時間厳守はなぜ必要?ビジネスマンとしての心得
更新日:2024.05.01ビジネス豆知識時間を守るということは、人と関わるすべての行動に共通する重要事項であるといえます。特にビジネスシーンでは「時間厳守は最低限度のビジネスマナーである」という点は、新入社員であってもほとんどの方が認識しているのではないでしょうか。時間を守ることはビジネスの基本であり、信頼獲得の第一歩であるといわれています。学生の頃から「遅刻厳禁・時間厳守・5分前行動」が当たり前と教育されてきた方も多いのではないでしょうか。ビジネスシーンで時間を守らないとどんな影響が出てしまうのか、遅刻しがちな人が時間を守るためにはどうすべきかを考えてみましょう。
目次
時間厳守が必要な理由
幼少の頃から当たり前のように時間厳守を教え込まれてきたものの、理由についてまでは考えたことがないという方も多いのではないでしょうか。まずは、時間厳守が必要な理由を根本から考えていきましょう。
どうして日本人は時間に厳しいのか
日本人は、他国に比べて時間に厳しいといわれています。日本において、時間を守る方はしっかりしている、頼れる、勤勉であるなど良い印象を持たれやすい傾向があるようです。一方で、遅刻しがちな方に対しては、だらしない、頼りない、不真面目などネガティブな印象を持ってしまう方も多いのではないでしょうか。
日本に1日を24等分した時間制度である「定時法」が取り入れられたのは明治時代です。それまでは分刻みの時間概念などなく、昼夜それぞれを6等分に分ける「不定時法」が使われていました。突然導入された定時法が人々に浸透するのは簡単なことではなく、時間通りに出発する蒸気機関車に戸惑い、乗り遅れる人が後を絶たなかったといいます。
そこで、新しい時間の概念を浸透させるために、学校教育で時間について教え込むようになりました。明治の小学校では、規則正しい生活をして学問に励めば優れた人物になれるという考えのもと、教育が行われていたようです。
資源も面積も少ない島国日本が発展するためには、効率を上げるために時間に厳しくならざるを得ませんでした。急速な経済発展を遂げたのも、時間を惜しまず勤勉に励んだ結果ともいえるでしょう。日本人が時間に厳しいのは、この時代の思想が今も根深く残っているからと考えられます。
ビジネスシーンで時間厳守が重要な理由
少子高齢化によって労働人口が低下し、労働時間も多様化してきた昨今ですが、ビジネスシーンにおいて時間厳守は未だに重要事項のひとつであるといえます。学生の頃は遅刻してしまうと授業を受け損ない、その分学業の面で後れをとってしまうという「自分だけの問題」で済んだでしょう。しかし、社会人になると遅刻することは、周りの人や会社を巻き込んで迷惑をかけてしまうことにつながってしまいます。
ビジネスシーンでの悪評は、自分への評価や会社の経営にも大きな影響を及ぼす可能性が高くなります。時間を守るということは、自分のためにも会社のためにも大切なことなのです。
時間にルーズだとどんな影響がある?
時間にルーズなことは良くないことは分かっていても、つい遅刻をしてしまうという方も少なくありません。ビジネスシーンで時間を守らなかった場合、どういった影響があるかを考えてみましょう。
自分の評価が下がる
学生時代同様、ビジネスシーンにおいても時間を守れない方に対しては、当然良い印象は持たれません。商談の時間に遅れてしまった場合は、その時点で相手に貸しを作ってしまうため、圧倒的に不利な状況から商談を始めなくてはならなくなります。
遅刻には常習性があり、一度遅刻をしてしまうと何度も繰り返してしまう傾向があります。そのたびに自分の評価を下げてしまうことになってしまうため、時間はしっかり守りましょう。
会社の信用問題にかかわる
取引先との商談などに遅刻してしまった場合、取引先は遅刻した本人の評価はもちろん、会社の評価も下げてしまうでしょう。約束の相手が初対面の場合は、第一印象が悪くなってしまうため特に注意が必要です。最悪の場合は相手を怒らせ、取引自体が中止になってしまう可能性もあります。約束をしている以上、時間に遅れるということは相手に対する裏切りであると判断されてしまうこともあるのです。
ビジネスチャンスを逃す
たとえば、上司が新規プロジェクトの担当者を検討していた場合、どんなに能力が高くても遅刻癖のある方を担当者に選ぶでしょうか。「遅刻癖がある者には任せられない」という考えから、いつまでたっても大きな仕事を担当させてもらえない可能性もあります。
また、他社との約束に遅れた場合は、「時間も守れないような会社と取引するのは危険」と判断され、仕事につながらない可能性も考えられます。時間を守らないのは、ビジネスチャンスを逃すことにもつながるでしょう。
時間を守る行動をとるには?
故意に遅刻をする方はいないでしょうが、気持ちを切り替えなければ遅刻癖は直りません。時間に対する意識を入れ替え、社会人として時間厳守に努めましょう。以下では、時間にルーズな方が時間厳守するためにできる対策をいくつかご紹介します。
家中の時計を5~10分早める
時間に余裕を持った行動を習慣づけるための基本的な対策です。常に予定時間の5~10分前に行動を開始する癖をつけることで、時間に遅れない行動がとれるでしょう。
リマインダーやアラームを活用する
起床時のアラームはもちろん、大切な約束の前日や約束の時間前に何度でも思い出せるようにリマインダーやアラームをセットしておくのがおすすめです。何度も注意喚起されることで、約束の時間への意識が高まります。
余裕を持ってスケジュールの調整を行う
重要な約束であればあるほど、スケジュールの余裕が必要になってきます。時間に余裕のないスケジュールを組んでしまうと、何らかのトラブルで遅れが出た場合にすべてのスケジュールに影響が出てしまいます。前後に予定がある場合は、日を改めるか時間の変更を申し出てみましょう。
準備するもののチェックリストを作る
必要なものはチェックリストにまとめて、出勤前や商談に向かう前などに確認すると焦らずに済みます。気持ちにも余裕が生まれ、忘れ物防止にも役立ちます。
遅刻を改善するよう心がける
たとえば、遅刻の理由が寝坊だった場合は前日の夜に早めに寝るようにしたり、翌日の準備を完璧に整えたりしておくことが大切です。当たり前のことですが、意識的に行動しないと同じことを繰り返してしまいかねません。誰にでも遅刻する可能性はありますが、普段から遅刻をしてしまう方と滅多に遅刻をしない方を比べた場合、遅刻をしないほうが信頼度は高くなるものです。業務内容に問題がなくとも、遅刻することによって評価が下がり、ビジネスチャンスを自らの手で逃している方もいらっしゃるでしょう。
約束をするということは、相手もその時間に合わせて準備をしたり、時間の調整をしたりしてくれているということです。遅刻は相手の大切な時間を無駄にしている行為である点をしっかり自覚しなくてはいけません。
時間厳守が社会人としての常識といわれているのは、自分以外にもたくさんの方や組織全体に迷惑がかかってしまうためだと考えられます。どうしても時間厳守できないという方は、遅刻することで自分のキャリアや会社にどんな影響が出てしまうかをしっかり考えてみましょう。まずは意識を入れ替え、遅刻を避けるための対策を講じるのが大切です。
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