若手社員に起こる?クオーターライフ・クライシス

更新日:2023.05.11ビジネス豆知識

若手社員に起こる?クオーターライフ・クライシス

クオーターライフ・クライシスは、20代後半~30代半ばに生じるとされる心理面の危機的状況です。現在、この年齢層は若者から一人前の大人になる過渡期と見られ、自分の人生に不安や焦りを感じやすいといわれています。実際の現象などについて理解を深めておけば、人生の悩みを解決する時に役立つでしょう。そこで今回は、クオーターライフ・クライシスの意味・具体的な心理状態・問題の発生から解決までの5つのフェーズなどをご紹介します

クオーターライフ・クライシスの意味など

クオーターライフ・クライシスの意味など

クオーターライフ・クライシスは、20代の後半頃から経験するといわれる、人生に悩む心理状態です。この考えは21世紀初頭に英国で登場し、欧米を中心に広まりました。以下では、言葉の意味や具体的な心理状態をご紹介します

言葉の意味

クオーターライフ・クライシスとは、「人生の4分の1が過ぎた時期の危機的な状況」を意味する言葉です。もともと「クオーター(quarter)」には、「4分の1」や「4等分する」などの意味があります。また「ライフ(life)」は「人生」、「クライシス(crisis)」は、「危機」や「重大局面」を意味する単語です。

クオーターライフは、言葉通りに解釈すると「人生の4分の1」を指します。ただし、ここで問題になっているクオーターライフ・クライシスは人生を100年と考え、その4分の1になる25歳頃から人生に不安を感じる危機的現象を表現する時に使われています。

具体的な心理状態

クオーターライフ・クライシスは、周りに比べて自分の人生が思わしくないと悩むところが特徴的です。具体的には、周りの同年代が自分より輝いて見える心理状態が挙げられます。たとえば、自分が仕事で結果を出せずにいる場合、同僚が頑張っているなか取り残されているのではないかと不安になるとの声は多く聞かれます。

また、一人前の大人として認められていないと焦るケースも、少なからず見られる事例です。25歳を過ぎると20歳前後の若者から区別され始めますが、一方で大人扱いされず悩んでいる場合もあります。以上の不安や焦燥感をはじめ、クオーターライフ・クライシスは人生において幸福を感じにくくなっている点が大きな特徴に挙げられます。

主な原因

クオーターライフ・クライシスが生じる主な原因は、理想と現実とのギャップや平均寿命の長期化です。理想と現実とのギャップは、社会人として経験を積むなかで直面するケースが目立ちます。就職したばかりの新人は多くの夢や希望を抱いていますが、入社から数年が経過すると仕事の厳しさを実感し、理想とのギャップに悩みやすくなります。

平均寿命の長期化は、20代後半~30代半ばに将来への不安・焦りが生じる大きな原因です。人生100年と考えると定年退職後の余生が長く感じられ、いまのままで老後に安心して生活できるか不安になると悩むケースは増えています。またSNSの普及も、クオーターライフ・クライシスを引き起こしている原因の代表例です。最近は通信手段の進歩により同年代の様子が把握しやすくなり、知人から仕事や結婚の報告を受けて焦りを感じる事態も生じています。

クオーターライフ・クライシスの5つのフェーズ

クオーターライフ・クライシスの5つのフェーズ

専門家の研究によれば、クオーターライフ・クライシスは大きく5つのフェーズに分類されています。以下では、それぞれのフェーズについて具体的な思考状態などをご紹介します

フェーズ1:自分の選択を後悔

クオーターライフ・クライシスのフェーズ1は、これまでの人生における自分の選択を後悔する段階です。仕事や人間関係で思い描いた通りの結果を出せない場合、自分の選択が間違っていたのではないかと悔やみます。専門的には、過去の選択が招いた現状に閉塞感や息苦しさを感じる状態と説明されています。

フェーズ2:現状の打開を検討

フェーズ2は、閉塞的で息苦しく感じる状態を問題視して現状打開の方法を検討する段階です。この段階では「現状のままでよい」と考えず、どうすれば抜け出せるか考えます。自分の選択を後悔するところから次の思考へ移るため、新たなスタートの準備段階といわれています。

フェーズ3:過去と決別・今後を思案

フェーズ3は、仕事や人間関係において過去と決別し今後の生き方について改めて思案する段階です。このフェーズは、現状を打開するため仕事を辞める、あるいは過去の人間関係を終わらせるケースが該当します。また、自分らしい生き方や将来的な人生の方向を見直す段階にもなります

フェーズ4:人生の再選択

フェーズ4は、フェーズ3で思案した今後の生き方の実現に向けて人生を再選択する段階です。この段階は人生を立て直す出発点であり、新たな人生への希望が見え始めると考えられています。結果を焦って求める必要はなく、落ち着いてスタートを切ることが大切と考えられます。

フェーズ5:新たな人生をスタート

クオーターライフ・クライシスのフェーズ5は、新たに自分の人生を歩み始める最終的な段階です。フェーズ1で直面した後悔や悩みは、基本的にフェーズ4までで解決しています。そのため、フェーズ5に到達すれば新たに見出した人生の目標に向けて邁進できるといわれています。

対策時に意識したいポイント

対策時に意識したいポイント

クオーターライフ・クライシスに見舞われた場合、焦らず冷静に対策することが大切です。以下では、問題の解決をスムーズに進めるため、対策時に意識したい大切なポイントをご紹介します

自分らしさを重視

クオーターライフ・クライシスを克服するうえでは、自分らしさを重視する意識が不可欠です。専門的な見解によれば、クオーターライフ・クライシスは一時的な現象と認識されています。自分らしさを見失わずに生活していれば、危機的な状況は自然に解消できるとの意見もあります。これらの考え方をふまえた場合、人生への不安や焦りから抜け出す時に欠かせない要素となるのが「自分らしさ」といえるでしょう。

周りと比較しない

自分を周りと比較しないことも、クオーターライフ・クライシスを解決する方法として重要です。そもそもクオーターライフ・クライシスは、他者・周囲との比較が引き金になると指摘されています。自分を誰かと比べている限り、人生に対する不安・焦りを取り除くことは難しいかもしれません。そのため、自分の生き方を見直す時は、必要以上に周りを意識しないためにSNSなどから離れる工夫も有効と考えられます。

適度に気分転換

クオーターライフ・クライシスは精神的な負担になるため、適度に気分転換することも大切です。趣味や運動による気分転換は、精神的なバランスを保つのに役立ちます。クオーターライフ・クライシスの場合も例外でなく、上手に息抜きすると不安や焦りによるストレスを軽減するのに効果があるといわれています。今後の生き方について考え過ぎないためにも、気分転換で適度に悩みを忘れる方法はおすすめです。

過去に執着しない

自分を取り巻く現状に不安や焦りを感じた時、過去に執着するのは賢明とはいえないでしょう。どれほど過去の選択を後悔しても、現状は変わりません。「あの時にAでなくBを選んでいたら」とばかり悩み続けていると、将来を前向きに考えられなくなる可能性もあります。

人生100年と見れば、4分の1ほどが過ぎても多くの時間が残されています。これから、充実した人生を送ることができる機会は十分にあるでしょう。そのため、過去に執着するより「過去は過去」と割り切るほうが得策と考えられます。クオーターライフ・クライシスは、誰でも適切に対策すれば解決可能といわれている心理現象です。無理に解決を急ぐ必要はなく、自分に合ったペースで対策することをおすすめします。

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