特許や商標、実用新案、意匠。これらの違いは?
更新日:2022.05.09スタッフブログ産業上の創意工夫や、文化的な創作には知的財産権が適用されます。知的財産権には、
- 特許
- 実用新案権
- 商標
- 意匠
の4種類があり、それぞれ意味が異なります。適切な権利を取得するためには、弁理士に相談するのがおすすめです。こちらでは、特許や商標といった知的財産権の違いについてご紹介します。
知的財産権の詳細について
それぞれの用語の違い
特許・商標・実用新案・意匠は似たような場面で使われますが、一体どの様な違いがあるのでしょうか?
・特許
特許制度とは、産業の発展に寄与する発明をした者に対して、発明の公開の代償として、一定期間その発明を独占的に実施できる特許権を国が付与する制度のことを指します。
・実用新案権
実用新案権とは、特許をアイデアによってよりよくするものです。企業だけでなく、個人から生み出されるアイデアも保護されます。
・商標
商標とは、店名や商品名、サービス名を第三者に盗用されるのを防ぐための制度です。名称の右下に丸で囲まれたRのマークが付いているものがありますが、これは商標登録がされていることを表しています。
・意匠
意匠とは、新しいデザインを考案した創作者に対し、独占的排他的な権利を一定期間付与する制度のことです。完成品だけでなく、完成品に使用する部品でも登録が可能となっています。また、完成品の一部分に特徴がある場合は、その部分だけ登録することも可能です。
知的財産権制度について
知的財産権とは、特許権の様な産業上の創意工夫や、音楽、小説などの文化的な創作といった、人間のさまざまな知的創造活動によって創り出された無形の経済的価値を対象とした権利の総称です。産業財産権と著作権の大きくふたつに分けられます。
産業財産権には、特許庁が管轄する特許権・実用新案権・意匠権・商標権のほか、種苗法や不正競争防止法で保護された権利も含まれます。別名「工業所有権」とも呼び、工業または産業にかかる製品の生産と消費を円滑に行うために設けられています。
産業財産権は、1883年に制定された「工業所有権の保護に関するパリ条約」によって定められました。このパリ条約に参加する国には、工業所有権を保護する義務があります。
もしも産業財産権がなければ、コピー商品や模倣品が横行する可能性が高くなります。現在の市場では、デザインやロゴマークの模倣が法律で禁止されているため、コピー商品を販売することはできません。しかし、産業所有権がなければ、コピー商品を堂々と市場に出すことが可能になってしまうのです。
また、廉売による市場崩壊の危険性もあります。新製品が開発されるたびに、別の企業が人件費の安い国でコピー商品を大量生産して国内の市場に流せば、正常な市場を脅かしてしまうでしょう。新製品を開発した企業も、開発にかかったコストを回収できなくなるため、大きなダメージを受けてしまいます。市場が正常に機能するためには、産業財産権が不可欠です。
特許関連の相談先は、弁理士?弁護士?
特許関連の相談をしたい場合は、基本的に弁理士に相談することになります。弁理士とは、発明・考案・デザイン(意匠)・商品やサービスの名前・マーク(商標)に関連するさまざまな業務を行う専門家です。特許などを登録するための手続きの代理や、知的財産権に関する審判請求、また審議申し立ての手続き代理を行ってくれます。
弁理士登録書は約1万人で、弁護士の3分の1ほどとなっています。弁護士と弁理士の両方の資格を持っている方も少なくありません。
弁理士に知的財産管理を代理してもらえば、さまざまなメリットが得られます。まず、発明したものがどんな商品か的確に捉えて、適切なかたちで権利を出願してくれます。特許権や実用新案権を取得する際には、権利範囲をよく考えなければなりません。特許を専門とする弁理士の多くは研究開発の経験を持っているため、法律に関する知識だけでなく、技術的な知識も備えています。発明を技術的によく理解した上で判断してくれるため、適切な権利の取得が可能です。
次に、特許庁の審査に適切に対応してくれることがあります。特許権や意匠権を取得する際には、特許庁の審査を受けなければなりません。すでにその発明と同じアイデアが出願されていないか、他人の商標と似ていないか、などについて審査されます。似たものが見つかった場合には、特許庁から拒絶理由通知が送られてきます。弁理士が対応することで、審査に通らなかった時に、拒絶理由通知に対して意見書を提出したり、出願内容を補正したりといったことが可能となるのです。
さらに、法律改正に適切に対応してくれることもメリットです。知的財産に関する法律は頻繁に改正されています。法律改正の動向を把握したり、改正された法律を正しく理解して問題解決に活かしたりすることは、専門家でないとなかなかできません。弁理士は法律改正に関する研修受講の義務があるため、最新の法律を考慮しながら対応してくれます。
知的財産権には大きな価値があり、それを生み出した者の権利は守らなければなりません。知的財産権の管理・運用は、専門家である弁理士に依頼するのがベストです。
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