マンションコミュニティの3つの利点

更新日:2023.04.13スタッフブログ

マンション

都市部をはじめとして、ご近所付き合いに煩わしさを感じ、積極的に近隣住民と関わらない暮らしを好む方も多いといいます。特にマンションはコミュニティ形成が難しい住居形態であるといわれており、マンションに住まう住人もまた深い近隣関係を望まない方が多かったようです。

しかし、2011年の東日本大震災を機に、ご近所付き合いや地域のコミュニティ参加への需要性が見直されはじめています。マンションでも、積極的にマンションコミュニティを形成する動きが見られており注目を集めています。今の時代になぜ近隣住民とのコミュニティが必要とされているのでしょうか。マンションコミュニティを形成することによって考えられる3つの利点についてご紹介します

マンションコミュニティとは?

マンションコミュニティとはその名のとおり、同じマンションに居住する共同体意識を持った人々の集まりや地域社会のことを指します。マンションコミュニティには大きく分けて2種類ありますが、どちらも複数の世帯が住まうマンションでの暮らしを、より快適にするために役立ちます。

ひとつは、自治体や管理組合が主体となった公的なものです。その多くは、普段関わることの少ない住民同士がコミュニケーションを取るための場を提供することを目的としています。マンションの共用スペースなどで季節に合わせたイベントやパーティーを開催したり、防災訓練やセミナーなどを行ったり、暮らしに役立つイベントを通して住民同士のコミュニティを育んでいます。

もうひとつは住民が主体となった自発的なものです。子育て中の方やシニア世代の方などが同じ境遇の方を同じマンション内で募集し、サークルを作ったりイベントを開催したりして交流を深めます。一緒に遊べる相手が同じ建物内にいるということは、マンションならではのメリットといえるでしょう。

マンション住人の意識の変化

マンションには、さまざまな価値観を持った多様な年代の人たちが各地から集まり暮らしています。マンションには昔ながらの付き合いも、人付き合いのしきたりもありませんから、縁あってその場で暮らすことになった住人同士で人間関係を作ることができるのです。

また、マンションの造りは基本的に個人のライフスタイルを尊重するものであるため、干渉されたくない方にとって快適な空間といえます。共用部分の管理や困りごとは管理会社に一任できるため、近隣に誰が住んでいるか分からなくても暮らしになんら支障はないでしょう。さらに、居住地としてマンションを選ぶ人にはコミュニティに属するという意識自体少ないため、マンションはコミュニティ形成が難しい居住形態であるといわれてきました。

しかし、何かあった時に住民同士が支え合い、助け合えるマンションでありたいという声が住民の口からのぼる様になります。相次ぐ災害や加速する高齢化によってマンション全体で助け合う付き合い方を望む人が増えてきているのです。

マンションコミュニティの3つの利点

どの様な理由でマンションコミュニティの希望者が増えているのでしょうか。マンションコミュニティを形成することによって考えられる3つの利点をご紹介します。

防犯効果

住人同士で円滑にコミュニケーションが取れていれば、敷地内の不審者に気付きやすくなると考えられます。犯罪者側からしても、その様な環境に足を踏み入れることはためらわれるでしょう。

また、住民同士顔見知りなら、万が一犯罪に巻き込まれた場合に助け合えるというメリットがあります。両親と子どもの顔を周囲の大人たちがしっかり把握していれば、敷地外でひとり遊んでいるところを見かけたり見知らぬ大人と一緒のところを見かけたりした時にすぐに対応できるでしょう。家族以外にもたくさんの大人の目で子どもを見守ってもらえるということは、子どもを育てる親にとって非常にありがたいものです。

災害共助

東日本大震災が起きた際に、近隣住民で助け合うことの大切さが注目され、近所付き合いの大切さを見直す声が多く上がる様になりました。普段から居住者同士が円滑にコミュニケーションを取り合っていれば、災害時でもスムーズに助け合うことができると考えられます。

また、マンションに備え付けてある防災設備の使用方法や、避難経路を確認するなどの防災避難訓練を定期的に行うことも災害時の対策として有効です。居住者がお互いの顔を認識するきっかけにもなり、防災意識と同時に安心感も高まるでしょう。いざという時に使用方法が分からないということのない様に、心肺蘇生の方法やAEDの使い方など救急トレーニングを取り入れているところもあるようです。

情報や悩みを共有

マンション内のサークルやイベントで自分と同じ境遇の知り合いを作っておけば、気軽に近隣の情報交換や悩みの共有ができる様になります。近隣の学校や公共施設の情報を交換したり、育児の悩みを相談したりできる方が同じマンション内にいるということは、子育て世代には心強いことです。シニア世代にとっても、お互いの部屋を行き来できる様な友人が同じマンション内にいるということは、移動の手間もかからず嬉しいことでしょう。

料理や編み物など趣味のサークルや、スポーツチームを結成しているマンションもある様です。自分の好きなことに打ち込んだり、興味のあるイベントを見つけたら新しいことにチャレンジしてみたりするのもいいでしょう。

マンションコミュニティの注意点

仕事でなかなか時間の都合がつけられない、人と関わるのが苦手などの事情でイベントやサークルに参加できないという方もいるでしょう。主催側は参加しない人を「無関心で非協力的な人」として片付けてしまい、参加しない人の事情は聞いてもらえないまま参加者だけでコミュニティ作りが行われてしまいます。

普段事情があって参加できなかった人がたまたま参加できたとしても、イベントのたびに全住民が自己紹介をすることはないでしょう。お祭りなどのイベントは、つながりがある者同士がさらに親しくなることはできても、初めて参加する人が加わって新しいコミュニティを作る場にはなりにくいのです。

また、多様な価値観があるからこそ、近隣住民と距離を取らざるを得ないという方もいるでしょう。たとえば、「夫婦で話し合って子どもを作らない選択をしているのに子どもについてとやかくいわれる」「同性愛者であることに理解を得られない」など、未だに日本に根深く残る古い考えやジェンダー差別などで傷つく方も少なからずいるのです。

近い距離があだとなり気まずくなってしまったり、親しくなり過ぎたために負担になってしまったりすることもあるかもしれません。暮らしの快適性や安心感を保つためには、お互いが気持ちよく近隣関係を築ける様な適度な距離の取り方が重要といえるでしょう。

いざという時に同じマンションの住民同士で助け合うためには、普段から適度なコミュニティを形成しておくことが大切といえます。たくさんの人が暮らすマンションだからこそ多種多様なコミュニティが生まれ、日々の暮らしに安心と楽しみをもたらしてくれるのです。住民それぞれが自分に合った形でコミュニティに関わり、お互いが心地よく暮らせる距離感での付き合いを目指しましょう。

良好なマンションコミュニティが存在するマンションは資産価値が上がるともいわれています。マンション住まいの方はこれを機に、住民同士が安心して快適に暮らすために、本当に必要なマンションコミュニティとはどんなものかを考えてみてください。

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