電話対応に欠かせない傾聴力の鍛え方

2020.12.14 更新日:2021.10.25ビジネス豆知識

電話対応において、お客様の話を傾聴することは大切です。しっかり耳を傾けないと、何を求められているか判断を誤る場合があります。適切に回答できず信頼を損ねるのは、好ましくありません。そんな事態を避けるには、傾聴力を鍛える必要があるでしょう。そこで今回は、傾聴の概要について解説するとともに傾聴力の鍛え方やそのメリットをご紹介します。

傾聴力

傾聴とは

傾聴とは、話し相手の言葉にしっかり耳を傾ける会話の聞き方です。ただ相手の声が耳に入ってくるだけの、聞こえている状態とは違います。

傾聴の語源

傾聴は、もともと象形文字から変化した表現でした。「傾」の字は、身をかがめ神に向かって拝む姿を表していると考えられています。「聴」のうち左の耳偏は、ヒトがつま先で立ちながら耳をそばだてる様子を示すといわれる文字です。右側は「14の心」や「10の目を一心にして」など諸説ありますが、いずれも「全身で」の意味合いをもっています。これらが組み合わさって生まれた傾聴は、「身を乗り出し、全身を耳にして聞く」状態を意味します。

「和して唱えず」のエピソード

荘子の話に出てくる「和して唱えず」は、傾聴が何をもたらすか示唆するエピソードです。昔、衛の国に住んでいた哀駘它(あいだいた)は容姿、知識、権力、財産のいずれにも恵まれない男性でした。それでも、男女を問わず魯の国の君主を含めて大勢から慕われます。その大きな理由が、「和して唱えず」の姿勢です。誰の会話でも、和やかに聞いたといわれます。話の内容を批判せず耳を傾けたため、話す側の心の痛みは軽くなりお互いの気持ちは通じ合ったとのことです。哀駘它のエピソードから、傾聴は相手の気持ちを和らげ心を通わせるのに役立つと考えられています。

傾聴の実践例

医療現場で傾聴を実践している好例が、終末医療のひとつに数えられるホスピスです。ホスピスは、いつでも患者さんの心のケアに努めます。寿命の終わりが遠くないことへの苦しみや悲しみを和らげるため、現場で取り入れられている話し方が傾聴です。ホスピスは、患者さんが抱える不安や心の痛みに耳を傾けます。いろいろ話を聞いてもらえた患者さんは、気持ちを整理できて前向きになれるといわれています。

傾聴を実践するための3つのステップ

ホスピスの現場で傾聴を実践するため重要と考えている3つのステップが、「何を聴くのか」「なぜ聴くのか」「どう聴くのか」です。

何を聴くのか

「何を聴くのか」考えると、話を傾聴する目的の理解につながります。ホスピスの場合、この質問の答えは簡単に表現すれば患者さんの苦しみや悲しみです。ただ会話の表面的な内容でなく、言葉に込められた気持ちを聴くことが大切と考えられています。この点は、電話対応でも大きく変わりません。お客様からお問い合わせがあった時、言葉の意味が分かるだけでは不十分です。話の内容を通して、実際には何を知りたいと思っているか考える必要があります。通話内容からお客様の真意を探るとなれば、できるだけ丁寧に話を聞く姿勢が求められます。

なぜ聴くのか

傾聴は、会話を静かに聞くこと自体が目的ではありません。なぜ聴くのか理解しておけば、形式的な傾聴を防げるでしょう。ホスピスで傾聴する目的は、患者さんの心をケアするためです。患者さんがいろいろな思いを打ち明ければ多少は気持ちが楽になると考え、会話に耳を傾けます。電話対応の場合、業務上の主な目的は適切な回答によりお客様に喜ばれることです。この目的意識があれば、しっかり会話を聞いて相手に満足してもらえる回答を用意できるでしょう。

どう聴くのか

「どう聴くのか」、傾聴の方法を考えるのは「何を」と「なぜ」を理解してからのステップです。ホスピスの現場では、相手の話をありのまま受け入れる聞き方が望まれます。会話の内容が間違っていると思えても、正誤の判断や批判的な意見は必要ありません。電話対応する際も、基本的に同様です。お客様の発言が正しいかは気にせず、何を知りたいか理解したうえで適切に回答することが求められています。

傾聴力を鍛える方法

傾聴力を鍛える時、効果のある主な方法は「会話の主導権は相手に与える」、「会話を遮らない」、「タイミングよく相槌を打つ」、「促しの言葉で会話を広げる」、「沈黙を恐れない」の5つです。

会話の主導権は相手に与える

傾聴力を鍛えるなら、会話の主導権は相手に与えましょう。電話対応に限らず相手中心で会話を進めると自分は話を聞く時間が多くなり、それだけ傾聴するチャンスに恵まれます。それぞれが話す比率は、おおよそ相手が7割に対して自分は3割です。

会話を遮らない

相手の話を傾聴する場合、会話を途中で遮ってはいけません。通常、相手の発言内容に誤りが見つかると気になります。ただ相手中心で会話を進めるなら、話を途中で遮るのは望ましくありません。傾聴する時には、言葉を挟まず最後まで話を聞きましょう。

タイミングよく相槌を打つ

会話を傾聴する際、タイミングのよい相槌は大切です。とくに電話対応の場合、お客様の多くは話を聞いてもらえているか不安に感じています。タイミングよく相槌を打つと、相手に安心感を抱いてもらうのに効果的です。

促しの言葉で会話を広げる

相手の言葉の切れ目では、こちらが促しの言葉を入れると会話を広げるのに役立ちます。相手が一通り話し終えた時、ただ相槌を打つと会話は続かなくなる場合があります。促しの言葉で話の内容に興味があることを示せば、相手は言葉を続けやすくなり会話が広がります。

沈黙を気にしない

会話中に沈黙が生じても、とくに気にする必要はありません。静かに話を傾聴している時、相手も沈黙するケースがあります。その際には、慌てて会話を始めなくても大丈夫です。まだ相手に話したいことがあれば、少し待っていると会話は再開します。仕事で電話対応する際には、これらの方法を心がけながらお客様の話を親身になって傾聴することをおすすめします。

傾聴力を高めるメリット

傾聴力を高めるメリットは、「話しやすい雰囲気をつくれる」、「相手の理解を深められる」や「良好な人間関係を築ける」です。

話しやすい雰囲気をつくれる

傾聴力が高まると、話しやすい雰囲気をつくるのに効果的です。誰かと会話する際に耳を傾ける姿勢が身についていると、たいてい「最後まで話を聞いてくれる人」と認識されます。とくに話題を問わず傾聴すれば、どんな用件でも話しやすいと評価を得られるでしょう。電話対応の場合、お客様から何でも話せると思われれば会話をスムーズに進めやすくなります。

相手の理解を深められる

高い傾聴力は、相手の理解を深めるうえで有効です。会話で相手が話しやすくなると、それだけ多くのことを聞かせてもらえるでしょう。いろいろな気持ちや考えが分かれば、相手について理解が深まるのは自然といえます。お客様からお問い合わせがあった時は、相手の理解が深まると何を求められているか真意を把握するのに多くの手間はかかりません。

良好な人間関係を築ける

傾聴力の高さは、良好な人間関係の構築に活かせます。会話で「きちんと話を聞いてくれる」と思われれば、相手に心を開いてもらえることは珍しくありません。お互いの気持ちが通じて信頼感を獲得できると、良好な人間関係の構築につながります。電話対応なら、お客様と良好な人間関係を築ければ新たな商品の注文や業務依頼を期待できます。傾聴力の向上はさまざまなメリットをもたらすと見込まれるため、日頃から鍛えておくとよいでしょう。

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