マルチタスクとシングルタスクはどちらが効率的?

更新日:2023.03.30ビジネス豆知識

タスク表

仕事や作業をするうえで、効率を重視する方は少なくありません。効率よく作業をこなせれば、数多くのタスクを処理でき、自身の評価も高まるためです。そこでポイントとなるのが「マルチタスク」と「シングルタスク」はどちらが効率的なのかという点ではないでしょうか。今回は、両者のメリットやデメリットを比較し、自身に適した方法はどちらなのか確認します

マルチタスクとシングルタスクについて

自身に課された仕事や課題を「タスク」と呼びます。学生であれば宿題もタスクのひとつであり、社会人は日々の業務がタスクとしてのしかかってきます。
ひとつのタスクに集中して作業するのをシングルタスク、複数のタスクを同時並行して処理するのがマルチタスクです。作業の効率を重視する考え方のもと、どちらの方法が適切なのかについて常に議論があります。

ほとんどの方がマルチタスクをしていない?

一見、マルチタスクのほうが複数の作業を同時に処理できるため効率的に見えます。しかし、ほとんどの方が実はマルチタスクをしていない、といわれることも少なくありません。
実際のマルチタスクの場面を考えてみましょう。電話を受けながらメモを取る、これは典型的なマルチタスクです。電話の内容に耳を傾けながら手を動かしているためです。この様な簡単な作業であれば、マルチタスクも無理なく行えます。

次に、AとBの仕事を同時にこなす場面を考えます。AとBを同時に処理するのではなく、Aの途中でBをするケースがほとんどではないでしょうか。これは、タスク・スイッチングと呼ばれ、厳密にマルチタスクと呼ぶかについては議論があります。
同時並行的に処理するのではなく、一つひとつのタスクを切り替えながら処理するため、効率もシングルタスクと比べて下がるのではと問題視されています。

マルチタスクのメリット

仕事の効率を求める方のなかには、シングルタスク派とマルチタスク派がいます。それは両者にメリットとデメリットがあるためです。まずは、マルチタスクのメリットについてご紹介します。

飽きずに仕事を進められる

同じ作業が続く場合や、単調な仕事を続けなければならない時、どうしても飽きてしまい作業の効率が落ちるケースも珍しくありません。気分転換に別の作業に着手することで、飽きることなく仕事を処理できます。メールや書類の整理、コピーを取るなど、会社員の方にありがちな単調な業務の際に活用できるでしょう。

小さな達成感を多く味わえる

達成感を味わえるかどうかは、仕事に対するモチベーションに大きく影響します。マルチタスクによって作業を細分化すると、一つひとつのタスクに対するハードルが下がり、小さな達成感を多く味わえます。
達成感が次の仕事に対する意欲へと変わり、精力的に業務に取り組める様になるでしょう。今の仕事に達成感を覚えられない方は、マルチタスクに挑戦してみもよいかもしれません。

複数の作業に関するスケジュールを立てやすい

社会人として働いていると、ひとつのタスクに集中して取り組める場面はそれほど多くありません。実際はいくつもタスクを抱え、時間に追われることもあるでしょう。
普段からマルチタスクに取り組んでいれば、複数の作業を前提としたスケジュールを立てやすくなります。納期の重なる仕事も同時並行的にこなせるメリットがあります。

マルチタスクのデメリット

一方、マルチタスクには見過ごせないデメリットもあります。大事なのは、マルチタスクとシングルタスクを使い分けることでしょう。

深い思考に至りづらい

マルチタスクは、深い思考を要求される業務には向いていないといわれます。複数の作業を切り替えながら同時にこなすため、ひとつの作業に集中できず。完成のクオリティが下がってしまう可能性もあります。

創造性や深い思考が要求される作業は、マルチタスクではなくシングルタスクを活用するのがおすすめです。

作業の切り替えによる生産性低下の可能性

AとBの作業を切り替える時、必ず時間にロスが生まれます。そのため、マルチタスクはシングルタスクと比べて作業の生産性が低下すると指摘されます
マルチタスクを行う場合は、作業の切り替え時間を適度なリフレッシュ時間として有効活用する必要があるでしょう。深呼吸やストレッチをして次の作業に体を準備するのもおすすめです。

脳や心身の疲労

マルチタスクが脳や心身に及ぼす影響も大きいといわれています。作業を開始する時だけでなく、作業を中断する時にも一定の労力が必要となり、それを何度も繰り返すためです。タスクの切り替えを頻繁に行う方ほど、作業に対するストレスを感じるかもしれません。

シングルタスクのメリット

次は、シングルタスクのメリットについてご紹介します。集中できる環境が整っていて、思考力が求められる作業にはシングルタスクがおすすめです。

作業の能率を上げられる

シングルタスクの最大のメリットは、作業の効率を最大化できる点です。シングルタスクでは、消化すべきタスクをひとつに絞って処理します。集中して作業に取り組めるため、必然的に効率が良くなるのです。
成果を早く求められる業界や、ひとつの作業に集中できる環境が整っているなら、シングルタスクで片づけるのがもっとも効果的です。

考える時間を減らせる

マルチタスクでAとBの作業を常時切り替える場合、切り替えたタイミングで必ずAとBに対する思考の時間が必要です。パソコンで作業中の場合、フォルダからデータを取り出すといった工程も増えるかもしれません。
シングルタスクであれば、ひとつの作業についてじっくりと考えて作業を進められるため、途中で余計な段取りを踏む必要がありません。考える時間を減らし作業に集中できるのは、シングルタスクならではのメリットです。

作業に対するストレスの軽減

マルチタスクの場合、ひとつの作業に取り組んでいる間も別の仕事が頭から離れず、ストレスに感じることも珍しくありません。シングルタスクなら、目の前の作業に集中できるため、余計なストレスを感じることもないでしょう。

シングルタスクのデメリット

シングルタスクには、目の前の仕事に集中できるというメリットがある一方、カバーできないデメリットもあります。

スケジュールの破綻が起きやすい

社会人は、時に抱えきれないほどのタスクを処理しなければならない場合があります。ひとつの作業に集中するのが難しいと、シングルタスクでは対応しきれないでしょう。最終的にはスケジュールが破綻し、無理な残業や早出を強いられるかもしれません。
タスクが増えすぎた場合に備えて、簡単な業務についてマルチタスクでこなす術を身に付けると安心です。

臨機応変な対応が難しくなる

シングルタスクは、ひとつの作業を完成させてから次の業務に移るのが基本です。ただ、作業途中で別の業務を優先しなければならない事態も珍しくありません。
シングルタスクを前提としてスケジュールを組んでいると、臨機応変な対応が難しく、大きなストレスを感じます。

作業に集中できる環境が求められる

シングルタスクで仕事を処理するには、自分の能力だけでなく、適切な量の仕事や途中で作業を中断されないなどの環境も求められます。シングルタスクで集中して作業に取り組む場合、まずは環境作りから始めるとよいでしょう。
効率的にタスクを処理できると、仕事ができると評価されるでしょう。そのためには、シングルタスクとマルチタスクを上手に使い分ける必要があります。タスクを管理して効率的に仕事を進めましょう。

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