マーケティングリサーチとマーケットリサーチの違い
更新日:2022.05.06スタッフブログ市場調査は、「マーケットリサーチ」と呼ばれることから、「マーケティングリサーチ」と混同されることがあります。今回はマーケティングリサーチと市場調査の種類をそれぞれご紹介します。企業は自社の利益を上げるために、どの様にして消費者のニーズを把握しているのでしょうか?詳しく見ていきましょう。
混同しやすいマーケティングリサーチと市場調査
マーケティングリサーチの種類
消費者が何を求めているかを知るための手段が、マーケティングリサーチです。マーケティングリサーチには、「定量調査」と「定性調査」という代表的な2つの種類があります。
「定量調査」とは、アンケートに回答してもらい、ターゲットの態度や行動レベルを統計的に分析。量的に把握することで、「仮説の検証」を行うのが目的です。個人よりも全体の傾向をつかめたり、数字化して結果を分析したりが可能という特徴があります。
もう一方の「定性調査」とは、マンツーマンのインタビュー形式の質問に、口頭で回答してもらう調査の方法です。ターゲットの態度や意識だけでなく、深層心理や意識を探るために行われ、「仮説の構築」に利用されます。全体の把握というよりは、一人ひとりの深い意識を探ることが目的です。
マーケティングリサーチで分かるのは、主に次の3つといわれています。1つ目は、消費者が商品やサービスをどの様に使用しているかという「事実」。2つ目は、なぜ購入しようと思ったのかという「意識」です。3つ目は、商品・サービス・広告を見て、どの様にアクションを取るのかという「反応」です。消費者からの正しい情報、つまり「事実・意識・反応」を的確につかむためには、マーケティングリサーチを行う前に調査の目的が整理されている必要があります。
市場調査の種類
市場調査とは、別名「マーケットリサーチ」とも呼ばれます。市場調査は、現在の市場を数値化して把握し、どの様に商品やサービスが売れるかを模索することです。市場調査はマーケティングリサーチの一部で、マーケティングリサーチよりも広義的な意味として捉えられています。まずは、個人の意見や事実を、次に顧客全体の傾向や統計的なデータを分析するのが一般的な市場調査の方法です。
市場調査では、統計学的に消費者を探っていきます。その代表的な種類には、「定量調査」「定性調査」「覆面調査」「統計データ調査」などの方法があります。これらの方法が、マーケティングリサーチにも応用されるため、「定量調査」や「定性調査」といった方法が重複しているということになります。中でも、覆面調査は「ミステリーショッパー」とも呼ばれており、飲食店などのサービス業の調査によく使われています。実際にサービスを利用した上で情報を提供する手段です。統計データ調査では、ターゲットとなるお客様の属性に合わせた方法で数値の分析が行われます。さまざま市場調査の方法を組み合わせながら、必要とする情報を引き出します。
市場調査で使用される大量のデータは、1次データと2次データに区分されます。1次データは、ある目的のために新たなアンケートやインタビューで得たデータのことです。一方、2次データとは、既に別の目的のために行われたデータを指します。
つまり、1次データは自社が独自に市場調査のデータ、官公庁などが行った統計データを2次データと位置付けます。データを集めるためにはさまざまなコストがかかりますから、既存の2次データを活用しない手はありません。2次データの代表的なものは、5年ごとに総務省統計局が行っている国勢調査です。国内のすべての世帯が対象の国勢調査は、マーケティング戦略を立てる上で、貴重な統計データといえるでしょう。
利用するシチュエーション
マーケティングリサーチや市場調査が行われるシチュエーションには、どの様なシーンがあるのか、マーケティングリサーチと市場調査に分けてご説明します。
マーケットリサーチ
マーケットリサーチには、先にご紹介した方法の他に独自の調査方法があります。「製品テスト」では、実際の製品を使用してもらい、消費者の評価を探ります。例えば、化粧品のモニターを募集し、試供品を一定の期間使ってみてどうだったか、という記録を分析するとします。「はい」「いいえ」という二者択一の方法に答えてもらった後、補足質問を加えることで顧客の生の声を聞くのです。この他には、容器・デザイン・使いやすさなどを探るためのパッケージテストや、商品名の印象を探るためのネーミングテストなどがよく利用されています。
市場調査
市場調査の実用シーンを、車の市場に例えてみましょう。例えば、「国民一人当たりの車の保有台数」「車1台にかけるお金」「何年ごとに買い替えるか」「現在所有する車のメーカー名」などがその一例です。新しい車を開発しようした時に、今の消費者がどのような車を必要としているかを分析し、売れる車作りに役立てます。企業側からの一方的な押しつけではなく、お客様の目線で製品を作ることで、需要と供給の関係が成立するのです。
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