行政書士が取り扱う許認可申請とは?

更新日:2022.05.06スタッフブログ

書類を作成する行政書士

行政書士の仕事内容は、個人や会社をはじめ様々な顧客からの依頼を受け、官公署(各省庁・都道府県庁・市区役所・町村役場・警察署など)に提出する書類の作成や申請を代行するのがメインです。行政書士が作成する書類の多くは「許可認可(許認可)」に関するものであり、その数は1万種類を超えるともいわれています。今回は、そんな行政書士のメイン業務についてご説明します。

複雑で時間のかかる手続きを行う行政書士

許認可とは?

許認可とは、特定の事業をはじめるために、警察署・保健所・都道府県の行政機関に対して申請を行う手続きです。許認可を得るための手続き方法や条件に応じて、許可・認可・登録・届出・免許の5つに分けられます。個人事業主または法人として事業をはじめる時には、その業務内容によって許認可申請が必要です。許認可を取得せずに営業すると違法となり、「知らなかった」では済まされない事態となります。

許認可申請は取得するまでに大変時間のかかるものが多く、役所に申請書を提出してから不備もなく順調に進んだとしても、ある程度の時間を要します。そのため、要件を満たす準備に手間取ってしまうと、大変な時間と労力がかかるでしょう。手続きをスムーズに行うためには、事前に必要な要件を正確に知ることが大切です。

運送業をはじめたい時

運送業をはじめる時は、業務を行う都道府県を管轄する運輸局に、貨物軽自動車運送業の経営届出を提出しなければなりません。その際、貨物自動車運送事業法などで定められた条件をクリアする必要があります。

  • 資金が確保できていること
  • 事務所・休憩室と駐車場が確保できていること
  • 必要な人材を確保できていること
  • 最低5台以上のトラックを確保できていること
  • 法令試験に合格すること

この許可取得のハードルは、法令の改正を重ねるごとに厳しくなっています。さらに、許可基準を満たすのが難しく、許可申請の準備に着手してから事業開始まで時間がかかるケースも。順調に進んだ場合でも、営業開始までは6ヵ月の期間を要するといわれています。

飲食店を開業したい時

飲食店開業では、所轄の保健所から営業許可証を発行してもらう必要があります。営業許可の申請は、営業する地域の保健所に申請書類・平面図・厨房平面図・厨房機器リストを提出して行います。店舗工事が終われば保健所に店舗検査をしてもらい、問題なければ営業許可が受理されます。さらに、50坪以上の店舗の場合は消防署への届出と消防検査も必要です。営業する地域の消防署に、申請書類・図面・説明文を提出し、保健所と同じく店舗工事完了後に検査を受けなければなりません。

  • 食品営業許可
  • 個人事業の開廃業等届出書
  • 防火管理者選任届
  • 深夜における酒類提供飲食営業開始届出書(午前0時~日の出までに酒類を提供する場合)
  • 労災・雇用・社会保険の加入手続き

以上の5つの許可に加え、食品衛生責任者と、店舗または建物全体の収容人数が30人以上の場合は防火管理者の2つの資格が必要です。飲食店開業に関しての資格・許可は、かなり細かな取り決めを規定している自治体もあるため、物件探しと同時に確認しておきましょう。

飲食店が提供する食事

建設業をはじめたい時

建設業を行うには、建設業許認可を受けるために、4つの許可要件を備えていること、および欠格要件に該当しないことが必要です。これは元請負人のみでなく、下請負人・法人・個人の区別なく義務付けられています。

  • 経営業務の管理責任者がいること
  • 専任の技術者がいること
  • 請負契約に関して誠実性があること
  • 財産的基礎・金銭的信用があること
  • 許可を受けようとする者が、一定の欠格要件に該当しないこと

なお、法人か個人か、または一般建設業許可か特定建設業許可かなどによって、それぞれ異なる条件が定められています。希望の業務内容に合った要件に該当しているかきちんと確認した上で、許認可手続きを行って下さい。

産業廃棄物収集運搬業をはじめたい時

産業廃棄物の収集または運搬業をはじめる法人・個人事業主・協同組合などは、当該業を行おうとする区域を管轄する都道府県知事(政令市長)の許可を受けなければなりません。産業廃棄物収集運搬業の許可を新規で取得する際は、以下の4つの要件をすべてクリアする必要があります。

  • 会社(法人・個人)・役員などが欠格要件に該当しないこと
  • 産業廃棄物の収集・運搬に必要な知識・技能を有すること(指定講習会)
  • 適切な運搬施設(運搬車両・車庫・容器)が準備されている
  • 会社の財務基盤がしっかりしている

「財団法人日本産業廃棄物処理振興センター」の該当する講習会課程を受講し、終了証を受領すれば、申請者の事業を行うに足りる技術的能力を有するとして、大多数の都道府県・政令市に認められます。受講してから6日後に合否の発表があり、インターネットで受講申し込みをする際に作成する「マイページ」にて確認できます。終了証は、受講して2週間後には自宅に届けられます。

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