働き方改革で有給消化が義務化!申請時のマナーとは?

2019.10.03ビジネス豆知識
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働き方改革により、有給休暇の消化が義務化されました。会社は、派遣社員にも有給消化してもらわなければなりません。従業員は、申請の仕方や申請時のマナーを知っておくと無駄にならないでしょう。そこで今回は、まず有給休暇にまつわる日本の現状をご紹介し、新たな制度の規定内容や有給休暇の適切な申請方法についてご説明します。

有給休暇を取得する男性

日本の有給消化率

日本の有給消化率に関しては、旅行予約サイト運営会社による調査が知られています。調査対象は、世界19カ国・地域で働く18歳以上の有職者です。

国際比較では3年連続の最下位

最新の調査結果(2018年9月にインターネット上で実施、同年12月10日に発表)によれば、日本の有給取得率は50%でした。この割合は、有給支給日数を取得日数で割った数字です。会社から10日を支給された人は5日だけ消化し、残りの5日は使わなかった計算になります。対象国・地域の調査結果を比較する限り、日本の有給消化率は3年連続で最下位です。2018年の調査ではワースト2位の国でも70%に達しており、その差が小さいとはいえないでしょう。これらの結果から、日本の有給消化率は世界的に見て「圧倒的に低い」という意見が少なくありません。

年間の有給取得日数も少ない

調査では、具体的な有給取得日数も調べています。日本はこちらの結果も思わしくなく対象国・地域のなかで最少の10日でした。ほかにも10日しか取得していない国はありましたが、取得率が日本ほど低くないので同次元では扱えません。調査された国・地域は、基本的に支給された有給日数をかなりの割合で消化しているといえます。それに対し、日本は有給日数が多くても十分に消化していないと理解できます。日本の有職者が有給休暇を取得しない主な理由は、「人手不足」や「緊急時のために取っておく」です。有給休暇の取得に罪悪感があるという声も58%とかなり多く聞かれ、他国・地域をすべて上回る割合です。

以上の調査結果をふまえると、日本の場合、たくさん有給があると分かっていても人手が足りず周りが働いているのに自分だけ休めないという状況が生まれていると考えられます。

働き方改革で、有給休暇制度はどう変わる?

日本の有給消化率が注目されている理由のひとつに、働き方改革による有給休暇制度の改変が挙げられます。

2019年4月から有給休暇の取得が義務化

政府が推進する働き方改革を受けて、2019年4月からスタートした取り組みが有給休暇取得の義務化です。この動きは、日本における有給消化率および取得日数の低さと無縁ではありません。多くの人が有給休暇を取得しづらいと感じている現状を打開し、有給取得のハードルを下げて消化率を70%台まで改善することが今回の義務化で目指すところです。具体的には、従業員に有給休暇の取得を義務付けるわけではなく、雇い主である企業側に対して有給休暇に関する義務規定を定めています。この規定が、「有給休暇取得の時季指定の義務化」です。

「有給休暇取得の時季指定の義務化」とは?

新たにはじまる「有給休暇取得の時季指定の義務化」では、年間に10日以上の有給休暇を支給した場合、最低でも5日は従業員に取得させなければいけません。労働基準法の第39条に追加された規定内容であり、違反すると30万円以下の罰金を科せられる可能性があるという話です。新制度の適用対象は年間に10日以上の有給休暇を付与される人であり、企業の規模、役職、雇用形態、勤続年数などは問われません。パートとして長く勤めている場合でも、有給の付与日数が10日を超えれば適用対象になります。

対象期間は、実際に有給休暇が与えられた基準日から1年間です。会社の全体平均が5日を超えるだけでは十分でなく、いずれの従業員も規定日数をクリアすることが求められます。法的義務を負うのは、あくまで従業員でなく会社です。経営側は、すべての従業員がきちんと有給を取得できているかどうか注意する必要があります。

計画的な消化が大切

有給休暇は、できれば自分の希望日に消化したいところでしょう。有意義に活用しようと考えるなら、あらかじめ計画を立てることは大切です。

有給消化を先送りすると・・・

2019年4月に施行される改正法案により、会社は有給休暇の消化日数が規定に満たない従業員に対して有給の取得日を指定する義務が生じました。義務を怠ると罰則を受けるのは会社であり、従業員が有給の消化を先送りしていると会社から日程を指定される可能性は低くありません。現在、会社側が取り入れている対応方法は、主に「個別指定方式」と「計画年休制度」のふたつです。個別指定方式は会社と従業員の話し合いにより指定日を決めるので、柔軟な対応が見込めます。計画年休制度の場合には会社と従業員が労使協定を結ぶ必要があり、締結してから都合が悪くなっても後日の予定変更は簡単ではありません。

いずれにもしても計画性は欠かせない

会社がいずれの対応方法を採用するとしても、従業員は各自の都合を聞かれる可能性があります。そこで希望日をきちんと伝えなければ、会社からの指定日に反映されなくても仕方ないでしょう。とりわけ計画年休制度の場合、指定日の変更は難しいといわれています。自分の都合に合わせて希望通りに有給休暇を使うためには、ある程度の計画性が必要になってきます。規定日数を満たしているかどうかは1年単位でカウントされるので、基本的に年間予定を考えておけば問題ありません。家族旅行や友人とのイベント参加を予定している時は、はやめに日程調整するとよいでしょう。

あらかじめ会社に希望日を知らせて承認をもらっておけば、直前に仕事が忙しくなっても会社から予定変更を迫られずに済むかもしれません。仕事を忘れて充実した休暇を過ごすなら、計画的な有給消化はおすすめです。

有給申請時のマナー

有給休暇の取得は、法律で認められた労働者の権利です。とはいえ、申請手続きには一定のルールがありマナーを忘れてはいけません。

基本は書面申請

法律上、有給休暇の申請方法はとくに制限されていません。会社の定めた就業規則にしたがっていれば、口頭やメールによる申請も可能です。それでも多くの場合、有給申請は書面を用いるのが基本です。有給休暇の申請に関する証拠は3年間保存しなければならず、口頭では誰かが記録しないと証拠を残せません。メールもほかのメールに埋もれ、見落とされるリスクがあります。長期保存の必要性を考えると書面に残すのが適しており、申請書を手渡しすれば見落としなどのトラブルも避けやすくなります。手続きの確実性を重視するのであれば、書面申請が安心です。

申請時のマナー

有給休暇の申請は、少しでもはやく済ませるのが一般的なマナーと考えられています。仕事が忙しい時期、急に申請されても簡単に人員を補充できなければ会社は迷惑に感じてしまうためです。あまり直前になってから申請すると、トラブルに発展するかもしれません。気持ちよく申請を受理してもらうには、余裕をもった手続きが望まれます。会社によっては、就業規則で申請期日が定められている場合もあります。その場合、期限を守っていないと受理されなくても不思議ではありません。規則に違反していないことを明確にするうえで、申請日の記載も不可欠です。

労働者には有給休暇取得の権利があるといっても、業務に支障が出るのは会社にとって好ましくありません。申請する時は、業務を引き継ぐ時間も考えて手続きするのがビジネスマナーの基本といえるでしょう。

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