出張時にスーツケースを持ち運ぶマナー
更新日:2023.03.15ビジネス豆知識「出張時にはスーツケース」というスタイルは、ビジネスパーソンに定着しつつあるといえるでしょう。重い荷物を運ぶ際に便利なスーツケースですが、スーツケースをめぐるトラブルが国内外で相次いでいます。駅や空港、電車内など、主に人が多く行き交う場所で起こることが多いことも、事態の深刻化を招いているようです。今回は、スーツケースが原因で起こっている事故やトラブルを確認し、出張時に注意したいスーツケース携行時のマナーについてご紹介します。
目次
駅や空港で多いスーツケースの事故やトラブル
駅や空港など、人が多い場所ではどうしてもスーツケースによる事故が多くなってしまいます。ここでは、スーツケースが原因となって起こるトラブルの代表的な例をご紹介します。
エスカレーターでのスーツケース転落
駅や空港では、スーツケースを引いた方がそのままエスカレーターに乗り込む光景をよく目にします。その際、手が滑ってしまったり車輪が段差を転がってしまったりして、スーツケースが滑落してしまうと、大きな事故につながる恐れがあります。エスカレーターにスーツケースを乗せる場合は、できるだけ自分の体で転落を阻止できるような形をとり、絶対に手を離さないようにしましょう。
通行人に接触
2輪キャスターのタイプは構造上、体の真横で引くことが難しくなっています。そのため、どうしても後ろ手に持って引きずって歩くことしかできません。スーツケースの大きさによってはかなりの幅を取ってしまううえに後方の確認もおろそかになります。そのため、ほかの通行者の足を踏んでしまったりぶつかってしまったりする事故が多いようです。
スーツケース故障による事故
スーツケースを持って階段やエスカレーターを利用している際、何らかの形でスーツケースが壊れてしまい事故になるケースもあるようです。キャリーバー(取っ手)が取れたり、鍵が壊れたりした場合、スーツケース本体や中の荷物が階段下に勢いよく転がってしまいます。けがや転落事故につながる可能性がありますから注意しましょう。
スーツケースを持ち運ぶ時のポイントは?
スーツケースを引いて歩いている時は、前後に150~200㎝の長さを取ってしまうことになります。さらに混雑する場所では人混みに気を取られてしまうため、足元のスーツケースに気づかないこともあるようです。ここからは、スーツケースによる事故やトラブルを避けるための持ち運び方についてご説明します。
体に寄せて運ぶ
日本では周りの方への影響を最小限にするために、スーツケースは体に寄せて運ぶことを推奨しています。4輪キャスターのスーツケースであれば、体に寄せて直立させた状態で運ぶのも簡単です。しかし、4輪キャスターのスーツケースを使っている方でも、急いでいる時や荷物が重い場合は2輪キャスター同様引きずって歩く傾向にあります。余裕を持った行動を心がけ、できるだけ体に引き寄せて持ち運ぶようにしましょう。
急に立ち止まらない
後方を歩いている方の視界にスーツケースが入っていない場合など、目の前で急に立ち止まられると足を取られて転倒してしまうことがあります。間隔を空けて歩いていたつもりでも、スーツケースと後方の方との距離が意外と近い場合もあります。立ち止まる際には、周りと後方をしっかり確認してから止まるようにしましょう。同様に急な方向転換も危険です。
キャリーバーを伸ばし過ぎない
スーツケースのキャリーバーは、何段階かに分けて伸ばしたり縮めたりすることができます。もっとも長く伸ばした状態で引きずってしまうと、それだけ前後にスペースを取ってしまうことになります。キャリーバーは一番短い状態で持ち、最小限のスペースで持ち運ぶようにしましょう。スーツケースを引いて歩く際は、自分が思っている以上に長さを取って歩いている点を意識し、状況に合わせた周りへの配慮が必要といえます。
新幹線や飛行機はどの席が良い?
電車や新幹線では、スーツケースの置き場に悩んでしまう方も少なくないでしょう。荷物棚に上げようとしても、頭の上の高さまでスーツケースを持ち上げるのは困難です。大きさによっては載せられない場合もあります。新幹線の種類によっては、デッキ部分に大きな荷物専用の置き場が設けてあります。
こういった荷物置き場があるときは、ぜひ利用しましょう。ただし、座席からは目の届かない場所になってしまうため、盗難が心配な場合は鍵付きのチェーンを付けるなどの防犯対策をおすすめします。荷物置き場のスペースには限りがあるため、利用できない可能性もあることは考慮しておきましょう。
やむを得ず足元に置いておく場合は、停発車時の揺れなどでキャスターが転がってしまうためしっかり押さえておかなくてはいけません。通路側の席だと、窓側の方が席を立つたびに荷物を一旦通路側に出さなくてはいけないため、気が休まらない可能性があります。
どうしても足元に置かなくてはいけない場合は、最後部座席がおすすめです。最後部座席の後ろには、ちょうど大きめのスーツケースが置けるようなスペースがあります。ただし、このスペースは、最後部座席のリクライニングスペースでもあるため、誰かが座っている場合は荷物を置かせて欲しい旨を伝えてから置くようにしましょう。
飛行機は基本的に機内持ち込みの手荷物の数やサイズが定められています。重くて荷物棚に上げられない場合でも足元のスペースに簡単に収納できるでしょう。ただし、座席のクラスによっては、通路側に座っている方に席を立ってもらわないと、窓側の席へ行けない場合があります。遅れて乗り込む場合を考慮して通路側の席を予約しておくか、なるべく早めに搭乗するようにしましょう。
宅配サービスの利用も考えよう
大きな荷物はトラブルの原因にもなるうえ、通勤ラッシュ時のように電車の乗客が増える時間帯は、特に邪魔者扱いされてしまう可能性もあります。飛行機での出張の場合は、航空会社や宅配業者が行っている宅配サービスを利用するのがおすすめです。
出発の前日までに予約をして集荷してもらえば、当日出発ロビーのカウンターで引き渡しが可能になります。大きな荷物を持ち歩く必要がなくなるため、自宅から空港までの移動が格段に楽になるでしょう。
国内出張の場合は、宿泊先のホテルにスーツケースを送ることも可能です。念のため、宿泊先のホテルにはあらかじめ荷物を送る旨を連絡しておくと良いでしょう。荷物をまとめたら通常の荷物を送る時のように、集荷を依頼するかコンビニや運送会社に直接持ち込みます。配送トラブルを考慮して宿泊の前日に届くように指定し、到着が遅れて困るようなものは入れないように注意しましょう。
また、送り状を書く際は送り先に「ホテルの住所・ホテル名・宿泊フロント・気付・宿泊予定日・自分の名前宛」と記入することでホテルの方にも伝わりやすくなります。「気付(きづけ)」とは、その場に所属していない人という意味を持つため、記入しておけばホテルの関係者宛てではないことが伝わります。
ビジネスマンにとってスーツケースは出張の移動時の強い味方です。その反面、他人をけがさせてしまったりトラブルの引き金になってしまったりする可能性も高いため、十分な配慮が必要です。どうしても人の多い時間帯にスーツケースを持って移動しなくてはいけない場合は、宅配サービスを利用するのもおすすめです。スーツケースを持って移動する際は周りへの配慮を忘れず、事故やトラブルにならないような行動を心がけましょう。
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