ウーマノミクスとは
更新日:2023.03.09ビジネス豆知識女性の活躍を推進する取り組みがウーマノミクスです。ウーマノミクスの推進は経済の活性化や働き手の不足解消にもつながります。少子高齢化に伴う働き手の不足により女性の活躍が重要になってきているのは間違いありません。今回はウーマノミクスについて紹介します。
目次
「ウーマノミクス」
ウーマノミクスは、英語の「woman」(女性)と「economics」(経済)を組み合わせて作られた造語です。ゴールドマンサックス証券株式会社のキャシー松井氏が1999年に出したレポートの中で初めて使用されました。日本語訳では女性経済と訳されることも多いです。ウーマノミクスは女性が働きやすい社会になれば、日本経済全体が活性化するという考え方です。
女性が働き手として社会進出し収入を得ることができれば、各家庭の収入も上がり消費も増えることが予想されます。また、女性が活躍することにより今までにないサービスや商品の開発が進むことも期待されます。それ以外にも少子高齢化に伴う労働力の不足も女性が社会進出することで補うこともできます。ただ、女性が働きやすい社会にするためには、まだまだたくさんの課題が残っています。
企業側も働きやすい環境を整備することが必要です。ウーマノミクスについての定義づけなどはされていませんが、ウーマノミクスが組織にもたらす影響は大きいです。日本政府も安倍首相を中心にウーマノミクス推進の方針を打ち出しています。
安倍首相は「アベノミクス」の成長戦略の働き方改革において、以下の4つを新成長戦略目標として閣議決定しています。
2020年までに就学前・就学期の存在需要も含めた待機児童問題を解消する。
2020年までに25歳から44歳までの女性就業率を73%まで引き上げる。
2020年までに第1子出産前後の女性の継続就業率を55%まで引き上げる。
2020年までに男性の育児休業取得率を13%まで引き上げる。
また、成長戦略スピーチでは女性活躍支援についての目標も2つ掲げられました。2020年までに社会のあらゆる分野で指導的地位に女性が占める割合を30%以上とする。2017年までに40万人分の保育の受け皿を確保して待機児童ゼロを目指す。
2016年4月1日から「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)」が施行されました。女性活躍推進法では、女性が活躍推進の為の数値目標を含む行動計画の策定と公表、女性の職業選択に役立つ情報の公表が、国や地方公共団体、民間企業等の事業主に対して義務付けられました。
女性が活躍できる社会を実現するための推進法とウーマノミクスの推進により女性の就業率が上がると様々な経済効果があります。労働人口の増加により、GDP(国内総生産)の上昇が期待できます。ウーマノミクスは男女平等だけでなく、社会的、経済的効果が見込めるのです。
ウーマノミクスが企業にもたらすメリット
人材不足の解消と共に優秀な人材の確保ができる
女性求職者の採用をすることで女性が活躍できる職場になれば、人材の不足を感じることはなくなります。人事評価に男女の区別をなくすことにより、今まで埋もれていた優秀な人材に出会える可能性も高くなります。そして、女性が働きやすい職場となれば企業としてのイメージアップにも繋がります。
新しいサービスや商品の開発が見込める
女性が活躍できる職場になれば、女性ならではの視点で現在のサービスや商品について考えることが可能になります。結果的に課題が新たな需要を発見することができます。
生産性の向上や業務の効率化が見込める
育児などによって退職してしまう女性を減らすことが企業にとってのメリットに繋がります。働き続けてくれる人材がいることは病気やケガなどの急なトラブルなどにも対応できます。新しい人材を採用、育成するコストの削減もできます。また、様々な人材が働ける環境作りをすることによって、業務の効率化を実現することも可能です。しいては生産性の向上に繋がります。
ウーマノミクスの課題
育児
約5割の女性が出産を機に退職しています。仕事と育児の両立が難しいからと退職する女性もいますが、日本はまだまだ退職をせずに就業を継続できる環境にないと言えます。就業を希望する女性がいても受け入れる企業の環境が整っていないのが現状です。女性が活躍できていないということこそが経済的損失につながっています。女性が活躍できるようになれば日本もまだまだ伸びていくことができるのです。
介護
働きながら介護をしている人が多くいます。介護が大変だからという理由で退職してしまう人もいます。そのほとんどが女性です。ここでも女性が活躍できる場が失われています。また、介護が落ち着いたから復職したいと思ってもなかなかできないのが現状です。収入も退職前とは下がることの方が多いようです。
今回はウーマノミクスについて紹介しました。女性が活躍することによって経済の活性化につながります。ウーマノミクスにはメリットもたくさんあります。ただ、ウーマノミクスには解決しにくい課題もあります。企業によって対策を立てる必要がありますがウーマノミクス推進はメリットの方が大きいでしょう。
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