契約書に必須!印鑑の使い方
更新日:2022.05.06スタッフブログ契約を交わす時に必要になる印鑑の種類と使い方
印鑑社会ともいわれるぐらい、日本では印鑑がとても重要です。ですので、日本で生きていくならば、必ず必要なのが印鑑です。特に社会人になれば、プライベートもビジネスも関係なく、印鑑が必要な場面がことあるごとに出てきます。
例えば、プライベートで家を借りたり買ったりした時には、契約書類に印鑑を押さなければいけません。車を買う場合も印鑑を押す必要があります。ビジネスでも印鑑を扱う場面が数多く出てくるでしょう。印鑑が必要な場面になってから困らなくてもいいようにしたいものです。契約書類に必要な実印。銀行では銀行印。日常的に使用する認印。どれが実印で、どれが銀行印なのか分からない。認印って何だ?と思われる方もいると思います。全部1本の印鑑で済ましているという方もいるのではないでしょうか。
印鑑の種類
印鑑にもいろいろと種類はありますが、大きく分けると
の3種類です。全て利用する用途が違いますので、この3本を別々に揃えておけば問題ありません。印鑑を使用する場合は、実印、銀行印、認印に関係なく、書面の内容をしっかりと確認してから使用するようにしましょう。
実印
住民登録をしている市町村の役所や役場にて、印鑑登録を申請し受理された印鑑のことです。印鑑登録証明書が発行できる印鑑が実印です。印影が実印と似ていても、印鑑登録証明書が発行できない印鑑は実印とはいいません。おまけに、実印は1人1本しか登録できません。複数本持つことになる印鑑の中で最も重要です。契約関係書類には、必ず実印を使用します。実印は、重要な場面で使用する印鑑ですから、何本もあると管理が大変ですし、悪用される危険性も高くなります。ですので、実印は銀行印や認印と併用しないことが大切です。
実印は姓名が彫刻されている必要はありませんが、姓名が彫刻されている印鑑の方が安全です。実印は1本しか登録はできませんが、登録を廃止して新しい印鑑を実印として登録することも可能です。また、住民票を移動した場合ですが、廃止手続きをしなくても前市町村の実印は自動で廃止されます。実印を紛失した場合、盗難にあった場合は、すぐに登録の市町村へ電話で連絡しましょう。その後、廃止届を出して新しい実印を登録し直します。また、警察にも届けを出しましょう。
銀行印
銀行で口座開設するときや、金融関係のやり取りをする際に使う印鑑のことです。印鑑は姓のみの彫刻で十分ですが、姓名が彫刻された印鑑でも全く問題ありません。但し、実印とは別の印鑑にしましょう。もちろん認印とも別にしましょう。銀行印を認印と併用すると、印影を悪用されてしまうことがあり大変危険です。銀行印を使用頻度の多い認印と併用することはやめましょう。
印影を悪用されないように、最近は銀行の通帳にも印鑑の印影が貼られなくなりました。悪用されにくくなったのは安心ですが、銀行印の管理をしっかりしないと、どの印鑑が銀行印だったか分からなくなってしまいます。複数の銀行で銀行印を使い分けている場合はなおさらです。また、タンスの中に通帳と一緒に銀行印を保管するのもやめましょう。盗難されてしまった時のことを考えれば大変危険です。
認印
宅配便の受け取りや回覧板等に使用するのが認印です。主に意思確認や承認に使用します。姓のみの彫刻で問題ありませんが、一見して誰の印鑑か分かる方が良いでしょう。本体にインクが入っていて、簡単に何度も連続で押すことができる浸透印も認印です。但し、浸透印ではない認印を求められる場合もあります。そういう面も鑑みると、認印は安いものでも問題ありませんので複数本あった方が便利です。ただ、認印も立派な印鑑です。印鑑には変わりありませんので、使用すると実印に準じた責任が伴ってきます。使用する際はしっかり確認してから使用しましょう。
「署名」「記名」「捺印」「押印」とは
契約書等を作成する際に使用されますが、それぞれどんな意味があって、どういう組み合わせで使用されるのか知っていますか?なんとなく分かるけど…。という方もいるでしょう。この際ですから、きっちり理解しておきましょう。契約書類ですから、使用する印鑑は実印です。
「署名」
本人の氏名を自筆で手書きすることです。氏名を自筆で手書きすることで、本人が確実に契約をしたことが証明できます。証拠能力は非常に高くなります。基本的には署名だけでも契約は有効ですが、日本の場合は署名と合わせて印鑑を押すことが求められます。
「記名」
署名以外の方法、ゴム印やパソコン等で氏名等が入力されたもののことです。自筆ではありませんので、本人以外でも簡単に記名できます。そのため証拠能力は低くなります。記名の場合は印鑑とセットで署名に代えることができます。
「捺印」「押印」
どちらも印鑑を押すということに変わりはありませんが、記名の場合は「押印」、署名の場合は「捺印」が使われます。そのため、署名の時は「署名捺印」記名の時は「記名押印」とするのが一般的です。法的な証拠能力として見れば、どの方法が最適なのか見ていきましょう。
- 「署名捺印」自筆署名と印鑑。Z
- 「署名」自筆署名のみ。Z
- 「記名押印」ゴム印(パソコン入力等)と印鑑。Z
- 「記名」ゴム印(パソコン入力等)のみ。正式な効力は認められていません。Z
証拠能力の高い順に記載しています。やはり、契約書等には自筆署名と捺印の「署名捺印」が最適です。
契約書類への実印の押し方と種類
契約書類にはさまざまな印鑑の押し方があります。なぜかというと、複製や改ざんを防ぐためです。契約書類に押す印鑑は実印です。むやみやたらに押すべき印鑑ではありません。契約時に言われるがまま押してしまうと、トラブルに巻き込まれることや騙されてしまうこともあります。押してしまうと、後で取返しの付かないこともあります。実印を押す場合も、契約内容をきっちりと理解して、これで良いと納得してから押すべきです。
割印
同じ内容の契約書が2部ある場合に割印します。部屋を借りる場合だと、家主用と自分用のように、どちらも同じ内容の契約書原本であることを証明するために押します。押し方は2部を半分ずつ重ねて双方が印鑑を割るように押します。ただ、割印がなくても正式な契約書に変わりはありません。
契印
こちらも契約書の改ざんを防ぐ目的で押されます。契約書が2枚以上の時に押されます。契約書が複数枚あれば、途中のページを抜き取って改ざんし、製本し直すことが可能です。それを防ぐ目的で印鑑を押します。契約書が製本テープで作成されていれば、製本テープを割るように押します。製本テープは、はがすと分かるので最初か最後だけに契印するだけで問題ありません。ホッチキス止め契約書の場合、全ページの見開きごとに印鑑を割るように押します。ホッチキスを外して、簡単に改ざんできますので、全ページに契印が必要です。
訂正印
書類に間違った記載があった場合に訂正するために押されます。間違っている場所を二重線で打ち消して印鑑を押します。空いているスペースに正しく書き直します。
捨印
訂正する箇所があったときのために、先に訂正印を押しておくことです。しかし、捨印を押していることにより、都合の良いように契約内容を書き換えられてしまう可能性もあり、簡単に押すことはやめるべきです。信用度の高い相手以外は押さないことをおすすめします。
契約する際は、印鑑がうまく押せないから緊張してしまう。だからいつも誰かに押してもらっているという方、これからは自分で押すようにしましょう。上手く押せなかったときは、隣に押し直せばよいのです。印鑑を押す際は、朱肉を軽く付けて、印鑑の周りを一周まわすような感じで押せば綺麗に押せます。大切な印鑑ですから、誰かに頼むのではなく自分の手で押すのが一番安全で安心です。また、実印、銀行印、認印を同じ印鑑で使用するのはとても危険です。この機会に見直してみることも大切です。実印、銀行印、認印の3本を用意して、使い方も覚えれば何も心配することはありません。
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