ダイバーシティ。幅広く人材を採用するポイント
更新日:2023.04.07業界関連情報ダイバーシティとは、「多様性」を意味する言葉です。日本では少子高齢化のため、年々労働人口が減少していおり、今後は年齢や性別、人種を問わず多様な人材の活躍が求められています。こちらでは、日本のダイバーシティの現状や、重要性についてお伝えします。
目次
ダイバーシティとは
ダイバーシティとは多様性という意味の言葉です。「異なる性質の存在が、幅広く存在する」ことを表し、英語では、「diversity」と表記されます。ビジネスの場面では、年齢・性別・人種・学歴・国籍・経験が異なる人物が、それぞれ活躍できる組織を目指すことを指します。
ダイバーシティという言葉は、もともとビジネス以外の場面でも広く使われる言葉でした。しかし、1990年代のアメリカで女性や有色人種の差別撤廃を主張するキーワードとして用いられたことから、「マイノリティに対しての雇用機会均等」という意味で使われはじめます。
ダイバーシティという言葉が積極的に使われはじめた頃は、労働者の権利に重点が置かれていました。しかし、ダイバーシティを推進した企業が次々とイノベーションを生み出したり、生産性を高めたりしていることが分かります。成長のためにダイバーシティを目指す企業が増えました。日本でも、労働者と企業双方の利益のために、ダイバーシティの推進が求められています。
ダイバーシティの種類
ダイバーシティには、「デモグラフィー型ダイバーシティ」「タスク型ダイバーシティ」「オピニオンダイバーシティ」の3種類があります。
デモグラフィー型ダイバーシティとは、性別や国籍、年齢といった目に見える属性が異なる人物が、幅広く活躍することです。
一方、タスク型ダイバーシティは能力や経験といった目に見えない価値の多様性を表し、オピニオンダイバーシティは意見の多様性を表します。
日本企業で主に推進しているのはデモグラフィー型ダイバーシティです。しかし、能力や経験、意見といった目に見えない部分の多様性も認められることで、企業のより大きな成長につながります。
日本はダイバーシティが進んでいない?
少子高齢化が進んでいる日本では、今後徐々に生産年齢人口が減少していきます。慢性的な労働人口の不足に陥ると考えられ、女性・高齢者・外国人・障害者といった多様な人材の活躍が必要とされています。
しかし、日本は諸外国に比べてダイバーシティが進んでいません。日本のダイバーシティの進みが遅いのは、島国であることや単一国家であることが関係していると考えられています。
たとえば、アメリカはさまざまな人種が集まっているため、ダイバーシティが進んでいます。人種や民族によって大きく異なる文化を持っているため、国家や企業は多様な人材をまとめる工夫をする必要があったからです。「公民憲法」や「雇用機会均等法」といった法律の整備も進んでいます。
さらに、単純に多様な人種を雇い入れるだけでは差別が発生する可能性があるため、混在する人種をまとめられる様に、ダイバーシティ・マネジメントが成長しました。結果、現在のアメリカではダイバーシティが浸透し、さらに個性を活かした働き方を目指す様になっています。
今までの日本は同じ文化を持つ人物同士で働くことが多かったため、ダイバーシティを進めなくても問題なかったのです。しかし、労働人口が減少している現在は、多様な人材を受け入れて労働力を確保する必要があり、ダイバーシティの推進が求められています。
組織がダイバーシティを重視する理由とは?
現在、多くの組織でダイバーシティの実現を目指しています。組織がダイバーシティを重視するのはなぜでしょうか?
優秀な人材を確保しやすくなる
ひとつは、優秀な人材を確保しやすくなることです。従来は、週5日8時間働けて、転勤にも対応できる人材が求められていました。しかし、病気や介護、出産といったことがあると、この様な働き方はできなくなります。結果的に、優秀な人材の流出を招いてきました。
ダイバーシティを推進すれば、多様な働き方が認められる様になります。幅広い人材から採用できる様になり、優秀な人材の確保が可能です。また、多様な人材が働ける会社であるというイメージが浸透すれば、応募者の増加も期待できます。
イノベーションが期待できる
ダイバーシティが進めば、イノベーションが期待できます。年齢や性別、国籍が同じ人物のみが集まる場合、ひとつの方向を目指して仕事をすることはうまくいきますが、イノベーションはなかなか生まれません。
しかし、多様な人材が働いていれば、アイデアが生まれやすくなり、組織に変化が生まれます。また、異なる個性を持った方が集まるため、変化の多い状況にも柔軟に対応しやすくなります。
市場優位性を狙える
市場優位性を向上できるのも、ダイバーシティを推進するメリットです。さまざまな文化的背景を持つ人間がいれば、幅広い顧客のニーズに対応できます。また、商品やサービスを違った角度から検討し、ブラッシュアップすることも可能です。多様な人材が働いている企業のほうが、業務の幅を広げやすくなります。
ダイバーシティを推進するうえでの課題
ダイバーシティを推進する際は、無意識の偏見や固定観念に注意しなければなりません。人間は無意識のうちに性別や年齢、人種から決めつけを行ってしまいます。固定観念が多様な人材の活躍を阻むケースもあり、注意が必要です。ダイバーシティを進める際は、偏見や固定観念を正していく必要があります。
また、異質性の高い企業は、アイデアやイノベーションが生まれやすい反面、誤解やトラブルが発生しやすいため、気をつけなければなりません。ある調査では、異質性の高いチームにするだけでは生産性が上がるとは限らず、個々の違いを受け入れて効果的にマネージメントする必要があるとしています。ダイバーシティを浸透させるためには、マネージメントをしたり、異なる文化を受け入れられる社風を作ったりといった工夫が必要です。
また、日本には子育て支援制度が整っていなかったり、外国人労働者の受け入れに積極的でなかったりと、制度面での問題も少なくありません。さらに、男性と女性では役割が異なるという認識も根強く、心理的にダイバーシティに抵抗がある方もいらっしゃいます。ダイバーシティを進めるには、これらの問題も解決する必要があります。
ダイバーシティをうまく取り入れるための対策
ダイバーシティをうまく取り入れるには、職場環境の整備や社員同士のコミュニケーションの推進、新しい企業の価値観の創造といった対策が必要です。
職場環境の整備
たとえば、育児や介護によりフルタイムで勤務するのが難しい人材を採用する場合、働き方のルールを整備する必要があります。短時間労働ができる様に仕事を割り振ったり、在宅勤務できる体制を整えたりといった準備が必要です。
社員同士のコミュニケーションの推進
異なる文化の方と関わると誤解も発生しやすくなるため、ダイバーシティを進める際は、それまで以上に社員同士のコミュニケーションを推進する必要があります。グローバル企業には、ミーティング用の部屋を多く用意したり、社内食堂を充実させたりして、コミュニケーションの場を提供しているところが多くあります。
新たな企業理念を作る
多様な価値観を持った人物が一緒に働くには、共通の理念が必要です。それぞれが異なる価値観で行動すると、成果を出しづらくなります。ぜひ、社員の行動指針となる様な企業理念を作りましょう。企業の価値観が明確に分かると、違った背景を持つ人物同士でも衝突しづらくなります。
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