企業のCSR活動とは?取り組み方や事例について

2020.10.30ビジネス豆知識
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企業のCSR活動とは?取り組み方や事例について

CSRは、一般的に「企業の社会的責任」と和訳されます。多くの場合に環境保護活動やボランティアなどの社会貢献を指しますが、企業によって具体的な課題は異なります。訳語だけ見ると意味を誤解されるとの指摘もあるため、さまざまな実例を知っておいたほうが正しく理解するのに役立つでしょう。そこで今回は、CSRの文字通りの意味や社会的に重視され始めた背景を解説したうえで企業にとってのメリットや具体例をご紹介します。

CSRとは

CSRとは、企業が組織として活動するにあたり地域や人々に対して背負う社会的責任です。

そもそもの言葉の意味

そもそもCSRは「corporate social responsibility」の略であり、団体や組織の社会的な責任を指します。

まずcorporateは、「団体の」や「組織の」を意味する形容詞です。「法人の」というニュアンスもあり、CSRの場合には一般的に「企業の」と訳されます。socialは、「社会の」、「社会的な」や「社交的な」の意味をもつ形容詞です。通常、CSRといえば「社会的な」が当てはまります。responsibilityは、「責任」、「責務」や「負担」を意味します。CSRでも、そのまま「責任」や「責務」の意味合いで用いられます。

ただCSRを文字通り企業の社会的責任と訳した場合、納税や雇用を果たしていれば十分と誤解される恐れもあります。意味を正しく理解するには、現状の把握も不可欠です。

いま求められるCSR

いま企業に求められているCSRには、従業員、消費者や環境への配慮、さらに社会貢献まで幅広い内容が含まれます。

従業員や消費者に配慮した活動とは、法令を遵守した雇用の実施や商品データの適切な表示です。環境への配慮を示した活動や社会貢献としては、自然保護を考えた取り組み、ボランティアや寄付活動が挙げられます。

企業本来の目的は利益追求ですが、CSRの場合にはいずれも利益の有無だけを考えていません。企業が自分たちの果たす責任として諸活動に取り組んでいるところが、CSRの大きな特徴です。

世界各地の企業はそれぞれが担うべき社会的責任や役割を考えながら自分たちの組織にふさわしい課題を見つけ、さまざまなスタイルでCSRの活動を進めています。

CSRが重視される背景

世界的にCSRが重視されている背景には、労働者の不当な使役、商品の偽装表示、環境を考慮しない生産活動などの問題があります。

労働者の不当な使役

CSRの一環として従業員への配慮が求められた大きな要員は、法令を守らない労働者の不当な使役です。

世界の企業では、グローバル化の流れもあり多国籍企業が国外から多くの労働者を雇うケースが増えました。とくに目立ち始めたといわれる労働者は、いわゆる発展途上国の出身者です。国内の事例だけに目を向けても、賃金や労働時間を含めた雇用条件について数々の問題が発生しています。

雇用契約は法令にもとづき結ばれる必要があり、従業員に配慮したCSRは国内外を問わず多くの企業に求められています。

商品の偽装表示

店舗で販売している商品の偽装表示は消費者の信頼に背を向ける行為であり、世界的に厳しく批判されました。

国内でとくに注目を集めた問題は、食品類の偽装表示です。いくつもの企業が少しでも利益を上げるため、生産地や消費期限の表示を偽りました。食品は生産地ごとに品質が異なる場合も多く、表示を信じた消費者の期待を裏切る可能性が低くありません。消費期限の偽装により傷んだ食品を販売すれば、消費者の生命に関わる問題です。

食品類に限らず商品の偽造表示は軽視できるものでなく、消費者に配慮したCSRへの関心は高まっています。

環境に考慮しない生産活動

環境に考慮しない生産活動は、生活環境の汚染や自然生態系の破壊につながります。

世界では、昔から工業の発展に伴う環境汚染が問題視されてきました。国内でも、戦後には工場からの排気や排水による大気・水質汚染が大きな社会問題になっています。最近は、オゾン層の破壊による地球の温暖化も深刻です。

環境問題はどの企業にとっても無関係といえず、世界的な規模でCSRを考える際の重要な課題に位置づけられています。

CSRに取り組むメリット

企業がCSRに取り組む主なメリットは、企業イメージの向上や優秀な人材の確保を見込めるところです。

企業イメージの向上

企業がCSRに取り組む積極的な姿勢を示すと、イメージアップにつながります。

近年は、顧客の価値観やニーズの多様化もあり以前に比べるとヒット商品の開発が難しいといわれる時代です。少し注目を集めると他社から類似品が販売されるケースも多く、人気商品を生み出しても簡単には大きな利益を得られません。

販売市場が厳しい現実にあるなか、CSRへの取り組みは他社との差別化に効果があると考えられています。活動内容が社会的に評価されれば、消費者に対する自社のアピールにつながるためです。

最近は社会全体で環境破壊への問題意識が高く、自然保護を考えた商品開発は注目されやすい状況にあります。利益を優先せず環境に配慮して自然にやさしい商品を販売した時、企業のイメージ向上をもたらすケースは増える傾向です。

優秀な人材の確保

企業がCSRへの取り組みに積極的であるとのイメージが定着すると、優秀な人材を確保しやすくなるともいわれています。

近頃は少子高齢化の影響もあり、多くの職場で人手不足は大きな悩みの種です。とはいえ予算が限られるなか、好条件での人材募集は難しくなります。他社と大差ない雇用条件を提示しても、なかなか優秀な人材には選んでもらえません。

それでも現在は、労働者の不当な使役が厳しく批判される状況です。雇用面で従業員への配慮に積極的と理解されれば、社会的な信頼を得やすくなります。有名企業でなくても、会社の信頼感が高まった時には自然に優秀な人材も集まってくると期待できます。

具体的な事例

世界各地で展開されるCSRの具体例としては、日本、アメリカやヨーロッパのケースが挙げられます。

日本のCSR

日本の大手企業の多くは、環境保護を考えた活動に積極的です。2017年のCSR活動ランキング上位3社を見ても、環境問題を重要な課題に設定している点で共通しています。

1位は、創業時から写真フィルムを製造している企業です。フィルム製造には清浄な水と空気が欠かせず、CSRでも環境保護が前提になっています。2位と3位は、それぞれ自動車と通信分野で有名な企業です。いずれも課題項目に環境への取り組みが含まれ、環境保護への意識は高いと分かります。

アメリカのCSR

アメリカは、古くから「企業は株主のもの」と考える風潮をもつ国です。CSRについても、株主への説明責任の観点から高い関心が向けられています。

とくに1990年代の後半からは企業に対して法令遵守、環境への配慮や地域貢献を求める声が増え、多くの方がCSRの必要性を認識しました。2000年代には多国籍企業で労働者の雇用に関する問題が注目を集め、結果的にCSRでの法整備が進みます。

ヨーロッパのCSR

ヨーロッパは、CSRを「未来への投資」と見なす傾向のある地域です。多くの国では、企業を社会的な存在と位置づけてきました。

企業は組織の存続にとって社会の持続的な発展は不可欠と考えているため、CSRの社会貢献は未来への投資と理解しています。ヨーロッパ各地の人々はとくに環境や労働への関心が強く、企業でもCSRの活動が根づいています。

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