360度評価とは

更新日:2023.03.06ビジネス豆知識

360度評価

近年、多くの企業が360度評価を導入しています。360度評価は、従来の上司が部下を評価するだけでなく、様々な側面の人が評価をします。新しい人事評価制度の360度評価は、適切に運用されていれば、人事評価に留まらない効果的な運用をすることができます。今回は360度評価について紹介します

「360度評価」

360度評価は多面評価とも言われる人事評価制度です。新しい人事評価制度ですが、大切なのは360度評価の目的は人材の育成だということです。上司だけでなく、評価対象者の周りにいる同僚や部下、他部署の社員、社外の関係者などによって多面的に評価されます。

なるべく多くの評価者から評価を受けることで公平な評価に近づけることが目的です。一般的な評価制度では上司が単独で評価対象者を評価します。この場合、上司の先入観や価値観で評価も変化してしまう場合を避けることが難しくなります。また、日常も上司の顔色を気にしながら業務をこなさなければいけません。

その点、360度評価の場合は上司が見えない面での評価が加わります。評価対象者は、上司以外の周りの人からも評価されます。評価対象者としても、納得度の高い評価になりやすく、業務中も常に周りから見られているという意識が働きます。同僚や部下とも良好な関係を築きながら上手く仕事を進める為の方法を学べます。

その結果、業務の質の向上、組織力の向上に繋がります。360度評価は管理職に対しても実施します。そうすることでマネジメントに対して新たな気付きが得られますので管理職育成にも効果的です。複数の人に評価してもらうことで、評価対象者の様々な長所や短所も分かるようになります。

評価対象者の特性を把握することができれば、より実力を発揮しやすい業務を与えたりアドバイスをしたりすることができ、評価対象者の新たな成長に繋がります。評価対象者の成長は企業にとってプラスです。また、近年の人材不足や人員削減により、管理職の多くがプレイイングマネージャーとして業務をこなしていることも360度評価が必要な理由でもあります。

現場と部下の人事評価、両方をしなければいけないとなると管理職には過剰な負担になります。人材の流動性も高まっている現代では、人材育成をすることも一苦労です。人材が育たないと企業は成長することができません。そのような問題も360度評価なら解決することが可能です。

360度評価のメリット

評価の客観性が高くなる

評価対象者を一人の人が評価するとなると、その人の好き嫌いや相性などの感情的な要素が多少は影響してしまうことが考えられます。そういう点で見れば評価する人が複数いる方が評価対象者としても納得度が高くなります。

新たな気付きを得ることができる

たくさんの人から評価してもらうことで、様々な改善点を見出すことも可能です。自分の強みや弱みを多面的に把握して自己理解に繋げることができます。自己評価と多面評価の違いに着目すれば、意識改革や行動改革に繋げることができます。管理職層では、同僚や部下からの評価を得ることが現在の課題の認識に繋がります。自分では気が付いていなかった課題が分かれば、それに対して対応することができます。

コミュニケーションの活性化になる

同僚や部下とは上手くコミュニケーションが取れたとしても、上司とはなかなか上手くコミュニケーションが取れないということを耳にします。社内コミュニケーションが上手く取れていない職場は雰囲気が悪くなりがちです。その結果、生産性の低下を招いてしまっては問題です。360度評価を上手く利用すればコミュニケーション活性化に役立てることができます。360度評価では面談の機会を設けてフィードバックを行うことにより上司と部下のコミュニケーション活性化ツールとしても有効です。

360度評価のデメリット

主観的な判断になってしまう場合がある

評価に慣れていない人が主観で評価をしてしまう場合があります。そうなると評価対象者にとっては、不要な評価になってしまうことが多く360度評価の客観性の高い評価ができなくなります。事前に評価のポイントや意味、目的を明確にしておく必要があります。

適切な評価がなされない場合がある

談合や過度な気遣いに注意が必要です。評価者と評価対象者の関係によっては、相手への低い評価を遠慮する場合、過度に高く評価してしまう場合があります。また、社員同士で示し合わせて評価するような場合もあります。360度評価の目的は育成です。360度評価を効果的なツールとして使用する為にも、業績評価と一緒にしてしまわないことが大切です。

継続的に実施されない場合がある

360度評価は1度だけ、数回だけ実施すれば良いというものではありません。360度評価は育成を目的としていますので、実施後のフィードバックを行い、行動改善、そして再評価するというサイクルが大切です。人材の育成や組織活性化のためにも、効果を感じられるようになるまで続けることが必要です。

360度評価について紹介しました。全員が360度評価の目的をしっかりと把握すること。効果が出るまで継続して続けることが重要です。実施目的と評価の基準を明確にすることで、客観性も信頼度も高い360度評価をすることが可能です。この機会に導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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