AIプロンプトとは

ユーザーが希望する作業をAIに実行してもらうために行う指示のことです。

BardやChatGPTを活用したい！AIプロンプトのコツは？

Q: 適切なAIプロンプトを設定するには

１. 指示・命令の内容は明確に ２. 表現形式などは細かく指定 ３. AIの役割・肩書きを設定

更新日：2023.08.31スタッフブログ

最近は、AI技術の発展もあり、世界的にBardやChatGPTなどのAIチャットが普及しました。ただし、上手に指示・命令を出せず苦労しているとの声は少なくありません。何に留意してAIに対する指示・命令（プロンプト）を設定すればよいか理解すれば、希望通りの結果を得やすくなるでしょう。そこで今回は、AIプロンプトの概要をふまえ、AIが実行できるプロンプトやAIプロンプトを適切に設定するポイントをご紹介します。

1 AIプロンプトの概要
2 AIが実行できるプロンプト
3 適切なAIプロンプトを設定するには
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AIプロンプトの概要

AIプロンプトは、AIに対する指示・命令を指した総称です。具体的には、指示する行為から質問文、命令フォーマットまで含まれます。以下では、プロンプトの意味やAIの分野で求められる役割をご紹介します。

プロンプトの意味

英語のprompt（プロンプト）は、もともと「刺激」「促進」「促すもの」を意味する言葉です。また、「思い出させるもの」「セリフ付け」の意味もあります。たとえば、舞台演劇において、客席から見えないように演者へセリフや動きを教える係をプロンプターと呼びます。AI分野におけるプロンプトは、上記とはまた違った意味で用いられます。

AIプロンプトの役割

AIの分野におけるプロンプトとは、簡単にいうとユーザーが行う指示のことです。ユーザーが希望する作業をAIに実行してもらうために使用されます。ユーザーが指示・命令を出すと、AIは何を実行すればよいか考えます。「〇〇してください」「△△を教えてください」と頼んだ時、希望通りの作業結果や回答を得られれば、プロンプトは適切に役割を果たしたと判断できます。

ただし、ユーザーが提供する指示・命令は、必ずしもAIに正しく理解されるとは限りません。プロンプトの表現によっては、AIの誤解を招いて予想外の作業を実行される可能性があります。そのため、プロンプトが適切に役割を果たすには、AIに対して上手に指示・命令する必要があるといわれています。

プロンプトエンジニアとは

プロンプトエンジニアは、AIに対する指示・命令を最適と考えられる表現で提供する技術者です。簡単な指示を出す場合は、文章を工夫しなくてもAIから希望した結果を得られるケースが多く見られます。一方、クオリティの高い資料や画像は、期待通りに生成させることは難しいと指摘されています。

AIに高度な作業を要求する際、適切な指示・命令を出せる人材が、プロンプトエンジニアと呼ばれる技術者です。作業の難易度を問わず、AIに最適なプロンプトを提供するスキルに優れています。近年は、AIを用いたチャットツールが普及した影響もあり、国内外でプロンプトエンジニアの需要は増しています。

AIが実行できるプロンプト

最近のAIが実行できるプロンプトは、ユーザーとの日常会話から創造的な作業まで多種多様です。以下では、AI搭載のチャットツールが実行に移せる指示・命令を具体的にご紹介します。

日常会話

AIが搭載されたチャットツールは、日々の挨拶や健康相談など多岐にわたる日常会話が実行可能です。高性能のAIチャットは、さまざまな国・地域の言語に対応しています。また、標準的な表現にとどまらず専門用語も理解できます。

幅広いテーマで会話できる点は、優れたAIチャットの大きな特徴です。たとえば、朝夕に「おはようございます」「こんばんは」と伝えれば、自然に挨拶を返してくれます。日常会話は難しい指示を出す必要がなく、AIチャットと楽しくコミュニケーションを取れるケースが珍しくありません。

各種の情報提供

各種の情報提供は、AIチャットがユーザーから提供されることの多いプロンプトの代表例です。近年のAIチャットは、会話で用いる言語知識だけでなく幅広い話題に対応するための多彩な情報も学習しています。最近は、広く知られる知識や事実にとどまらず、専門性の高い情報を学んでいるチャットツールも増えました。

基本的に「〇〇について教えてください」と質問すれば、何らかの形で回答を得られます。たとえば旅行する時は、目的地で訪れたい観光スポットやショッピングでおすすめの商品を教えてもらえます。ただし、AIの回答がすべて適切とは限りません。誤った情報を覚えているケースも見られるため、質問によっては事実確認が不可欠です。提示された情報をそのまま受け取らないように気をつけましょう。

創造的作業

AIチャットが実行できる創造的な作業としては、文章・画像・楽曲などの作成が挙げられます。ユーザーが依頼すれば、AIチャットは詩や小説を書いてくれます。文章のスタイルを細かく注文しても、基本的に断られる心配はありません。また、AIチャットが文法知識に詳しい場合、校正用のツールとしても頼りになります。画像や楽曲については、高く評価する声も聞かれます。

クオリティの高い作品は、プロで通用するほどハイレベルであると評価する人もいます。高品質な作品はネット上でも話題になりやすいため、見たことがある方も多いのではないでしょうか。なお、ユーザーがAIチャットの創造的作業に品質を求める場合、適切なプロンプトを提供するスキルが必要になります。

適切なAIプロンプトを設定するには

AIに対して適切なプロンプトを設定するには、指示・命令の内容を明確に示すことが大切です。また、表現形式なども細かく指定すると希望通りの結果を得やすくなります。以下では、適切なAIプロンプトを設定するポイントについてご紹介します。

指示・命令の内容は明確に

指示・命令の内容は、分かりやすい言葉で明確に設定するとAIから適切な回答を得るのに効果的です。ユーザーが何を求めているか伝わりにくい曖昧なプロンプトは、AIに誤解されるリスクが高まります。専門的な作業を頼む時も、複雑な言葉遣いは避けて簡潔に指示・命令する意識が重要です。

たとえば複数の作業を処理してほしい場合、ひとつのプロンプトで同時に要求すると、望んだ結果が得られないことがあります。AIプロンプトを設定する際は、簡潔な言葉を使いながら、プロンプトごとに1個の作業を頼むと良いでしょう。そうすることで、要求通りに実行してもらえると期待できます。

表現形式などは細かく指定

プロンプトでユーザーが希望する結果を得るには、AIに表現形式を細かく指定することも大事です。AIに質問や指示を出した時、回答方法がひとつに限られる保証はありません。いくつかの回答パターンを選べる場合、ユーザーが一覧表で返事を求めていても、AIは文章で答えるケースが見られます。AIの回答方法に希望がある時は、いずれの表現形式を望むかプロンプトで設定する必要があります。通常の文章以外で指定できる表現形式は、箇条書き・表・マークダウン・CSV・HTMLなどです。指示・命令を伝えた後に表現方法も指定すれば、回答は希望した形式で示してもらえるでしょう。

AIの役割・肩書きを設定

プロンプトでAIの役割・肩書きを設定する方法は、回答内容のクオリティを高めるのに有効です。ユーザーがAIの役割・肩書きに言及した場合、AIは特定分野の専門家として回答してくれる可能性があります。たとえば、役割・肩書きを医療従事者に設定すれば、健康相談した時に専門的なアドバイスを受けられるかもしれません。

具体的なプロンプトとしては、「わたしはプロの〇〇です」「〇〇の専門家です」が挙げられます。これらの言葉でAIの役割・肩書きを設定した場合、質問した時に専門的な回答を得やすいだけでなく、創造的作業の品質を高めることにもつなげられるでしょう。AIに適切な指示・命令を与えられず苦労している場合、以上のポイントに目を向けながらプロンプトを設定するのがよいと考えられます。

※肩書きを書かずにプロンプトを入力した例