携帯番号「060」が開放!追加の理由や使用開始の時期は?

更新日:2024.11.29スタッフブログ

携帯番号「060」が開放!追加の理由や使用開始の時期は?

携帯電話番号は現在、060の開放について検討が進められています。総務省の見解をふまえるなら、同番号は、近いうちに携帯電話やスマホで利用可能になると考えられます。このような状況のなか、いつ使えるようになるか気になっている人は少なくないでしょう。携帯電話の新規購入を予定している場合、少しタイミングを待てば、060で契約できるかもしれません。そこで今回は、携帯電話番号の基礎知識を解説するとともに、060が使用開始となる時期や新たに追加される理由をご紹介します

携帯電話番号の基礎知識

携帯電話番号の基礎知識

現在、携帯電話の番号は、大きく分けると090・080・070の3種類です。また、060の番号が、新たに追加される見通しとなっています。

電話番号の種類・携帯電話の番号構成

総務省の資料によると、電話番号の種類は、大きく分けて次の6種類です。
・00~:国際電話(電話会社が中継)
・0A0:携帯電話・PHS・ポケットベル・IP電話など
・0AB0:高度な電話サービスなど(電話会社が提供)
・0ABC:固定電話の市外通話
・1から開始:緊急時の連絡や公共関連の番号
・2~9から開始:固定電話の市内通話

※A~Cは、いずれも0以外の数字
携帯電話は、現行の電気通信事業法において、先頭の3桁に0A0の番号が割り当てられています。総務省の説明によれば、先頭の3桁は090・080・070の3つです。また、電話番号全体は、11桁で構成されています。

総務省 電話番号に関するQ&A (参照 2024-11)
総務省 電気通信番号計画の一部変更等について (参照 2024-11)

携帯電話のルーツ・専用番号の変遷

携帯電話の先頭3桁として、最初に選ばれた番号は090です。もともと、携帯電話・スマホのルーツは、自動車電話といわれています。このサービスは1979年に登場し、当初は、030から始まる10桁の番号が利用されていました。その後、1985年には、肩にかけるタイプのショルダーホンも開発されます。

総務省のデータによれば、NTTで携帯電話のサービスが開始された時期は、1987年です。最初は自動車電話と同じ10桁が使われ、携帯電話の利用者が増えるなか、1999年に090から始まる11桁が携帯専用の電話番号となりました。さらに、携帯電話が普及すると090の11桁では足りなくなり、2002年に080・2013年に070も携帯電話の専用番号に追加されています。

総務省 携帯電話の登場・普及とコミュニケーションの変化 (参照 2024-11)
総務省 電気通信番号計画の一部変更等について(参照 2024-11)
KDDI 電話番号の「090・080・070」の違いとは?「010」から「090」までの利用事例も紹介 (参照 2024-11)

0A0の利用状況・今後の見通し

0A0タイプの電話番号は、090~070や050が携帯電話やIP電話の先頭3桁に設定されている状況です。現在、このタイプで全体が11桁構成になる番号は、先頭3桁として010~090が用意されています。そのうち、090~070は携帯電話番号に指定され、050・020・010はIP電話・M2M向け・国際電話用に割り振られています。

一方、060・040・030は、まだ基本的に利用範囲が指定されていません。060の一部はFMCで利用されていますが、今後は、携帯電話で用いる0A0の3桁番号として開放される見通しです。総務省の考えでは、060の開放に伴い、携帯電話の番号容量は一定程度まで増やせると見られています。

KDDI 電話番号の「090・080・070」の違いとは?「010」から「090」までの利用事例も紹介(参照 2024-11)
総務省 電気通信番号計画の一部変更等について(参照 2024-11)

「060」はいつから使える?

「060」はいつから使える?

携帯電話番号で060が使えるようになる時期は、現時点において、2024年12月以降になるとの見方が有力です。

総務省による060の開放予定

総務省の資料をふまえた場合、060の番号は12月中に開放される予定です。同省は、今後のスケジュールについて、060の開放は12月中に公布・一部施行となる見通しを示しています。具体的には、10月3日~11月1日に意見を募り、11月中旬に電気通信番号委員会で検討し、11月末に答申を提示してほしいと述べています。この流れで意見募集・検討作業と答申が進められた場合、総務省は、速やかに官報掲載の準備などを開始する予定です。

また、各手続きが予定通りに終われば、12月中に060の開放は実施できると想定されています。ただし、以上は現時点の計画案であり、060の利用開始は今後の状況によって2025年の1月以降になる可能性もあります。

総務省 電気通信番号計画の一部変更等について(参照 2024-11)

060の開放に伴う番号構成

060の開放に伴う携帯電話番号の基本構成は、従来と変わらない見通しです。これまで、090~070で始まる携帯電話番号は、残り8桁のうち先の3~4桁が総務省により指定されていました。また、先頭3桁の直後は、すべての番号で原則的に0が除かれています。

総務省の資料を見る限り、060が開放された後も、上記の番号構成に関する基本ルールは変更されません。残り8桁の前半3~4桁について、電気通信事業者は総務省の指定を受け、060直後は0以外の数字が続くと記されています。資料の記載内容から、番号構成の規定において、060の開放による大きな変更点はないと考えられます。

総務省 電気通信番号計画の一部変更等について(参照 2024-11)

利用者・事業者の番号使用条件

利用者・事業者の番号使用条件も、大幅には変わらないまま、060の開放が実施される方向です。総務省が公表した資料では、060が使えるようになった後、番号使用条件の規定内容は基本的に「変更なし」となっています。具体例を挙げると、利用者による緊急通報や事業者相互の番号ポータビリティは、一部の例外を除いて可能です。従来と同様、携帯番号をデータ伝送やSMSでのみ用いる場合、利用者が緊急通報できるケースには該当しません。

また、この例外措置は、事業者間の番号ポータビリティにも適用されます。番号使用条件は、例外措置も含めた規定内容が、060の開放後も基本的に継承されると考えてよいでしょう。ただし、規定の一部は見直される予定のため、新ルールの詳細は公布・施行時に改めて確認することをおすすめします。

総務省 電気通信番号計画の一部変更等について(参照 2024-11)

「060」が追加された理由

「060」が追加された理由

060が新しく携帯電話番号に追加される理由は、既存の番号容量が不足し始めていると懸念されるためです。

060の扱いに関する経緯

060は、現在、携帯電話番号として利用する必要が生じていると見られています。2015年当時、総務省の答申において、060は携帯電話番号に利用する状況を見据えて確保しておくのが適当と認識されていました。また、2019年にも、同省の報告書で060の開放を具体的に検討する時期ではないとの見解が示されています。この流れは、2021年の答申でも継続されますが、2024年に変化が見られます。

具体的には、同年10月の諮問書で、携帯電話番号の規定を見直すと明示されました。同規定の見直しに伴い、「060番号を追加する」と記されています。もともと、060は将来に備えて確保されていた番号であり、総務省の見解をふまえれば携帯電話番号に利用する必要が生じていると考えられます。

総務省 電気通信番号計画の一部変更等について(参照 2024-11)

番号容量の現状

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携帯電話の番号容量は、090~070の指定状況を見ると、十分な余裕があるとはいえない現状です。総務省のデータによれば、1999年に090が携帯専用で利用され始めた際、番号容量は9,000万でした。また、2002年に080が追加された後、同容量は18,000万になったと報告されています。いずれの番号も、すべて現在は指定済みです。2013年には、070の追加に伴い、番号容量が25,000万まで増えました。

さらに、翌年は携帯電話・PHS間の番号ポータビリティが開始され、番号容量は27,000万に達したと記されています。ただし、2024年9月末時点で、番号容量の残りは530万番号です。現状、指定可能な番号が枯渇するまでに長い時間はかからないと見られ、総務省は060の速やかな開放が必要と認識しています。

総務省 電気通信番号計画の一部変更等について(参照 2024-11)

060の開放による展望

060の開放による展望としては、指定可能な携帯電話番号の枯渇を回避できるとの見方が有力です。総務省は、これから060を追加した場合、携帯電話の番号容量が36,000万になると推定しています。この数値は、090~070の開放や番号ポータビリティで得られた番号容量を、いずれも上回っています。近いうちに060が使える状況になれば、しばらく番号容量が不足しないか懸念する必要はなくなるでしょう。携帯電話やスマホの利用者が増えても、指定可能番号が枯渇する事態は防ぎやすくなると考えられます。

このように、060の開放は番号容量の増大につながるため総務省の番号指定は円滑になり、利用者は携帯電話・スマホを新規契約しやすくなると期待できます

総務省 電気通信番号計画の一部変更等について(参照 2024-11)

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