税理士試験の受験資格を3つの分類ごとに解説

更新日:2022.05.02スタッフブログ

安心して任せられる税理士の方々

税理士とは、税法の知識や経験を用いて、依頼人のために税務申告やコンサルタント業務を行う士業になります。税理士の資格取得のためには、毎年数%の合格率という狭き門「税理士試験」を受けて合格しなければなりません。また、受験には受験資格が定められており、それに該当しないと受験できない仕組みになっているのです。ここでは、税理士試験の受験資格を3つの分野に分けて徹底解説していきます。

受験資格1.「学歴」大学と短大、専修学校で条件に違いが

「税理士試験」の受験資格にて、最も代表的なものが学歴です。
基本的に大学、短大、そして各種の専修学校に一定の条件で在籍した者に受験資格が与えられることになっています。

ここでは、学歴別に具体的な税理士試験の受験資格を解説します。

大学もしくは短大のケース

大学と短大の卒業者の場合は、「法律学」若しくは「経済学」に属する科目を1科目以上でも履修した者であれば税理士試験の受験資格が与えられます。

また、大学学歴であれば、中退者であっても一定の条件を満たしていれば受験可能です。
3年次以上まで在籍した経験を持ち、上述の「法律学」若しくは「経済学」に属する科目を1科目以上でも履修した条件を踏まえ、中退までにこの1科目を含んで62単位以上取得すれば受験資格が得られます。

専修学校のケース

さらに、一定の専修学校において税理士試験合格を目的とした専門課程を修了した者であれば、「法律学」若しくは「経済学」に属する科目を1科目以上履修することで税理士試験の資格が得られます。

ただし、上述の専門課程は必ず2年以上の過程でなければならず、修了に求められる授業時間が1700時間以上でなければなりません。

受験資格2.「既存資格」特定の資格を持っていれば受験可能

次に、税理士試験の受験資格において、何らかの既存の資格を所有していることで受験できるケースを見ていきます。

先ほどは大学と短大、そして専修学校学歴を前提とした受験資格でしたが、「法律学」「経済学」に関わりのない分野で進学した人もいますし、高卒学歴者に関しては著しく不公平さが生じるでしょう。そこで、特定の資格を持っていれば受験できる仕組みも存在しているのです。

簿記試験に関する一定級の合格者

その資格とはいわゆる「簿記検定試験」です。しかし、簿記試験には一般的に等級が付けられており、簿記試験自体も試験運営者の違いによって2タイプのものが存在しています。

1つは日本商工会議所などが主催する「日商簿記検定」、もう1つは商業高校や経理系専門学校が所属する全国経理教育協会主催の「全経簿記検定」です。

簿記検定試験合格者で税理士試験の受験資格を持つのは、「日商簿記検定1級」「全経簿記検定上級」に合格した者のみです。

受験資格3.「職歴」会計業務や士業事務所の補助業務の経験

一定の職歴があることでも税理士試験の受験資格を得ることができます。
つまりは、税理士が行う業務に必要な知識について、実務を通じて得ることができる者に対し受験資格付与するということです。ここでは、その職業について見てきましょう。

法人や金融機関などで特定業務に従事していた者

まず、法人や個人事業者にて業務に従事している者のうち、会計業務に2年以上従事している者は税理士試験の受験資格が得られます。ここで言う会計業務は、簿記会計による仕分けや財務諸表などの作成実務のことです。

また、金融機関や保険会社などにおいて、融資や資金運用の業務に2年以上従事していた者も同じく税理士試験の受験資格が得られるでしょう。

この2年以上という年数は、勤続でも通算であっても問題ありません。

士業事務所において補助業務に従事していた者

また、士業事務所(税理士/弁護士/公認会計士など)にて業務補助に従事していた者は、2年以上従事していたことを条件に税理士試験の受験資格を得られます。この場合も、2年以上というのは勤続若しくは通算による従事のどちらでも構いません。

税理士の資格を取っても実務に従事できない場合も多い現在では、最初から税理士事務所などで従事している状況は非常に恵まれているでしょう。

一定の資格と学位があれば税理士試験が免除される!?

これまで、税理士試験の受験資格を得る通常の方法を見てきました。
しかし、それ以外にも一定の条件を満たす者は税理士試験の免除や一部科目試験の免除がなされる制度もあります。

弁護士と公認会計士の資格を持つ者

弁護士と公認会計士は税理士試験が免除され、税理士としての登録が可能です。

弁護士に関しては、弁護士法に「弁護士は、当然、弁理士及び税理士の事務を行うことができる 」と規定されていることを根拠に、税理士としての業務が展開できます。

一方の公認会計士も税理士法や行政書士法にて、「税理士及び行政書士に関しては無試験で登録を受けることができる」と規定されていることを根拠に税理としての業務が可能です。

大学院における博士若しくは修士課程の修了者

大学院で商学の博士号を取得している者は会計系の試験が免除されます。修士号取得者の場合は、会計系の試験に一科目合格し、会計に関する修士論文を提出して国税審議会から認定を受けることで、会計系の残り一科目が免除されます。

これと同様に、法学若しくは財政学の博士号を取得している者は税法系の試験が免除されます。修士号取得者は、税法系の試験に一科目合格し、税法に関する修士論文を提出して国税審議会から認定を受ければ、税法系の残り二科目が免除されます。

ただし、免除基準は将来的に改正されていくと見られ、免除が厳しくなっていくことも予想されてます。

税理士試験の受験資格や免除に関しては、このように細かい条件があることがわかりました。細かく理解しておき、受験に備えましょう。

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