生産年齢人口の減少で起こる問題と対策のポイント

2023.03.08 更新日:2023.03.08ビジネス豆知識

生産年齢人口の減少で起こる問題と対策のポイント

生産年齢人口とは、生産活動に従事することが可能な年齢層の人口を意味します。この人数が減少した場合、労働力不足をはじめ多くの問題が起きると指摘されています。その指摘通り、国内では約30年前から生産年齢人口が減少傾向にあり、様々な業種で労働力不足が深刻です。労働力不足などの問題を解決するには、何かしらの対策に取り組む必要があるでしょう。そこで今回は、生産年齢人口の減少に伴う問題をふまえ、企業で取り組める対策などをご紹介します

生産年齢人口とは

生産年齢人口とは

生産年齢人口とは、生産活動に従事できる年齢層の人口を指す言葉です。日本の場合、15~64歳の年齢層が該当します。以下では、経済学における概念の定義や労働力人口との違いをご紹介します

経済学における概念定義

もともと「生産年齢人口」は、経済学において「労働に従事できる年齢別人口」と定義された概念です。経済学によると、「年齢別人口」は「年少人口」「生産年齢人口」「高齢人口」の3つに区分されています。年少人口と高齢人口は年齢的に労働への従事に適さないと見られる人口であり、生産年齢人口は労働力と期待される年齢層の人口です。

この定義にもとづき、生産年齢人口は国内における労働力の総体を意味するとも認識されています。そのため経済学では、当該年齢の人口の増減が社会・経済情勢を大きく左右する可能性があると考えられています。なお、多くの先進国で生産年齢人口の年齢層は日本と同じく15~64歳、開発途上国では主に15~59歳です。

労働力人口との定義の違い

生産年齢人口と労働力人口との定義の違いは、判断基準が「年齢」か「労働に対する意欲や能力の有無」かの差です。経済学の定義によれば、生産年齢人口は年齢を基準に年少人口および高齢人口から区分されます。世界の多くの国々では、この基準にしたがい15歳以上から60歳前後までが労働に従事可能な年齢層と判断されています。

一方、労働力人口は、労働に対する意欲や能力の有無が判断基準です。一般的に15歳以上であれば上限はなく、60歳以上あるいは65歳以上でも労働意欲や生産能力を有していると労働力人口に含まれます。生産年齢人口は年齢のみが基準になるのに対し、労働力人口は年齢に関係なく労働への意欲や能力を問われる点が大きな違いです。

日本の生産年齢人口の現状

現在、日本の生産年齢人口(15~64歳)は、1995年をピークとして減少傾向にある状況です。内閣府は、2022年発表の「令和4年版高齢社会白書」において、1950年以降の年齢別人口の推移を示しています。この資料を見る限り、生産年齢人口は1995年の8,716万人をピークに上昇傾向から減少傾向へ転じています。

また、総務省が発表した「住民基本台帳にもとづく人口、人口動態および世帯数」によれば、2022年1月時点での国内の生産年齢人口は7,496万人です。この数字から、現在の生産年齢人口は約30年前のピーク時より1,220万人減少した計算になります。先の内閣府の資料では2050年に5,275万人まで減少するとの予測であり、今後も国内は労働力不足の状況が続くと見られています。

生産年齢人口の減少に伴う問題

生産年齢人口の減少に伴う問題

生産年齢人口の減少に伴う大きな問題は、労働力不足の深刻化です。さらに、労働環境の悪化や仕事に対するモチベーションの低下も懸念されています。以下では、生産年齢人口の減少が引き起こす主な問題点をご紹介します

労働力不足の深刻化

労働力不足の深刻化は、生産年齢人口の減少により生じると指摘されている主要な問題です。生産年齢人口の減少は、生産活動の主力となる労働人口の減少を意味します。この年齢層の人口が減った場合、ビジネス界全体で人材確保は難しくなり、労働力不足が深刻化すると考えられています。

実際、現在の日本は少子高齢化の流れが止まりません。15~64歳の人口の減少が続いているため、これまで通りに人材を確保できなくなり、多くの企業で労働力不足が深刻化しています。高齢になった従業員が退職しても若い労働者を補充できず、通常業務に支障が出ているとの声も多く聞かれます。

労働環境の悪化

労働環境の悪化は、生産年齢人口の減少に伴う労働力不足によって企業内で生じるおそれのある問題です。仕事の量が変わらないまま人手が足りなくなると、従業員1人あたりの担当分は増えることになります。各従業員の業務負担が以前より重くなった場合、労働環境は悪化したと見なされるでしょう。

仕事が休みにくくなる点も、労働力不足で起こりがちな問題の典型例です。国内企業では、子どもが生まれた時や体調を崩した時、従業員自身が人手不足を理由に休暇の申請を控えるケースが目立ちます。従業員の担当業務が増える状況は、平日の長時間労働や休日出勤にもつながるため問題視されています。

モチベーションの低下

仕事に対する従業員のモチベーション低下も、生産年齢人口が減少した時に懸念される問題の一つです。生産年齢人口の減少が労働環境の悪化を招いた場合、従業員の労働意欲は減退すると考えられます。経営陣が社内改善に取り組まなければ、「企業に貢献したい」と思う気持ちが失われる可能性も否定できません。

従業員のモチベーション低下は、仕事の生産性や商品・サービスの品質の下落につながります。企業の信頼感やブランドイメージが悪化した場合、市場競争で生き残ることは難しくなるでしょう。現在は経済のグローバル化が進んでいる状況であり、国内企業の国際競争力を強めるためにも従業員のモチベーション低下は放置できないと考えられます。

生産年齢人口の減少に向けた対策

生産年齢人口の減少に向けた対策

生産年齢人口に減少に向けて企業が取り組める対策は、退職した従業員を再雇用する体制や多様な人材を採用する仕組みの整備です。以下では、これらの対策の有効性などをご紹介します

高齢の従業員を再雇用

生産年齢人口の減少に伴う人手不足を解消する場合、退職した従業員を再雇用する体制の整備は効果的です。多くの従業員は、定年や子どもの出産を理由に仕事を辞めています。ただし、定年を迎えた高齢者が労働意欲を失っているとは限りません。また、子どもを出産予定の従業員は、育児しながら職場復帰したいと望んでいるケースが見られます。

これまで勤務してきた従業員は、企業の経営ビジョンや業務スタイルに理解のある貴重な財産です。新規採用と異なり入社後の人材教育は必要なく、即戦力として働いてもらえます。そのため、社内で退職者を再雇用する制度が整備されると、企業にとってプラスに作用すると期待できます。

多様な人材を採用

多様な人材を幅広く採用する仕組みづくりも、人手不足の問題を解決する対策として有効です。近年、顧客ニーズが多様化した影響もあり、多くの企業では従来の業務方法が通用しない面も多々あります。様々な変化に対応する力が求められ、業種や事業内容に関係なく各種のスキルが必要になっているといえます。

多様な人材を採用する仕組みの構築は、それぞれ異なるスキルがある労働者を幅広く確保するのに適した方法です。男性中心の職場に女性従業員が増えるだけでも、新しい商品・サービスを開発する時に女性視点の意見を反映しやすくなるでしょう。

また、海外出身者を雇えば、企業が国外進出する時に語学力を活かしてもらえる可能性もあり、採用枠の拡充は大きなメリットを見込めます。さらに、業務負担の軽減など労働環境の改善は、仕事に対する従業員のモチベーションを高めるのに効果的な対策です。従業員にとって働きやすい環境を整えれば、入社の希望者が増えて多様な人材を確保しやすくなると考えられます。

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