業員の負担を軽減する手段として有効です。最近、多くの職場では、人手が少なく従業員1人あたりの業務負担が大きくなっているといわれています。大量の仕事に追われるなか、電話対応まで手が回らないと訴える声は少なくありません。

そんな悩みを抱えている場合、電話対応を外部委託すると、従業員の負担軽減に効果を発揮します。着信時の一次対応を電話代行に任せれば、従業員は、それぞれの担当業務に専念しやすくなると期待できます。予算的な理由などから新しい人員の補充が難しい場合、人手不足を緩和する方法として、電話代行の活用はおすすめです。

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