丁寧すぎる電話応対はむしろ失礼?

2020.01.23ビジネス豆知識
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仕事の場では、電話応対をきちんと行うために丁寧な言葉遣いを心がけるのは大切です。ただし、行き過ぎた敬語や対応の仕方は相手に不快感を与えることがあります。場合によっては、丁寧に表現したつもりが失礼になるケースもあるため注意が必要です。今回は丁寧すぎる対応の問題点をはじめ、やってしまいがちな間違い例や正しい対応方法をご紹介します。

丁寧すぎる電話応対をうける女性

 

丁寧な対応の問題点

ビジネスシーンにおいて、丁寧な電話対応は基本的なビジネスマナーに含まれます。ただ、丁寧さを過剰に意識すると、相手に悪い印象を与えてしまうかもしれません。

 

丁寧すぎる対応とは

丁寧すぎる対応とは、他人行儀な表現や遠回しな言い方を指します。マナーに反しないか気にするあまり、よそよそしい感じになりがちです。

まだビジネスマナーに慣れていない場合、電話対応での表現は他人行儀になる傾向があります。自分の言葉遣いに自信がないと、マニュアルにしたがった正しい話し方で回答しようとするためです。型通りの表現であれば失礼になる心配はありませんが、単にマニュアルを読んでいるだけの状態と大して変わりません。言葉に気持ちを込められず、通話している相手との距離感は増してしまいます。

ビジネス電話に不慣れである場合、必要以上に丁寧な言葉を使ってしまうこともあります。通話中、相手に不快感を与えたくないとの思いから、つい会話の前後にクッション言葉を加えてしまうのです。クッション言葉には表現を和らげる効果があるものの、たいてい本題には関係ありません。電話の用件とは無関係な言葉が増えると表現は回りくどくなり、話の意図がぼやけてしまいます。

 

どんなデメリットがあるか

どれほど正しく丁寧な言葉遣いでも、電話の相手から他人行儀あるいは回りくどいと思われたらビジネスチャンスの喪失につながります。

きっちり型にはまったマニュアル通りの表現は、他人行儀な堅苦しい印象を与えることがあります。事務的、もしくは機械的に感じられる場合が多く、親しみにくさを与えるかもしれません。お客様や取引先からのお問い合わせには不向きといえます。良好な関係性をつくれないのは、仕事上の電話対応として望ましいとはいえないでしょう。

表現が回りくどいと、何を伝えたいのか曖昧になります。本来、お客様の質問に対する対応では求められた情報を正しく伝えることが大切です。余計なクッション言葉ばかり並べた回答は、相手に満足してもらえないでしょう。取引先からの急ぎの電話であれば、時間の無駄と思われるおそれもあります。無闇にクッション言葉を添えることで会話が長引くと、忙しい相手の感情を害してしまい、仕事に差し支えるかもしれません。

丁寧な電話対応も、過剰になると時間の浪費につながり相手に迷惑をかける可能性があります。ビジネスチャンスを失わないため、丁寧表現は適度に使うことを心がけましょう。

 

 

よく見られる間違い例

ビジネスシーンでよく指摘されるのは、敬語の重複です。丁寧表現と理解していた言い回しが、実は間違っているケースも数多く見られます。

 

注意したい二重敬語

電話対応でとくに注意したい二重敬語は、尊敬語に「れる」「られる」をつけ足したパターンです。

代表例としては、「おっしゃられる」「お越しになられる」「お召し上がりになられる」が挙げられます。それぞれ、「おっしゃる」「お越しになる」「お召し上がりになる」だけで「いう」「来る」「食べる」の尊敬の意味をもつ言葉です。

これらの言葉は、単独で使っても相手を敬う気持ちが十分に伝わります。わざわざ末尾にまで、敬意を示す助動詞の「られる」を追加する必要はありません。人によっては二重敬語に違和感を覚えることもあるため気をつけたいところです。

 

間違いやすい丁寧表現

間違いやすい丁寧表現には、「とんでもございません」や「こちらから折り返します」があります。

「とんでもございません」は「とんでもない」を変化させた表現ですが、もともと「とんでもない」でひとつの言葉です。「ない」の部分だけ切り離し、「ございません」に変えるのは不自然と考えられています。丁寧に表現するなら、「とんでもないです」や「とんでもないことでございます」が正しい使い方です。

「こちらから折り返す」の場合、「折り返す」といえば「こちらから電話をかけ直す」ことを意味します。この言い回しでは「こちらから」が重複するため、誤りと見なされます。「こちらから」は使わず、「折り返しご連絡いたします」と表現すれば問題ありません。

 

謙譲語の使い方にも要注意

謙譲語も間違って使っていることが多く、要注意です。なかでも、「頂戴する」や「申す」は誤った使い方が目立ちます。

「頂戴する」は、何かをもらう側を低めることで与える側を高める言葉です。取引先から電話があった際、「今日、○○は休暇を頂戴しております」と答えるのは間違っています。従業員に休暇を与えるのは会社であり、取引先でなく自分の会社に敬意を払うことになるので正しくありません。この場合、「○○は休暇をとっております」で十分です。

「申す」は「いう」の謙譲語ですが、丁寧語と誤解されている場合があります。お客様から電話で質問され、「△△様が~と申しております」と表現する事例が少なからず知られています。これでは大切なお客様の立場を低めてしまい、尊敬の気持ちを示せません。「申す」は自分の発言に使うのがふさわしく、お客様には「おっしゃる」が適切です。

 

 

過度な丁寧表現を避けるには

過度な丁寧表現を避けるには、正しい敬語を習得するとともに丁寧かどうか意識しすぎない姿勢が必要になります。

 

正しい敬語を習得するには

正しい敬語を習得するうえでは、まず尊敬語、謙譲語、丁寧語の意味をきちんと覚えることが不可欠です。言葉の意味がよく分からないまま使うと、不必要に敬語を追加する、あるいは同じ意味の言葉を何度も繰り返すといった事態が起こります。個々の言葉にどんな働きがあるか理解していれば、表現を無駄に長くしないで済むでしょう。

3種類の敬語のうちでも、謙譲語は残り2つに比べると厄介かもしれません。自分を低める言葉であり、お客様や取引先の行為に対して用いると失礼になるためです。慣れていないと自分の行為に使っているかどうか考えながら話すことになり、手間がかかります。頭を悩ませながら対応していると、会話の流れはスムーズでなくなります。尊敬語と丁寧語も重要ですが、謙譲語は早めに習得しておいたほうがよいでしょう。

とはいえ、謙譲語だけ見ても言葉の数は少なくありません。すべて把握するのは、長い時間を要するでしょう。作業効率を考えた場合、まずはビジネスに欠かせない代表的な表現から把握することをおすすめします。

 

意識しすぎない姿勢も必要

丁寧すぎる電話対応を防ぐには、礼儀正しい表現になっているか意識しすぎない姿勢も必要です。

改まった表現は、相手に親近感を与えるのが簡単ではありません。たいてい、くだけた表現に比べれば堅苦しく感じられるものです。時として、お互いの間に壁をつくってしまいます。仕事の電話では友達感覚で話すわけにいきませんが、多少は肩の力を抜いたほうが自然に会話を進められます。お客様や取引先との距離感が縮まれば、仕事にも好影響を及ぼせるでしょう。

表現の丁寧さにばかり気を取られていると、会話の主旨も見失いがちです。自分の言葉遣いに意識を集中するあまり、電話の用件を聞き漏らしては意味がありません。新商品やサービスに関する質問であれば、分かりやすい説明が求められます。敬語の使い方に誤りがあっても、平易な言葉を使って簡潔に話せばお客様は喜んでくれるでしょう。

 

電話対応では、丁寧に表現できるかどうかは必ずしも最優先ではありません。ビジネスマナーをふまえつつどんな用件で電話をかけてきたのか理解し、的確に受け答えることが何より大切と考えられます。

 

参考:

https://www.humantrust.co.jp/bizskills/employee92/

https://precious.jp/articles/-/4553

https://www.biteki.com/life-style/feature/232282

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