コールセンターシステムの仕組みは研修中に理解を深めよう
更新日:2024.04.26コールセンターコールセンターシステムは、電話対応を円滑に進めるうえで役立つ機能が組み合わされた仕組みです。業務で上手に活用すれば、オペレーターは適切に情報提供しやすくなり、業務効率や顧客満足度は上がると考えられます。とはいえ、このシステムについて十分に理解できていないとの声も少なくありません。そこで今回は、コールセンターシステムの概要を解説し、具体的な構成要素や実際の使い方をご紹介します。
目次
コールセンターシステムとは?
コールセンターシステムは、コールセンターで電話の問い合わせを効率よく処理するためのシステムです。着信対応の効率化に必要な機能を備え、仕事の生産性拡大や顧客満足度の向上に大きく貢献します。
コールセンターシステムの役割
コールセンターシステムは、顧客対応の効率化、顧客満足度の向上、業務の分析・改善といった役割を担います。
顧客対応の効率化
顧客対応の効率化は、着信が混雑する事態を防ぐうえで必要になる役割です。通常、コールセンターには、お客様や取引先から次々に電話が寄せられます。とはいえ、オペレーターは、常に着信対応しているわけではありません。新たな着信が入った時、手の空いたオペレーターに割り振れば、電話の混雑は避けやすくなります。
コールセンターシステムには着信を均等配分する機能があり、この仕組みにより顧客対応の効率化を実現しています。
顧客満足度の向上
顧客満足度の向上は、コールセンターや企業の信頼性に関わる重要な役割です。お客様や取引先は、問い合わせの電話において正確な情報を求めています。オペレーターが適切に情報提供した場合、顧客からは満足され、コールセンターや企業の信頼性は高まるでしょう。
顧客が納得できる電話応対を可能にするため、コールセンターシステムは正しい回答方法のデータを蓄積し、顧客満足度の向上に貢献しています。
業務の分析・改善
業務の分析・改善は、電話対応のレベルアップにつながる大切な役割です。オペレーターは、いつでも十分に着信対応できるとは限りません。通話時の受答えに問題が見られた場合、応対方法を改善する必要が出てきます。コールセンター業務の品質を維持・向上するうえで、業務のチェックや品質改善は重要です。
コールセンターシステムは応対業務を分析・改善する役割も果たし、業務レベルの向上に効果を発揮しています。
コールセンターシステムの種類
コールセンターシステムの種類は、大きく分けてオンプレミス型とクラウド型の2タイプです。
オンプレミス型
オンプレミス型は、システムの構築・運用で必要となる機器やツールを自社に設置する方式です。具体的な機器・ツールとしては、電話の通信回線や外線と内戦を切り替える交換機が挙げられます。電話回線を社内に引き込み、物理的に交換機と接続した場合、オンプレミス型に該当します。
クラウド型
クラウド型は、通信回線をネット上に構築するタイプです。通常、電話機やパソコンなどの機器は、社内に設置されます。一方、通信回線はネットのなかにある交換機につながれ、通信ネットワークもネット上に構築されるスタイルです。通信回線や交換機がクラウド上に設置されるため、クラウド型と呼ばれています。
コールセンターシステムの構成要素
コールセンターシステムは、様々な機能を有する機器や仕組みにより構成されています。
構成要素
実際にコールセンターシステムを構成する要素は、PBX・CTI・CRMなどです。
PBX(Private Branch Exchange)
PBXは、電話の発着信をコントロールする機能がある交換機です。具体的には、外線をつないだり、内線に転送したりする役割を担っています。基本的に、電話番号を1つ所持した際、1台の電話機しか対応できません。それに対し、PBXは複数の機器を接続できるため、外線の振り分け・転送や内線同士の会話が可能です。
CTI(Computer Telephony Integration)
CTIは、コールセンターの通信機器をコンピュータシステムと連動できる仕組みです。この仕組みでPBXや電話機とコンピュータを連携した場合、電話があった時、受信番号と結びついた顧客情報が自動的に検索・表示されます。また、顧客が入力した内容も自動で記録できるため、着信対応の手間が減り、業務の効率化に役立ちます。
CRM(Customer Relationship Management)
CRMは、もともと「顧客関係管理」と和訳される言葉です。ビジネスの場では、事業を円滑に進めるため、顧客と良好な関係を築くことが重視されています。この点をふまえ、顧客情報を管理・分析してマーケティングに活かすシステムも、CRMと呼ばれています。
FAQ(Frequently Asked Questions)システム
FAQシステムは、よくある質問とその回答をまとめたものです。コールセンターは、商品やサービスについて、同様の質問を受けるケースが多く見られます。その際、FAQシステムは自動的に情報案内する役割を果たし、オペレーターの業務負担を軽減します。
ACD(Automatic Call Distribution)
ACDは、コールセンターで着信した電話を、システムの設定にもとづき自動分配する機能です。具体的には、最長時間ルーティング・スキルルーティング・データベースルーティングなどがあります。最長時間ルーティングは、待機時間が長いオペレーターに優先して電話をつなぐ設定です。
スキルルーティングは、電話の用件を確認し、その用件ごとに担当のオペレーターへ配分する仕組みを指します。また、データベースルーティングは、特定の顧客や問い合わせ内容を同じオペレーターに担当してもらうシステムです。これらの設定により、電話の均等分配やスムーズな顧客対応が容易になり、業務の効率化や顧客満足度の向上につながります。
IVR(Interactive Voice Response)
IVRは、着信があった時にコンピュータが自動で音声案内するシステムです。コールセンターには、お客様や取引先から多くの連絡が入ります。様々な問い合わせにコンピュータが素早く対応した場合、オペレーターの負担は減り、業務の効率化や顧客満足度の向上にも効果を発揮します。
これらの要素で円滑に通話を進める仕組みが、コールセンターシステムです。同システムを活用し、コールセンターは、オペレーターが適切に回答して顧客に喜ばれる電話対応を実現しています。
コールセンターシステムの使い方
一般的に、コールセンターシステムは以下のような流れで使用します。
- ログイン
- 着信呼の対応
- 顧客情報の確認
- 問い合わせ内容の確認
- 回答・対応
- 通話終了
ここでは、各手順の概要を解説いたします。
1.ログイン
ログインは、電話対応でコールセンターシステムを使う時、最初に必要となる手続きです。オペレーターは、所定のIDとパスワードを入力すると、このシステムにログインできます。また、ログインすることで、同システムを構成するPBXやCTIの活用が可能になります。
2.着信呼の対応
コールセンターシステムにログインした後は、着信対応を行います。お客様や取引先から連絡が入ると、まずACDが機能し、待機時間や電話の用件を基準に電話を分配します。各オペレーターは、自分に割り当てられた電話を受け、実際に通話を進めていきます。
3.顧客情報の確認
オペレーターが通話を進める際、最初に確認する項目は顧客情報です。顧客情報は、CTIにより検索され、パソコン画面に表示されます。オペレーターは、顧客の行動履歴や過去の通話記録を画面上で確かめ、どのような人が連絡してきたか把握します。
4.問い合わせ内容の確認
通話相手の情報を把握したら、問い合わせ内容を確認します。ここでは、CTIが示した情報に目を通しながら、電話の用件を聞きます。また、ACDにより特定の顧客や問い合わせ内容が分配された場合、スムーズに話を進めるため過去の通話記録を参考にします。
5.回答・対応
一通り確認作業を終えたら、具体的に回答・対応します。お客様や取引先は正確な情報を求めているため、オペレーターは、電話の用件にもとづき適切に受け答える必要があります。また、通話相手を長々と待たせるのは望ましくないため、FAQシステムやCRMを活用しながら迅速かつ的確に回答・対応します。
6.通話終了
電話の用件に応じて情報提供を済ませると、基本的に通話は終了です。顧客との通話を終えたら、電話を切ります。ただし、コールセンター業務は、ここで終わりではありません。多くの場合、オペレーターは、電話を切った後で通話内容をパソコンに記録しておきます。
通常、この記録内容は、新たな顧客情報として次の電話対応に活用されます。なお、以上の使い方は、必ずしも一律ではありません。システムによって異なる場合があるため、実際に使用する時は注意が必要です。
研修中にシステムの理解を深める意味
コールセンターの研修中にシステムの理解を深めることは、業務効率化やトラブル対応の早期解決に活かせる点で意味があります。
業務効率化
業務効率化は、コールセンターシステムの理解が深まった時に得られる重要なメリットです。研修を通してシステムについて知識が増え、実際の業務を効率よく進められるようになれば、大きな意味があると考えられます。
トラブルの早期解決
トラブルの早期解決も、システムに関する理解の深化がもたらすメリットの一つです。クレーム電話を受けた時、コールセンターのOJTなどで覚えた知識・スキルを活かせると、問題の早期解決が可能になり顧客満足度は上がると期待できます。
キャリアアップ
研修でコールセンターシステムを十分に理解した場合、キャリアアップにも役立つと考えられます。同システムを実務で使いこなし周囲の信頼が高まれば、活躍する機会は広がり、多くのキャリアを積み重ねられるでしょう。
コールセンターのOJTを含めた研修でシステムの理解を深める意味は、非常に大きいと理解できます。そのため、きちんとPBXやACDの機能・役割を教わったうえで、研修を卒業することが望ましいと考えられます。
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