接遇と接客の違い。身につけるポイントやメリット

更新日:2023.03.31スタッフブログ

接遇と接客の違い

接遇と接客は、言葉こそ似ていますが意味は大きく異なります。お客様により質の高いサービスを受けてもらうには、接客だけではなく接遇のスキルを身につけるのが大切です。そこで今回は、接遇と接客の違いを踏まえた上で、接遇の身につけ方やそのメリットをご紹介します。

接遇と接客の違い

接遇の「遇」の字には、「人をもてなす」という意味があります。一方、接客には「客と接する」という意味しかなく、もてなすという意味は存在しません。つまり、お客様に対して必要最低限のサービスをするのが「接客」であり、そこにプラスアルファのおもてなしを加えたものが「接遇」ということです。

料理提供の場面を例に考えてみます。完成した料理を冷めないうちにお客様の元へ提供するのは、必要最低限の業務であり接客です。そこに、料理に使われている食材の説明やお客様の目線に立った接客、「ごゆっくりお楽しみください」などの一言が加わると接遇へとランクアップします。

なぜ今接遇が求められるのか

現在、さまざまな業界ではこの接遇によるサービスが求められていて、社内研修も活発に行われています。その理由は、「競合他社との差別化」にあります。

現代では、生活水準が高くなったことで、ある程度満足のいくモノやサービスの供給が行われるようになりました。一方、似たようなサービスを提供する会社が増え、会社ごとの独自の色を出すのが難しくなっています。そのような時代において競合他社と差別化を図るためには、サービスの質を向上させることが求められています。そこで目を付けたのが接遇でした。

接客ではなく接遇によるサービスの提供は、企業が今後を生き抜いていくためのひとつの指針となっています。

接遇が重視される業種

接遇スキルは幅広い業種で活用できますが、特に重視されるのが「医療・福祉」「飲食・販売」「ホテル・観光」などです。これらの業種に従事している方は、接遇スキルを身につけることで、さらに自分を成長させられるはずです。

接遇マナー5原則とは

接客からランクアップするためには、基本的な5つのスキルを身につける必要があります。その5つを総称して「接遇マナー5原則」と呼びます。ここでは、それぞれについて簡単にご説明します。

笑顔

柔らかい表情はお客様に安心感と親近感を与えます。時には、商品やサービスの提供より大切になることもあります。どんな状況やお客様に対しても、変わらない笑顔で接することが接遇への第一歩です。

身だしなみ

清潔感のない身だしなみをした方が働く店舗で、サービスの提供を受けたいと思う方は少ないでしょう。清潔感があり整った身だしなみは、接遇の基本中の基本といえます。

大切なのは、「身だしなみ=おしゃれ」ではないということです。おしゃれは、あくまで自分の気持ちを盛り上げるためにするものですが、身だしなみは相手のことを考えた装いをするものです。その場面やお店の雰囲気・お客様の年齢層などに合わせた身だしなみを考えましょう。色遣いも意識すると、より印象の良い装いになります。

挨拶

初めて会った方といきなり身内の話をする方は少ないのではないでしょうか。人間関係を構築するために、まずは挨拶でコミュニケーションを取るはずです。

これは接遇においても同様です。来店したお客様にいきなり商品やサービスの説明をするのではなく、やさしい笑顔で「いらっしゃいませ」「こんにちは」と挨拶することで、心の距離を近づけることができます。その後に実際の商品やサービスの説明をすることで、お客様が受け入れやすい環境を作る役割もあります。

言葉遣い

言葉遣いは人の印象に大きな影響を与えます。違和感のある言葉遣いは、「この人で大丈夫かな」という不安を抱かせる一方、正しい言葉遣いは、「この人に任せておけば大丈夫だ」という安心感を生み出します。お客様の年齢や性別・地位によってふさわしい言葉遣いは変わります。場面ごとに正しい言葉遣いを追求し続ける必要があるでしょう。

立ち居振る舞い

接客態度、いわゆる立ち居振る舞いも接遇の重要な要素のひとつです。お客様が心地よく過ごせる空間を作り上げるには、お客様との距離感も含めた正しい立ち居振る舞いが必要です。顔や体を正面から向けてお客様と接する、座っているお客様には目線を合わせて説明するなどは、基本的な立ち居振る舞いです。

接遇の身につけ方

接遇は、一朝一夕で身につくものではありません。身につけるためには、相応の努力が必要です。おすすめの方法を3つご紹介します。

書籍から学ぶ

接遇の重要性が説かれるにつれて、接遇関連の書籍も多数販売されるようになりました。書籍は、一度に多くの情報を吸収できるので、まずはひと通り学習したいという方におすすめです。

先輩の接遇を見て学ぶ

接遇は、実際の経験がとても大切です。お客様は人であり、それぞれ感じ方が異なるため、相手や場面によって接し方を変える必要があります。自分より業界に長く携わってきた先輩は、より高い接遇スキルを持っている可能性が高いはずです。先輩の一つひとつの所作を見て学び、分からないところは尋ねて、自分の接遇に活かしましょう。

接遇研修を受ける

企業も接遇の重要性に気付いた現在、マナー講師や企業が主催する接遇研修が数多く行われています。お金のかかる方法ですが、一流講師の接遇スキルを目の前で学ぶことができます。年齢や業界・業種によって異なるプログラムがあるので、自分に最適なものを選んで受講することが可能です。

接遇を身につけるメリット

多種多様な業界が接遇に目を付けているのは、相応のメリットがあるからです。接遇を身につけるメリットを4点ご紹介します。

お客様が質の高いサービスを受けられる

接遇を身につける最大のメリットは、お客様が質の高いサービスを受けられる点にあります。接遇は、お客様を最大限もてなす接客であり、お客様に充実感と安心感を与えます。それにより顧客満足度が高まることで、リピーターの確保や新規顧客の獲得につながるでしょう。最終的には、会社側のメリットとして返ってくるのです。

質の高いサービスを提供できる

従業員が「質の高いサービスを提供できる」と感じられるのも、接遇を身につけるメリットのひとつです。接遇が特に重要視される業種に勤めている方は、「お客様に満足してもらいたい」という気持ちを強く持っているのではないでしょうか。接遇を身につけることで仕事に対するモチベーションが上がり、より高い意識で仕事に臨むという好循環を生み出します。その好循環が、最終的に会社の利益にもつながります。

会社のイメージアップ・ブランド力の獲得につながる

それぞれの販売員が接遇を身につけることは、その背後にある会社自体のイメージアップや、ブランド力の獲得につながります。会社の信頼度が増すことで、幅広いサービスの展開が可能になるでしょう。また、現代は多くの方がスマートフォンやSNSという口コミの拡散ツールを手にしています。ひとりの従業員の接遇が、瞬く間に世界中に広まるという効果も忘れてはいけません。

私生活に活かすことができる

接遇が役立つのは、仕事の場面だけではありません。接遇は、「相手の気持ちを思いやる・尊重するスキル」の最たるものといって良いでしょう。そのスキルは、私生活でも必ず役に立ちます。家族やパートナーのことを考えて常日頃から行動する。これができれば、自分の周りの人間関係はさらに素敵なものになるでしょう。

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