優秀な社員の離職を防ごう!離職兆候を見ぬく方法
更新日:2023.02.01ビジネス豆知識現在、国内は労働力不足が深刻であり、多くの会社で社員は貴重な財産と考えられています。どの業種でも人材確保が難しいなか、大切な社員の離職は会社にとって大きな痛手になるでしょう。社員の離職を防ぐには、その兆候に気づいて対策する必要があります。そこで今回は、社員が離職する理由をふまえ離職時に現れる兆候や離職の防止に役立つ対策をご紹介します。
目次
社員が離職する理由
社員が離職する主な理由は、業務内容や就業環境に不満があるためです。また、今後のキャリアを考えて会社を辞めるケースも知られます。以下では、多くの会社で聞かれる離職の理由についてご紹介します。
業務内容に対する不満
業務内容に対する不満は、社員が離職する理由の代表例です。とくに近年は、新入社員と現場業務とのミスマッチが大きな問題になっています。新入社員は、就職先の仕事を詳しく知らないケースが一般的です。実際に働き始めてから、現場業務がイメージと食い違うことは珍しくありません。そのため、新入社員は自分のイメージと業務内容のミスマッチから離職を考える傾向があります。
ベテラン社員は、簡単な業務しか頼まれないと不満を抱くケースが目立ちます。長く勤めている社員は、豊富な業務経験が活かせる重要な仕事を担当したいと望むことが多いためです。その結果、単純な作業ばかり任されていると離職を考え始めます。また社員によっては、仕事が面白いと感じられず離職を考える場合もあるといわれています。
就業環境に対する不満
就業環境に対する不満も、多くの社員が離職する理由の一つです。近年は、人間関係のトラブルにより離職するケースが目立ちます。昨今、会社で人間関係のトラブルを招いている主な原因はパワハラです。一般社員は社内での立場が弱く、力のある上司からパワハラを受けても周りに相談しにくい状況にあります。そのため、1人で悩みを抱えたまま離職することが少なくありません。
業務量の増加も、社員の離職につながっている原因に挙げられます。最近は国内の労働力不足が深刻化し、多くの会社で社員1人あたりの業務量は増えました。それに伴い社員の負担は重くなり、ストレス増大による離職を招いています。ほかには、「給与条件が悪い」「福利厚生が不十分」「勤務時間が生活スタイルに合わない」なども社員の離職につながる就業環境への不満の一例です。
今後のキャリアを考えて
現在は同じ会社に定年まで勤めることが当たり前ではなくなりました。そのため、今後のキャリアを考えて離職する社員も増えています。ここ数十年、国内企業は経済状況の悪化もあり、従来に比べると人材育成に時間を費やすことが難しくなりました。現在、終身雇用する会社は減少し、即戦力になる人材を重視する傾向が強まっています。
ベテラン社員を中途採用する会社は珍しくなくなり、業務経験の豊かな社員が転職するケースは増えました。幅広いスキルがあるほど転職では有利になりやすく、キャリアアップを考えて離職する社員も増加しています。
離職時に現れる兆候
社員が離職する時の兆候は、本人の言動や身なりに現れます。実際に現れる兆候はどれほど離職の可能性があるかにより異なり、一律ではありません。以下では、社員が離職する可能性の低いほうから順番に具体的な兆候をご紹介します。
兆候1:離職の可能性は低レベル
まだ離職の可能性が低い段階で現れる兆候は、「挨拶しなくなった」や「不平不満が増えた」が代表的です。社員が何らかの理由で離職を考え始めた時は、出退勤の際に挨拶しなくなるケースが目立ちます。また、休憩中や昼食時にも周りと一緒に行動することを避け、1人だけで過ごしがちです。
さらに、会話の内容も変わってきます。同僚や部下と話す時は、仕事や職場環境への不満を訴えることが多くなります。あまり世間話に参加しなくなり、職場ミーティングや会議での発言が減るところも特徴的です。これらの兆候が現れた場合、社員は離職を考え始めている可能性があるといわれています。
兆候2:離職の可能性は中レベル
ある程度まで離職の可能性が高まった段階で現れてくる兆候は、「身だしなみが以前より整っている」や「仕事を休む回数が増える」などです。身だしなみが以前より整っている場合、社員は転職活動を積極的に進めていると考えられます。他社の採用担当者との面談や履歴書用の証明写真の撮影では、髪型や衣類に気を配る必要があるためです。
採用面接で他社を繰り返し訪問している時は、仕事を休む回数が増えてきます。午後や夕方以降に面接を予定していると全休だけでなく早退も多くなり、アフターファイブの飲み会に参加する回数は減ります。これらの兆候が現れ始めた場合、社員は離職に向けて実際に行動し始めていると考えるのが妥当です。
兆候3:離職の可能性は高レベル
離職の可能性が非常に高くなった段階で現れる兆候は、「頻繁に仕事を休む」や「勤務先で身辺整理を始める」などです。他社と転職の話が進めむと、社員は新しい職場で働くための準備に取りかかります。採用担当者と面談する回数は増え、転職先によっては引っ越しも避けられません。さまざまな準備に時間を取られていると、社員は仕事を休みがちになります。
また離職する時は、勤務先の私物の整理や担当中の業務の引継ぎも必要です。会社を辞める時期が近づくと、社員はデスクやロッカーの荷物を片づけ担当業務の引継ぎに使う資料を作成し始めます。そのため社員が仕事を休みがちになり勤務先で身辺整理を始めた場合、ほぼ離職の意思は固まっていると考えられます。
離職を防ぐ対策
社員の離職を防ぐには、日常的にコミュニケーションを取ることが大切です。またヒアリング調査を実施すると、社員の不満や悩みを把握するのに効果があります。以下では、離職の防止に役立つ対策をご紹介します。
日常的なコミュニケーション
上司が部下の社員と日常的にコミュニケーションを取ることは、誰が離職を考えているか確認するのに有効な対策です。日頃から上司が部下と交流を深めると、お互いの距離は近づきます。部下に親近感を抱いてもらえれば、仕事や職場に対して不満や悩みを感じていないか本音を聞きやすくなるでしょう。日々の会話のなかで部下の言動や身なりに注目すれば、上司が離職の兆候に気づける可能性は高まると期待できます。
ヒアリング調査を実施
会社全体でヒアリング調査を実施する方法も、社員の不満や悩みについて現状を把握するのに効果的です。ヒアリング調査は、上司が身近な部下から話を聞くのと異なり社員全員を対象に実施できます。一部の社員に限らず幅広く情報を集められるところは、この方法で得られる大きなメリットです。
ただし多くの社員は、不満を訴えると給与や人事評価が下がらないか不安に感じています。またパワハラの被害者は、加害者からの報復を恐れて会社に悩みを打ち明けないケースが少なくありません。ヒアリング調査で社員の本音を聞き出すには、会社側が給与・人事評価を下げないと確約したうえでパワハラの加害者による報復を防ぐ必要があります。
問題の解決に向けた社内の改善
社員の不満や悩みが判明した後は、問題の解決に向けた社内の改善を進めると離職の防止につながります。部下との会話やヒアリング調査で社員の不満や悩みが把握できても、そのまま放置すると離職を防ぐのは困難です。社員のニーズをふまえ社内の改善を進めれば、離職の可能性がある社員を会社に引き止めやすくなります。日頃から離職につながる兆候のチェックを怠らず社員のニーズに合わせ社内を改善していけば、会社の貴重な財産である社員の離職を防げるでしょう。
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