オペレーター指導に有効なコーチングとは?

2019.10.08 更新日:2021.09.21コールセンター

コールセンターでは、対応品質の向上を目指してさまざまな研修方法が取り入れられています。コーチングもそのひとつです。こちらでは、コーチングの概要や基本的な心構え、コーチング担当者に求められるスキルについてお話しします

コーチング

オペレーターの質を上げるためのコーチング

「コーチ(Coach)」とは、馬車・客車を意味する英単語です。「人を目的の場所に送り届ける」という役割から派生し、「目標達成を助ける取り組み・人」という意味でも使われるようになっていきました。スポーツの世界では、たくさんのコーチが選手の育成のために活躍しています。

1950年代になると、ビジネスにおいても部下育成マネジメントの取り組みとしてコーチングが普及し始めました。特に、マネジメントのフィールドではコーチングが積極的に取り入れられています。指示や教示、カウンセリングといった部下育成のコミュニケーションのひとつとして、コーチングが取り入れられている現場は少なくありません。

コールセンターもコーチングによる指導が行われている現場の代表例です。コールセンターのコーチングでは、顧客対応の最前線に立つオペレーターが指導の対象になります。多くのオペレーターがコーチングを受け、対応の質を向上させています。

コーチングの本質は、指導対象の自立的な成長を促すことです。コーチングを実施する指導者ではなく、オペレーター自身が主導的に改善策・解決策を考えます。そのため、「どうしたら良いか?」「どう思うか」といった問いかけがコーチングの中心です。

コールセンターでは、オペレーター自身が最適な対応を判断しなければならない場面が少なくありません。それぞれのオペレーターが対応の判断力を培っておく必要があります。そのため、自律的に解決策・改善策を探せるようになるコーチングは極めて重要です。

コーチングで大切なこと

コーチングは指導対象となる人の自立的な成長を期待する指導方法です。基本的な目的は、指導対象の成長を助けること。指導者から一方的に解決策を提示する指導方法とは、大きく異なります。

このスタンスは、コールセンターにおけるオペレーターへのコーチングでも例外ではありません。マネージャーや研修担当には、オペレーターにヒントを与え、成長の後押しをする役割が期待されています。そのため、8割程度はオペレーター自身に考えさせ、話させるのが理想的な割合と考えられています。

コーチングでは「相手との対等な立場を保つ」「相手と一緒に目標を達成する」「相手の成長を根気強く待つ」という3つのスタンスで指導に臨むことが大切です。コーチングを実施する担当者は、これらのスタンスを理解したうえでオペレーターと対話する必要があります。

対等な立場を保つことは、オペレーター自身の積極的な発言を期待するうえで非常に重要です。上下関係を意識させるとオペレーターが受け身になり、コーチングの本質から離れてしまう可能性があります。そのため、リラックスできる雰囲気づくりをしたうえでコーチングを開始するのが一般的です。

また、オペレーターと指導者が一丸となって改善策を探す姿勢も求められます。オペレーターと指導者が「共通の課題に取り組んでいる」という認識を持つことで、改善策が見つかった時の達成感が大きくなります。時にはオペレーターだけではなく、指導者が気づきを得ることも少なくありません。

オペレーターの成長を待つスタンスも大切です。指導者がオペレーターに与えるのはヒントのみであり、答えそのものを提供することは基本的にありません。自律的に解決策を見つけられれば、一方的に教えられた場合以上にその答えがオペレーターの中に定着します。

もちろん、コーチングは万能の指導方法ではありません。オペレーターが消極的なタイプの場合、改善策を急いでいる場合などは知識を伝授するティーチングなどの指導方法が選ばれることもあります。コーチングを含め、指導方法を状況に応じて適宜選択することも重要です。

コーチングで求められる3つのスキル

コーチングでは、指導者側にいくつかのスキルが期待されています。コーチングで求められる、代表的な3つのスキルをご紹介しましょう。

傾聴するスキル

コーチングで主体となるのは、指導を受けるオペレーターです。オペレーターには可能な限り多くの発言が期待されます。そのため、指導者側には相手の話を聞く傾聴スキルが求められます。

オペレーターの話を遮り、指導者が話すことは好ましくありません。指導者はオペレーターの話を十分に引き出した合間に発言します。まずは、オペレーターの考えを話してもらうことが大切です。

単に黙って話を聞いているだけではなく、適切な頻度の相づちや視線を合わせることも求められます。オペレーターに「しっかりと話を聞いてくれている」という安心感を与えることが目的です。安心感を与えるためには、指導員とオペレーターの位置関係や距離を工夫することも重要です。

承認するスキル

コーチングでは、課題に対して見当違いな解決策がオペレーターから話されることもあります。そもそもオペレーターにとって難しい問題に向き合っているのですから、そのこと自体は問題ではありません。重要なのは、指導者がオペレーターの話を一方的に否定しないことです。

解釈や考えを否定されると、オペレーターは話を継続することに委縮してしまいます。また、指導者と指導を受ける側という立場の違いが明確になってしまう点も問題です。否定することで、話がそこで終わってしまうことも少なくありません。

オペレーターが話す内容にかかわらず、ひとつの考えとして承認することが大切ですオペレーターは承認されることで話を続ける勇気を持つことができます。承認したうえで、より良い解決策へと導いていくのがコーチングの本質です

質問するスキル

コーチングでは指導者からオペレーターに対して質問を投げかけることがあります。ここで大切なのが、指導者の疑問を解決する質問ではなく、オペレーターに気づきを与える質問をすることです。否定をせずに改善策へと誘導する方法として質問をすることもあります。

オペレーターが自分の考えを具体的にできるようにすること、考えを深められるようにすることを意識して質問の内容を考えるのがポイントです。また、上述したコーチングの基本スタンスにならい、オペレーターが質問の答えを出せるまでゆっくりと待つ必要があります。

指導の質を高めるためのプロセス

コーチングは、以下の様なプロセスで行われるのが一般的です。

和やかな雰囲気づくり

オペレーターが委縮していると効果的なコーチングは望めません。まずは上下関係にとらわれず発言できるようにするためのアイスブレイクが行われます。

テーマの共有

コーチングのテーマとなる課題を、指導者とオペレーター双方で共有します。

現状の把握

課題に対して現状の達成状況、問題になっている点を洗い出します。

オペレーターの考えを聞く

どの様に課題を解決すれば良いのか、オペレーターの考えをヒアリングします。上述したとおり、オペレーターの考えを承認するのがポイントです。

質問

オペレーターの気づきを促すために、指導者からいくつか質問をします。

目標設定

気づきをもとにして、目標を設定します。具体的な改善策が分かっている場合は、すぐにトレーニングを開始することもあります。

フォローアップ

励ましや感謝を指導者からオペレーターに伝えます。

業務クオリティの向上を目的として、さまざまな現場で行われているコーチング。コールセンターでも有効な研修方法として採用されています。それぞれのオペレーターに対してコーチングを実施するのは工数がかかりますが、顧客満足度の向上を期待するうえでは欠かせない取り組みといえるでしょう。

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