地方にも必要!弁護士の役割
更新日:2022.10.31スタッフブログ法的なトラブルはどこでも起きることです。しかし、近くに弁護士事務所がないと相談や依頼はできません。2011年の日本弁護士連合会弁護士会員数データによれば、弁護士総数のうち約半数が東京都に集中しているとのことです。それに対し、弁護士過疎化地域では弁護士がひとりもいないところもあるほど、地方の弁護士不足は深刻です。今回は地方における弁護士の重要性について考えてみます。
弁護士も都市に集中
日弁連の過疎化対策
弁護士の過疎化を解決するため、日弁連は1996年5月の定期総会で「弁護士過疎化地域における法律相談体制の確立に関する宣言」を採択。弁護士過疎・偏在問題の解決のために、日弁連ではさまざまな対策を行っています。
- 弁護士過疎化地域の法律相談センターの開設資金・運営資金の援助
- 弁護士過疎地域の公設事務所(ひまわり基金法律事務所)設置と運営の補助
- 偏在解消対策地区で開業する弁護士や開業予定の弁護士を養成する法律事務所への援助
弁護士過疎地域にいても依頼ができる体制の確立、“いつでも・どこでも・だれでも法的サービスが受けられる社会”を実現するための取り組みといえます。
日弁連の活動の成果もあり、2017年はゼロワン地域(弁護士がゼロ・もしくはひとりの地域)が、大分県内の1カ所のみにとどまりました。
地方にも弁護士は必要
東京に住んでいれば、依頼したい弁護士も比較的見つけやすいですが、地方在住ではそうもいきません。各都道府県に地方裁判所は最低ひとつあるものの、弁護士事務所は慢性的な不足事態を抱えています。
しかし、地方の弁護士を増やそうと思っても、そう簡単に増やすことはできません。弁護士自体の数は増えていますが、地方で働くことをあまり好まない傾向があるからです。その具体的な心理としては
- 弁護士事務所が少なく、就業先が見つけづらい
- 弁護士としてのスキルが磨ける案件が少ないイメージがある
- 安定して仕事を得られないかもしれない
- そもそも知らない地方で働くのは嫌だ
などが挙げられます。これらは、弁護士以外の多くの仕事でも見受けられるものです。しかし、地方で活躍し、やりがいを感じている弁護士が沢山いるのも事実です。
離婚や借金問題、交通事故の慰謝料、または労働条件を巡るトラブル……。こうした悩みや法的トラブルを抱えている人は、都市部だけでなく、地方にも存在します。居住地に弁護士事務所がなく、わざわざ東京にまで足を伸ばさなくては法律相談ができなければ、さまざまな面で負担がのしかかります。実際、東京周辺の事件であっても、頼したい内容に専門的に特化した東京の弁護士に依頼されていることが多いのでは、と言われています。また、依頼する側も、お金や時間といった余計な手間をかけられる人は、東京の弁護士を選ぶ傾向にもあるようです。
本来、法的サービスというのは住んでいる地域に関係なく、すべての人が平等に受ける権利を有するもの。地方在住者がその権利を侵害されないためにも、国・自治体・司法機関が一体となってリーガルサービスの環境整備に取り組む姿勢が求められます。
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