ビジネスマナーのよくある失敗例
更新日:2023.03.31ビジネス豆知識ビジネスパーソンとして働いていると、ビジネスマナーを意識しなければならない機会が数多く訪れます。ただ、普段の生活ではなじみがなく、明文化されていないマナーも多いため、上司や取引先相手に失礼な対応をしてしまったという方もいるのではないでしょうか。今回は、失敗しがちなビジネスマナーに関する知識や、万が一失敗してしまった時の対処法をご紹介します。
目次
ビジネスマナーの重要性
ビジネスマナーに対しては、「堅苦しくて苦手」「多少マナーに欠けていても仕事ができれば良い」など、さまざまな意見があります。しかし、最低限のビジネスマナーを守れない方は、仕事を成功できる可能性が低いといえます。なぜビジネスマナーは必要とされるのでしょうか。その理由を3つご紹介します。
ビジネスの場での信頼関係を築くため
ビジネスの世界は、年齢や性別以外にも、宗教や経験・趣味など価値観の異なる人が集まって成り立っています。そのため、お互いを信頼してビジネスを展開するには、一定の基準が必要です。「ビジネスマナーを守れる=その基準に達している」と考える方は多いため、ビジネスマナーを守ることは相手と信頼関係を築くことにつながります。どんなにすばらしい製品やサービスを販売していても、ビジネスパーソンとして信頼されなければ、話に耳を傾けてくれることは少ないでしょう。
ビジネスにおける共通言語のため
前述の通り、ビジネスの世界にはさまざまな信条や考えを持った方がいます。それぞれが自分の行動基準で動いていては、収拾がつかず、ビジネスが成立しません。そこで、すべてのビジネスパーソンの「共通言語」として考えられたのがビジネスマナーです。
ビジネスマナーは、各ビジネスパーソンの考えを尊重しつつ、円滑にビジネスを進められるツールです。自分ひとりで完結するビジネスが存在しない以上、ビジネスマナーも必要不可欠といえます。
企業ブランドに影響を与えるため
実際、ビジネスの場で「敬語を使わない」「あいさつをしない」などのマナー違反をした場合、イメージに影響するのは個人ではなく企業です。初めて訪問した企業の受付で、戸惑っているあなたを横目にあいさつもせずに通り過ぎた従業員がいたケースを考えてみましょう。
上記のケースでは、無言で通り過ぎた従業員ではなく「この会社は感じが悪い」と感じる方が多いのではないでしょうか。この様に、ビジネスマナーにおける失敗は、個人ではなく企業のイメージに大きく影響します。反対に、従業員の対応がすばらしければ、企業に対して良いイメージを持つこともあるはずです。組織全体のイメージを損ねないためにも、企業側は自社の従業員へのマナー教育をしっかりと行いたいところです。
一度はやってしまう?ビジネスマナーの失敗例
ビジネスマナーの重要性は理解していても、誰しも一度は失敗してしまうものです。特に、右も左も分からない新社会人のころは、上司や先輩に怒られた経験のある方も多いかもしれません。以下では、ビジネスマナーのよくある失敗例をご紹介します。
名刺の渡し方
学生時代には名刺すら持っていない方がほとんどですが、社会人になると名刺交換をする機会も増えます。名刺はビジネス上の大切なアイテムでもあるため、つつがなく交換したいところですが、失敗例も少なくありません。例えば、「名刺入れを準備しておらず交換に手間取る」「相手の名刺の上から自分の名刺を渡す」「名刺交換をテーブル越しに行ってしまう」などの失敗例があります。
ビジネスマナーに則った名刺交換の方法は以下の通りです。
- 名刺入れを用意し、素早く名刺を取り出して両手で持つ
- 両手で名刺を差し出し、簡単な自己紹介とともに差し出す
- 相手も名刺を出している場合は、右手で自分の名刺を差し出し、左手で相手の名刺を受け取る
香水やヘアスタイル
香水やヘアスタイルといった外形的な特徴にもビジネスマナーがあります。場合によっては相手を不快にさせる可能性があるため、細心の注意を図りたいところです。失敗例は、「香水のつけすぎ」「派手すぎるヘアスタイル」「派手なメイクやノーメイクでの出社」などがあります。
ビジネスの場に沿ったものにするのであれば、
- 髪色は地毛に近い色が基本で、長い場合は束ねて顔にかからないようにする
- 自然に見えるナチュラルメイクを意識する
- 香水のつけすぎには注意する
- 爪は伸ばしすぎない
などの配慮が必要でしょう。ただし、服装や髪型などに関するマナーは所属する企業や取引先の雰囲気によって異なります。その場に応じた格好を心がけましょう。
ネクタイやスーツの色
ネクタイやスーツは、ビジネスシーンにおいて個性を出せるポイントでもありますが、一歩間違えるとマナー違反につながります。特に、営業の様に社外で人と会うことの多い職種では、スーツやネクタイの着こなしで評価されることも珍しくありません。
ただ、「サイズの合っていないスーツ」「ボタンの留め方」「ジャケットの下に半袖シャツ」「長すぎる、短すぎるネクタイ」といった様に、失敗例の多い点でもあります。
スーツやネクタイの着こなしでマイナスイメージを与えないためにも、
- 体系に合ったスーツ、ネクタイを選ぶ
- ジャケットの一番下のボタンは留めない
- 夏でもジャケットは持ち歩く
- ネクタイは派手すぎないものを選ぶ
などのビジネスマナーを意識しましょう。
テーブルマナー
社会人になると、接待や会食など、テーブルマナーを求められる場に参加することがあります。ただ、テーブルマナーの指導を受けたことのない方は多く、失敗事例も数多く見られます。例えば、「コーヒーや紅茶のカップを両手で持つ」「食材の下に手を添えて食べる」「忌み箸をする」などが挙げられます。洋食・和食・中華料理など、メニューによってテーブルマナーは異なるため、事前に分かっているのであれば対策したいところです。
敬語の使い方
誰しも一度は間違えたことがあるのが敬語の使い方です。敬語については、国語の授業で学んでいますが、いざ自分が使うとなると話は別です。「自分の話をしているにもかかわらず尊敬語を使う」「相手に対して謙譲語を使う」「上司や先輩にタメ口で話してしまう」など、失敗のバリエーションも豊富です。
ビジネスシーンで正しい敬語を使うためにも、尊敬語・謙譲語・丁寧語の違いをしっかりと学び直したいところです。
相手を怒らせてしまった時の対処法
ビジネスマナーは画一的ではないため、人によって気にするポイントも異なります。Aさんには特に注意されなかったが、Bさんには怒られた、というケースも珍しくありません。ビジネスマナーが不十分だったせいで相手を怒らせてしまった場合、どの様に対応すれば良いのでしょうか。
まずは相手に謝罪する
まずは相手に謝罪しましょう。どちらに非があるのかを究明するのではなく、相手に迷惑をかけ不快な気持ちにさせた行為に対して謝罪します。最初にしっかりと謝意を伝えられるかどうかで、今後の相手の対応も変わるはずです。
今後の対応策について伝える
謝罪だけでなく、二度と同じことを起こさないための対応策の提示も大切です。一度のミスで関係を終了させないためにも、こちらの誠意を伝えましょう。
再度謝罪し今後も良好な関係を続けられる様にする
最後に、再度謝罪を行い、今後も良好な関係を継続できる様に締めくくります。良好な関係であれば、相手も縁を切りたくないはずです。誠心誠意気持ちを伝えたら、関係が回復するかもしれません。
絶対にやってはいけないこと
反対に、絶対にしてはいけないのが「言い訳から入る」ことです。「初めてだったので」「忙しくて」「専門外だったので」など、こういった事情は相手には関係ありません。火に油を注ぐ結果にもなりかねないため、言い訳を最初に伝えるのは避けましょう。
ひと口にビジネスマナーといっても、場面や職種によって異なることも多く、一朝一夕では身につきません。時には、自分の理解が足りず、相手に不快な思いをさせてしまうこともあるはずです。ビジネスを円滑に進め、自分だけでなく企業のブランドイメージをアップさせるためにも、日々ビジネスマナーについて学び続けることを心がけていきましょう。
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