クレーム対応ではD言葉をS言葉に変えよう!
更新日:2023.06.02コールセンター「D言葉」は、話の内容を否定する特徴があるため話し手を不快にするリスクが大きいと指摘される表現です。一方「S言葉」は同意する傾向が見られるため、職場のクレーム対応などで使うのに適していると考えられています。プライベートから仕事関係まで会話を円滑に進めるなら、それぞれの言葉について理解を深めておくと役立つでしょう。そこで今回は、D言葉・S言葉の概要やS言葉の活用方法をご紹介します。
目次
D言葉・S言葉とは
D言葉は、ローマ字のDから始まるネガティブな表現です。それに対しS言葉は、日本語のサ行から始まるフレーズを指します。ビジネスシーンでは、否定的な感じが強いD言葉でなく同意の姿勢を示しやすいS言葉を使うのが望ましいといわれています。
D言葉の特徴
日常生活や仕事の場で使われるD言葉の代表例は、「でも」「だって」「どうせ」などです。いずれも、それまでに聞いた話の内容を否定する特徴が見られます。
最初の「でも」は、もともと「しかし」に近い逆説的な接続詞としての使い方がある日本語です。残りの「だって」と「どうせ」も、会話の流れによっては「でも」と同じく後に否定的な言葉が続きます。
会話中、たいてい話し手は周りに自分の考えを受け入れてほしいと望んでいるものです。そのため意見を述べた後にD言葉が使われた表現を聞くと、否定あるいは批判された印象を受けます。明確な否定でなくても反論されたと感じる場合が多く、少なからず不快感を抱くケースが目立ちます。
S言葉の特徴
S言葉として広く知られる代表例は、「承知しました」「すみません」「失礼しました」などです。これらは、すべて同意のニュアンスを含む言葉という特徴があります。
一通り会話を聞いてから「承知しました」と表現した場合、発言内容に賛同する意思や受け入れる姿勢を示せます。「すみません」や「失礼しました」は、トラブルが発生した後に反省や謝罪を求められた時、その要請に応えられる表現です。
ほかには、「その通りです」や「さようでございます」が挙げられます。いずれも通常は話し手の意見や考えを肯定する流れで使う言葉であるため、反論や批判の意思があるとは受け取られません。S言葉はたいていの会話で否定的なニュアンスは感じられず、話し手から不快に思われるリスクは減らせると考えられます。
サ行のほめ言葉
S言葉のなかには、ただ会話に同意するだけでなく称賛の気持ちを表現できる「サ行のほめ言葉」もあります。いくつかビジネスシーンでも使える言葉を挙げると、「知らなかった」「そうなんですね」「さすがですね」などです。ほめ言葉を代表的なS言葉に添えると、さらに会話の雰囲気を和らげられる傾向が見られます。
一般的に、自分の意見が認められて気分を害する人は少ないでしょう。。そのうえ高い評価を得られた時は、さらに気分がよくなると考えられます。大した発言内容でなくても、たいてい賛辞を受けたら不愉快には感じません。このような特徴から、S言葉に加え、サ行のほめ言葉もビジネスでおすすめの表現といわれています。
クレーム対応での活用方法
ビジネスの場において、とくにクレーム対応する時はD言葉でなくS言葉やサ行のほめ言葉を使うと早めの問題解決に効果的です。ただし、使い方によっては不自然に感じられる可能性があるため、上手な活用方法を覚えておくとよいでしょう。
お客様に非がある場合
クレーム対応でお客様に非がある場合、思わずD言葉を使ってしまう場面が目立ちます。お客様が間違った使い方により商品を故障させた場合、「だって、そんな無茶な操作するから」と思っても仕方ありません。それでも、クレーム対応においては相手の落ち度を非難するのは禁物です。
あくまでD言葉は心のなかだけにとどめ、代わりにS言葉を使います。まず「すみませんでした」と始め、それから「説明書の記載が分かりにくく、使い方を間違われたのかもしれません」と続ければ不快感を与えずに済むでしょう。S言葉でお客様の気持ちを静められた時は、その後の会話をスムーズに進めやすくなると期待できます。
理不尽な要求があった場合
お客様から理不尽な要求があった場合も、S言葉を上手に使うと問題を肥大化せず早期解決するのに有効です。クレームの内容は人により様々で、必ずしも会話の筋が通っているとは限りません。理不尽な要求を提示されれば、誰でも腹立たしく感じるものです。
とはいえ、「でも、そんな要求には応じられません」と回答すれば、かえって問題を大きくする原因になってしまいます。それを避けるために、「さようでございますか。ご不便をおかけして、大変に申し訳ありません」と、S言葉で一度クレームを受け入れる方法があります。そのうえで「あいにく当社では、そこまでのご要望にはお応えできません」と不当な要求を断れば、2次クレームを招くリスクは減らせるでしょう。
会話の専門性が高い場合
クレームの専門性が高い場合、基本的なS言葉にサ行のほめ言葉を加える方法がおすすめです。お客様によっては商品やサービスについて詳しく、会話が専門的になるケースも多く見られます。こちらに十分な知識がないとスムーズに会話を進めるのは難しく、問題の肥大化につながります。
さらなるトラブルの回避には、サ行のほめ言葉を使うと効果的です。専門性の高さに戸惑っても「知りませんでした。勉強不足で申し訳ありません」と伝えれば、お客様の気分を害することなく専門知識のある上司などに業務を引き継げます。自分がお客様ほど詳しくないと事情説明した後なら、担当を変更しても無責任と思われずに済むでしょう。
S言葉を身につけるには
仕事上の会話やクレーム対応でS言葉を活用する際、使い方に違和感があると十分な効果を発揮できない可能性があります。自然に使いこなすには、普段から話し慣れておくとよいでしょう。
まずD言葉を回避
S言葉を自然に話せるくらいまで身につけるには、まずD言葉の回避を心がける姿勢が欠かせないといえます。公私を問わずD言葉を多用している場合、心のなかで思ったことをそのまま発言する行為は望ましくありません。発言する前に言葉選びに問題がないかを見直すと、不快に思われる表現を避けるのに役立ちます。
この方法は、日常会話や職場の電話対応で話し方を注意されている場合に言葉遣いを直すのに効果的な対処法です。理不尽なクレームを受けても、何か発言する際は「でも」や「だって」を選んでいないか必ずチェックします。日常的に発言内容のチェックを意識するだけで、D言葉は回避しやすくなると考えられています。
D言葉はS言葉に変換
発言内容のチェックでD言葉が見つかった場合、S言葉に変換する練習を続けると言葉遣いの修正に有効です。
よく知られる変換方法としては、以下の3例が挙げられます。
「でも」→「すみません」
「だって」→「承知しました」
「ですから」→「失礼しました」
これらの組み合わせに、決まりはありません。いずれにしても他者の意見やクレームを聞いた時に反論あるいは言い訳するD言葉が思い浮かんだら、S言葉に置き換えることを意識します。最初のうちは時間がかかると思われますが、何度となく練習を続ければ次第に慣れるでしょう。
S言葉は、サ行のほめ言葉も含め上記以外にも多くの表現があります。いずれも話し手を尊重する思いが伝えられるため、会話をスムーズに進めるうえで上手に活用する価値は大きいと考えられます。様々なフレーズを丸暗記しておく必要はありませんが、日常会話や仕事関係の電話対応を通じて使い慣れておくのはおすすめです。
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